【日本】12月31日から1月3日まで休場
■2021年の展望
本日から新年の取引が始まる。新型コロナウイルスワクチンの普及による経済回復期待が高まっており、株価の高値はまだ続く見通し。世界的な金融緩和によるカネ余り状態も、株高の追い風。
近年、投資家保護の観点から問題が高まっている米の投資アプリ「ロビンフッド」による取引が隆盛となっている。長期的な見通しではない短絡的な投資傾向は続く見通し。ゲーム的な感覚での取引の増大は実体経済との乖離を助長している。今年も何らかの問題が出てくる可能性が否めない。
1月20日にバイデン大統領が就任する予定。バイデン政権は増税強化を掲げているが、1月5日に行われるジョージア州の選挙結果によって市場への影響が出てくる可能性もある。世界的には脱炭素の動きにシフトしており、すでに関連銘柄が堅調。
国内の政治の動きとしては、10月に衆議院の任期満了を迎える。延期された東京五輪の開催状況により投票時期が前倒しになる可能性もある。現状では自民党が勝利し、株価も安定するとみられる。しかしながら、新型コロナウイルス感染症に対する政府の対応に不満を持っている人も多く、楽観視はできない。
今年9月のデジタル庁発足に向けた動きも本格化し、DX関連銘柄が引き続き物色される見込み。
株価の動きとしては、新型コロナウイルス感染症の拡大の収束見込みが立たず、昨年と同様の動きが続くものと思われる。
【米国】
■主なマーケットデータ(12月31日)
*株式
NYダウ平均 USD30,606.48 +196.92 (+0.64%)最高値更新
NASDAQ総合 USD12,888.282 +18.280 (+0.14%)
S&P500 USD3,756.07 +24.03 (+0.64%)最高値更新
*為替
ドル/円 (1月4日6時36分) 103.20-22円
*債券
米国債10年 0.916% (-0.010%)
*商品
NY原油(WTI) 1バレル= USD48.52 +0.12(+0.25%)(2月渡し)
NY金(COMEX) 1オンス=USD1,895.10 +1.70(+0.09%)(2月渡し)
■マーケット概況
12月31日の米国市場は続伸。薄商いながらダウ工業株30種平均、S&P500種株価指数とも過去最高を更新し、1年の取引を終えた。朝方は売りが先行していたが、ワクチン普及による景気回復期待から買われた。景気敏感株の上昇が目立った。
半導体のインテルに加え、景気敏感株の金融のゴールドマン・サックスやクレジットカードのアメリカン・エキスプレスなどが買われた。
年間としてダウ平均は7.2%高と、昨年(22.3%高)に続いて2年連続で上昇。上昇率の1位はアップルの80.7%、次いでソフトウエアのマイクロソフトの41.0%となっている。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は年間で43.6%高と2年連続で上昇。上昇率はリーマンショック翌年の2009年以降以来で最大となった。
今年の象徴は「巣ごもり消費」銘柄の隆盛だった。関連銘柄の多いナスダックを牽引した。ビデオ会議システムのズーム・ビデオ・コミュニケーションズは5倍、ネット通販のアマゾン・ドット・コムは8割近く、動画配信のネットフリックスは7割近く上昇。電気自動車のテスラは8倍になっている。
多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も年間で16.3%高と、2年連続で上昇した。
■注目のニュース
・ビットコイン最高値更新続く
ビットコインが1月2日、3万ドルの大台を突破。その後も高値を更新し続け、昨日3万4千ドルに達している。世界的な金融緩和による投資が増大。米生命保険のマスミューチュアルに加え、投資会社のスカイブリッジ・キャピタルなど機関投資家が投資を拡大。決済大手の米ペイパルも関連事業に参入している。