【3月2日 テクニカルアナリシス】ダウのカギを探る
月曜日の巨大なラリーの後に上昇。ダウ平均は米国市場の開始前に0.3%の下落している。現在、2つの重要な支援材料として、過去の高値31,270ドルと安値31,270ドル、その後は50日移動平均線が位置する30,850ドル付近にある。この2つのレベルを上回っている限り、中期的な見通しは強気のままだろう。
しかし、米国の10年物利回りが今日も1.5%に向け上昇しており、短期的な見方としてはややリスクが高い。利回りが下落に転じない限り、株式は脆弱になる可能性がある。さらに、中国は米国市場でバブルが発生していると警告しており、これも上昇の警告となる可能性がある。
上昇の場合、次のターゲットは31,600ドル、その後は先週の高値32,000ドルとなる可能性がある。
今日は素材を除く全ての業種で下落。上値が重く、これまで追加経済対策やワクチン接種により景気回復期待を高めてきたが、すでに織り込み済みとみられているようだ。利益確定売りが先行し、31,391.52ドルで終えた。
【日本】日経平均反落 利益確定売りが指数を押し下げ
■主なマーケットデータ(3月2日)
日経平均株価 29,408.17円 -255.33(-0.86%)
安値 29,314.82円 - 高値 29,996.39円
東証出来高 12億9267万株
東証売買代金 2兆6132億円
日経平均株価は大幅に反落。9時30分頃までは前日の米株高を受け上昇したが、徐々に下落。米株価指数先物や中国・上海株式相場が軟調に推移し、景気敏感株などに利益確定売りが出て指数を押し下げた。
2日の東京外国為替市場ドル円は小幅に円安。前日の高値を超え、106.90-95円まで一時上昇したが107円の壁は厚かった。その後は、106円後半を続けた。
注目すべきトピックとして、中国関連のニュースが3つあった。一つ目は、WSJが報じた中国における外国人記者の報道環境悪化のニュース。中国外国人記者クラブ(FCCC)が公表した年次報告書によると、中国における外国人記者の報道環境が昨年、著しく悪化したことが判明。当局による記者や取材先への妨害や、記者の国外追放、コロナウイルスを口実に取材を妨害などが横行した。ちなみに、報道環境が改善したと回答した記者は皆無。
二つ目は日本政府が邦人に対する中国での肛門でのPCR検査免除を求めたことに対し、中国政府は「科学的見地から行っている」と反論。
三つ目が、中国国防省が沖縄県や尖閣諸島の周辺海域で続いている中国当局による領海侵入について、「中国公船が自国の領海で法執行活動を行うのは正当であり、合法だ。引き続き常態化していく」と方針をSNSで公表。
ユーロドルは軟調。朝方に1.2045レベルで取引が始まったが、序盤は横ばいで推移。その後、断続的にユーロ売られ下落。その後、独1月の小売売上高が発表され-4.5%。予想が0.3%だったが予想外に悪化し、ユーロ売りが一段と強まった。
無担保無担保コール翌日物金利(速報ベース) -0.022%
国債先物・21年3月限 151.14(+0.33)
10年長期金利 0.125%(-0.025)
【香港】(3月2日)
- 香港ハンセン指数 HKD29,095.86 -356,71 (-1.21%)
香港ハンセン指数は反落。前日の米株高を受け、10時過ぎにピークを迎えると下落し続け、下げ幅を拡大した。香港政府の陳茂波・財政司司長(財務長官)が「株式に課す追加印紙増税の可能性を排除しない」と発言。投資家心理を冷え込ませ、一時、心理的節目の29,000ポイントを下回る場面もあった。
【米国】
■主なマーケットデータ(3月2日)
NYダウ平均 USD 31,391.52 -143.99 (-0.45%)
NASDAQ総合 USD 13,358.787 -230.042(-1.69 %)
S&P500 USD 3,870.29 -31.53(+0.81 %)
2日の米国株式市場でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落。注目の動きは、前日夕方に市場予想を上回る四半期決算を発表したビデオ会議システムのズーム・コミュニケーションズ。好調な決算に反して、9%安だった。今後、現在が山でコロナウイルスが収束した場合を見越した行動とみられる。この現象は、投資家が景気敏感株への投資に切り替えている表れと言える。
USDJPY 106.72-106.72
EURJPY 128.99-128.99
EURUSD 1.2087-1.2087
GBPJPY 148.98-148.99
GBPUSD 1.3959-1.3960
2日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、底堅い値動きだった。景気回復期待の高まりや長期金利が一時1.45%に上昇したことを受け、朝方に昨年8月28日以来、約半年ぶりの高値となる106.96まで上昇。しかし、心理的節目107.00を前に伸び悩んだ。
ブレイナードFRB理事による「FRBは忍耐強く対応」「債券市場の動きを注視している。利回り上昇が継続し、経済活動を阻害し始めれば懸念する。」と発言。この発言が重石となった。
ユーロドルは下落後に急反発。ECB理事会での追加緩和観測、心理的節目1.2000を割り込んだことに伴うロスカットにより、欧州時間朝方にかけ一時1.1992まで下落。
欧州委員会による「新型コロナウイルスの迅速承認に向けた方策を加盟国と共に検討する」との発表、米長期金利の低下によって高値1.2089まで反発。その後、一時1.3865ドル近辺まで値を落とし、その付近で推移。
米国債10年 1.402%(-0.015)
NY原油(WTI) 1バレル=USD59.75 -0.89(-1.47%)(4月渡し)
NY金(COMEX) 1オンス=USD1,723.60 +10.60(+0.62%)(4月渡し)