【3月4日 テクニカルアナリシス】ナスダックはパウエル議長の講演前に上昇(緑色)に転じる
ハイテク比率の高いナスダック先物は、その日の損失を消し去り米国市場が開く直前12,680ドル前後で取引され、横ばいだった。投資家はパウエルFRB議長の講演での発言を注視している。
パウエルFRB議長の動向が注視されるのは、先週の2度の発言から今回に続くが・・・
ナスダックは、1月の安値12,500ドルを上回っている。ベア(弱気)側に押し下げた場合、12月付近の安値12,200ドル付近、もしくは心理的な境目の12,000ドルがターゲットとなるだろう。
一方、現在の心理的な境目は13,300ドルと見られている。その価格を上回った場合、13,800ドル付近の高値に向かって別のラリーが発生する可能性もある。
パウエル議長の講演中やその後、ボラティリティーが上昇すると思われる。しかし、ナスダックは10日平均、20日平均、50日平均を下回り、中・短期的な見通しがネガティブになっていることを示唆している。
その後、パウエル議長の講演が行われた。長期金利上昇について「金融市場に持続的な逼迫がみられるようなら懸念する」と述べたが、具体的な抑制策には言及しなかった。さらに、「最大雇用と長期的に平均2%のインフレ率を達成するという目標には、まだ遠い道のりにある」と述べており、長期的な金融緩和が続くことを示唆した。
今回の発言を受け、長期金利が一時1.55%に上昇。この影響によりハイテク株が売られ、ナスダックは3日続落。
【日本】日経平均大幅反落 米国利回り上昇からリスク回避強まり利益確定売り
■主なマーケットデータ(3月4日)
日経平均株価 28,930.11円 -628.99(-2.13%)
安値 28,711.04円 - 高値 29,277.19円
東証出来高 12億8561万株
東証売買代金 2兆7612.65億円
4日の日経平均株価は大幅に反落。心理的な節目の2万9000円を4営業日ぶりに割り込んだ。終値ベースで2月5日(2万8779円)以来、約1カ月ぶりの安値。米長期金利上昇への警戒感と米株先物安からリスク回避の動きが強まり、下げ幅が一時800円超となる場面もあった。
注目の動きとしては、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が米国時間4日正午ごろからウォール・ストリート・ジャーナル・ジョブズ・サミットで講演する。連邦公開市場委員会(FOMC、16,17日)を前に、FRBの姿勢の動向を探る手掛かりが得られるか否かに関心が高まっている。
4日の東京外国為替市場ドル円は円安となり、17時時点で107.13-15円。前日の同時点に比べ0.32円の円安・ドル高だった。米長期金利が上昇し、日米金利差の拡大が意識され円売り・ドル買いが優勢となった。一方で、国内輸出企業による円買い、ドル売りが入り下げ渋る場面もあった。夕方に一時107.19円近辺で、2020年7月以来およそ8カ月ぶりの円安水準となった。
ユーロ円は小幅に反発し円高。17時時点は129.13-14円と、前日17時時点と比べ0.4円の円高・ユーロ安だった。
ユーロドルは反落。17時時点は1.2052-53ドルと0.0041ドルのユーロ安・ドル高。
無担保無担保コール翌日物金利(速報ベース) -0.016%
国債先物・21年3月限 151.00(-0.12)
10年長期金利 0.135%(+0.020)
【香港】(3月4日)
香港ハンセン指数 HKD29,236.79 -643.63 (-2.15%)
4日の香港ハンセン指数は大幅に反落。米株下落を受け安く寄り付いた後、徐々に下げ幅を拡大した。米長期金利の上昇からハイテク株が売られ、ハイテク株の影響を受けやすい指標の特性から大幅に値を下げた。さらに明日中国本土で国会にあたる全国人民代表大会(全人代)の開幕前での利益確定売りも優勢となった。
【米国】
■主なマーケットデータ(3月4日)
NYダウ平均 USD 30,924.14 -345.95 (-1.10%)
NASDAQ総合 USD 12,723.472 -274.280(-2.11 %)
S&P500 USD 3,768.47 -51.25(-1.34 %)
4日のダウ工業株30種平均は3日続落。パウエル議長の発言を受け、投資家心理が悪化。米株の変動性指数(VIX)は一時、前日比2割程度高い31台に上昇した。景気敏感株が売られ、下げ幅が一時700ドルを超えた。一方で、追加経済対策やワクチン普及による景気回復期待の高まりは続いており、底値を支えた。
USDJPY 106.94-106.94
EURJPY 129.22-129.22
EURUSD 1.1971-1.1971
GBPJPY 149.98-149.99
GBPUSD 1.3894-1.3895
4日のニューヨーク外国為替市場でドル円は急伸。追加経済対策やワクチン普及による景気回復期待の高まり、さらに、パウエル議長の発言で利上げへの強い懸念とツイストオペの可能性を示唆がそれぞれ無かったことから失望に繋がり長期金利が上昇、株価指数の急落、リスク回避のドル買いに波及した。これらが支援材料となり、約8ヵ月ぶり高値となる107.94円まで上昇。小反落があるものの日本時間7時4分現在は108円手前で推移している。
ユーロドルは急落。ECBによる追加緩和観測や、ユーロ圏の1月小売売上高(結果-5.9%、前年比-6.4%)と大幅に予想を下回ったこと、パウエル議長の発言からドル高となったことが重石となり一時、約1ヵ月ぶり安値となる1.1962まで急落。終盤小反発するも、日本時間7時12分現在は、1.1971-1.1976ドルで推移。
米国債10年 1.550%(+0.069)
NY原油(WTI) 1バレル=USD63.83 +2.55(+4.16%)(4月渡し)
NY金(COMEX) 1オンス=USD1,700.70 -15.10(-0.88%)(4月渡し)