コロナウイルスの感染再拡大を受けユーロ安

2021/11/22

Noriko Sasaki
2021/11/22 7:00 JST投稿
 
 

【今週の見通し】(11月22日-26日)

11月25日までにバイデン大統領が米連邦準備理事会(FRB)の次期議長人事を発表する予定。パウエル議長の再任の可能性が強い模様だが、金融引締めに慎重なハト派のブレイナード理事が指名されると、早期利上げ観測が若干後退する可能性がある。よって、長期金利に低下圧力がかかり、堅調に推移している米ドルが下落する可能性が強い。
 
今週は日米ともに祝日がありそれぞれ休場。日本は11月23日が勤労感謝の日による祝日。アメリカは25日が感謝祭による祝日。さらに翌日の26日は時短取引で、ニューヨーク証券取引所及びナスダックはアメリカ東部時間13時(日本時間翌朝3時)、時間外取引は17時(日本時間翌朝7時)までの取引。
 
注目は24日。米国で10月の耐久財受注、個人消費支出(PCEデフレータ)、個人所得、新築住宅販売件数、ミシガン大学消費者態度指数(確報値)などの経済指標の発表。さらに、11月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公表が予定されている。特にPCEコアデフレータやFOMC議事要旨における利上げに対する意見に注目が高まる。利上げに前向きな姿勢が強まっている場合は成長株(グロース)中心に利益確定売りが進む可能性が強い。為替は、日米金利差が意識されアメリカへの投資の方が利益が大きく米ドルが買われ、米ドル・円は堅調に推移するだろう。日本は欧米が金融緩和の縮小に向かいインフレが高まる中で一向に縮小の気配がなく、いつ対策を講じるのか不透明な状況が続く。国内の要因から鑑みても日本の市場に投資する魅力は少なく、取引規模が小さく値動きが出にくい状況が続くだろう。
 
 

【米国】

  • 為替(11月22日6時00分)

 米ドル円(USDJPY)    113.98-114.06 (円)
 ユーロ円(EURJPY)    128.57-128.67 (円)
 ユーロ米ドル(EURUSD) 1.1280-1.1281 (米ドル)
 ポンド円(GBPJPY)    153.21-153.41 (円)
 ポンド米ドル(GBPUSD) 1.3442-1.3451 (米ドル)
 
11月19日のニューヨーク外国為替市場。ユーロ・米ドル(EURUSD)は、欧州各地でコロナウイルスの感染再拡大から景気回復の遅れが懸念されユーロが売られ徐々に下落。ドイツのシュパーン保健相が「ワクチン接種した人も含めロックダウン(都市封鎖)を排除できない」と述べると、さらにユーロ売りが加速し、昨年7月以来の安値1.1250を付けた。売りが一巡すると徐々に買戻しが入り、ドイツのマース外相が独ビルド紙のインタビューで「全国的なロックダウン(都市封鎖)の可能性は排除されている」と述べたことで安心感が広がり支援材料となった。この影響から、1.1322に上昇した。その後は、再びユーロ売りに押され下落し、終値は1.1290。
 
米ドル・円(USDJPY)は、欧米のコロナウイルス感染再拡大の景気回復の懸念やダウ平均の下落が重しとなり、リスクを回避するリスクオフの円買いが強まり下落。朝方に長期金利が低下するとさらに円買いが強まり、この日の安値113.59を付けた。売りが一巡すると、上昇に転じた。社会的安全網や気候変動対策、増税といったバイデン米大統領の経済優先施策を盛り込んだ税制・支出法案が下院で可決したことも支援材料となった。また、ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事の金融緩和の引き締め策に積極的な立場をとるタカ派的な発言から、長期金利が1.52%から1.53%に上昇し米ドル買いが強まり114に乗せた。さらに、クラリダFRB副議長が12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、金融緩和の縮小(テーパリング)のペース加速を巡り討議することが「極めて適切となる可能性がある」という認識を示したことも支援材料となり114.07に上昇した。その後は、週明けのFRB議長の人事を見極めたいとの様子見の姿勢が強まり、小幅な値動きにとどまった。終値は113.99。
 
ユーロ・円(EURJPY)は、欧州でのコロナウイルス感染再拡大を受け大幅に下落。リスクを回避するリスクオフの姿勢が強まり、朝方に9月22日以来の安値127.98を付けた。しかし、ドイツのマース外相がロックダウンの可能性を否定すると129.05に回復。その後、小幅な動きにとどまり、終値は128.71。
 

  • 株式

 NYダウ平均  USD 35,601.98 -268.97 (-0.74%)
 NASDAQ総合  USD 16,057.438    +63.728 (+0.39%)最高値更新
 S&P500      USD 4,697.96  -6.58(-0.13%) 
 
11月19日の米株式市場のダウ工業株30種平均は3日続落。欧州でのコロナウイルス感染再拡大を受けたロックダウンが懸念され、リスクを回避するリスクオフの姿勢が強まり終日マイナス圏で推移。景気敏感株が中心に売られた。一方で、長期金利の低下から割高感が中和され、高い株価収益率(PER)のハイテク株が買われ、ナスダックは昨日に続き最高値を更新。初めて大台の16,000ドル台に突入した。
 

  • 債券

 米国債10年 1.548(-2.48%)
 

  • 商品

 NY原油(WTI) 1バレル=USD 76.10 -2.91(-3.68%)(12月渡し)
 NY金(COMEX) 1オンス=USD 1,851.60  -9.80(-0.53%)(12月渡し)
 
 

【日本】EUのコロナウイルス感染再拡大からユーロが小幅に下落

  • 為替(17時)

11月19日の東京外国為替市場。米ドル・円は大きな動きがなく、114.30台の狭いレンジで推移。米連邦準備理事会(FRB)議長の人選を控え様子見となったことも大きかった。17時時点では114.36。
 
ユーロ・米ドルは、日中は1.13台の狭いレンジで推移ながらEU圏内でのコロナウイルスの感染再拡大を受け、小幅に下落。欧州勢が参加し、17時直前から徐々に下落し17時時点では1.1344。なお、オーストリア政府は19日に完全なロックダウン(都市封鎖)を再導入。ドイツでは感染者数が過去最高を記録するなど、欧州の大半の国で感染者が急増している。
 
ユーロ・円は、動きがほとんどなく、日中は129後半で推移。欧州勢が参加後、ユーロ・米ドルの売りにつられ、徐々に下落し17時時点では129.73。その後も徐々に値を下げた。
 

  • 日本株式

 日経平均株価     29,745.87円  +147.21(+0.50%)
  安値29,589.19円  -  高値 29,768.54円
 東証出来高  1,196,35万株
 東証売買代金 2兆9270.12億円
 
11月19日の日経平均株価は3日ぶりに反発。米株式市場で半導体株が買われた流れを受け、株価が高い(値がさ)株が買われた。さらに外国為替市場で米ドル・円が114円台で推移し、輸出関連株が買われたことも支援材料となり、終日プラス圏で推移。10時頃まで売買が交錯し値動きが激しかったが、徐々に上昇。小幅に下落した場面もあったが、終了間際に170円近くまで上げ幅を拡大。その一方で、米長期金利の上昇が収束し、金融株が売られたことも重しとなった。
 

  • 短期金融市場

 無担保コール翌日物金利  -0.037%
 

  • 債券

 国債先物・21年12月限  151.62(+0.09)
 10年長期金利  0.075%(-0.005)
 
 

アナリストプロフィール

 
Noriko Sasaki
投資運用歴25年。日系銀行、シティバンク、日興シティ信託銀行の勤務や、ITベンチャー企業でのIR・広報などを経て、金融に強みを持つライターとして活躍。これまでのキャリアで培った金融の知識と、企業経営の視点、ニュースを複合的に織り交ぜたマーケット分析を得意とする。

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