南アフリカの変異種発見から景気減速気配が強まり円買いに

2021/11/29

Noriko Sasaki
2021/11/29 6:47 JST投稿


【今週の見通し】(11月29日-12月3日)
先週は感謝祭に伴う休日と時短取引で、機関投資家の休みも多く取り扱い金額が少ない影響から激しい値動きとなった。そんな中、南アフリカで発見されたコロナウイルスの新たな変異種「オミクロン株」の登場から、景気回復の遅れが懸念され投資リスクが少ない安全資産の債券や円、スイスフランが買われている。オミクロンが解明され詳しい情報が出てくるまでは不安定な状況が続くとみられ、米国の多くの企業が12月末で年度末を迎える重要な時期だけに注目が高まる。

今回の騒動から米連邦準備制度理事会(FRB)による早期利上げ観測は後退しており、米長期金利が買われ利率が低下すると米ドル売り・円買いとなる可能性が大きい。欧州のコロナウイルスの感染再拡大も警戒が強まっており、状況によってはユーロがさらに下落する可能性も含んでいる。



なお、今週の注目イベントは以下の通り。

・11月29日(月)

パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長とニューヨーク連銀総裁のオンラインイベントでのあいさつ

・12月1日(水)

ADP全米雇用報告(11月)、ISM製造業景況指数(11月)、経済協力開発機構(OECD)の世界経済見通し公表、米下院金融委員会でFRBと財務省のコロナ対応巡る公聴会実施、米・地区連銀経済報告(ベージュブック)公表

・12月2日(金)

OPECプラス閣僚会合

・12月3日(金)

米雇用統計(11月)、米ISM非製造業景況指数(11月)



【米国】
 

  • 為替(11月29日6時00分)


米ドル円(USDJPY) 113.21-113.30 (円)
ユーロ円(EURJPY) 128.25-128.41 (円)
ユーロ米ドル(EURUSD) 1.1306-1.1312 (米ドル)
ポンド円(GBPJPY) 151.14-151.34 (円)
ポンド米ドル(GBPUSD) 1.3332-1.3340 (米ドル)

11月26日のニューヨーク外国為替市場は、前日の感謝祭の祝日に続き、この日は債券、株式、商品市場が時短取引となり、休みを取っている機関投資家も多かった。南アフリカでコロナウイルスの新たな変異種「オミクロン」が発見され、景気回復の遅れの懸念から安全資産とされる円やスイスフラン(CHF)を買う「リスクオフ」の動きが高まった。

米ドル・円(USDJPY)はリスクオフの流れが強まり、円が買われた。安全資産を求める動きの強まりから長期債が買われ金利が1.4697%前後に大幅に低下したことも影響し、この日の安値113.05まで円買いが進んだ。その後は、少し持ち直し終値は113.38だった。米ドル・スイスフラン(USDCHF)は、徐々に値を下げ、0.9232で終えている。

ユーロ・米ドル(EURUSD)は、米ドル・円の下落や長期金利の低下からユーロ買い・米ドル売りが優勢となり、徐々に値を上げた。長期金利の大幅な低下も影響があり、さらに米ドル売りが優勢となり、この日の高値1.1331に上昇した。終値は1.1317となった。

ユーロ・円(EURJPY)は、徐々に安くなった。コロナウイルスの新種が発見され懸念が強まると、リスクオフの流れが強まり円が買われ2月24日以来の安値127.80まで値を下げた。終値は128.35だった。

 

  • 株式


NYダウ平均 USD 34,899.34 -905.04 (-2.52%)
NASDAQ総合 USD 15,491.657 -353.569 (-2.23%)
S&P500 USD 4,594.62 -106.84(-2.27%)

11月26日の米株式市場のダウ工業株30種平均は24日に続き値を下げた。前日の感謝祭の祝日に続き、この日は13時までの時短取引となり休みの機関投資家も多く、取引参加者が少なかった。南アフリカでコロナウイルスの新たな変異種「オミクロン」が発見され、景気回復の遅れの懸念から、リスクの高い株式への投資を控え預貯金などの安全資産への投資に切り替える「リスクオン」の姿勢が強まった。9時30分に1,000ドル超と大幅に値を下げ、今年最大の下げ幅を記録した。その後も低い水準で進み、終日マイナス圏での取引となった。

 

  • 債券

米国債10年 1.482(-7.18%)
 

  • 商品

NY原油(WTI) 1バレル=USD 68.15 -10.24(-13.1%)(1月渡し)
NY金(COMEX) 1オンス=USD 1,785.50 +1.20(+0.07%)(12月渡し)



【日本】南アフリカで発見された新たな変異種から安全資産の円買い

 

  • 為替(17時)

11月26日の東京外国為替市場。朝方に南アフリカでコロナウイルスの新たな変異種「オミクロン」が発見されたと伝わり、リスクが低い安全資産の円が買われる「リスクオン」の状況が強まった。この影響から、米ドル・円は、徐々に円買いが強まり、114前半で取引された。17時直前に円がさらに買われこの日の安値114.14を付け、17時時点で114.17となった。

ユーロ円は、リスクオンの状況が強まり128後半中心の取引。16時の欧州勢参加後に円買いが加速し、17時時点では128.25だった。17時過ぎに円買いがさらに増し、128.21まで売られた。

円は大半の通貨に対して買いが優勢となり対ポンドが151.69、対オーストラリアドルは81.28、対ニュージーランドドルは77.70、対南アフリカアランドは7.01まで価格が下がった。

ユーロ・米ドルは、米ドル・円で安全資産の円買いが強まった影響を受けユーロが買われ、価格が上昇した。堅調に推移し、17時時点では1.1233だった。

 

  • 日本株式


日経平均株価 28,751.62円 -747.66(-2.53%)
安値28,605.61円 - 高値 29,332.99円
東証出来高 1,302,90万株
東証売買代金 2兆9993.40億円

11月26日の日経平均株価は大幅に落ち込み、10月29日ぶりに心理的な境目の29,000 円を下回った。朝方に南アフリカでコロナウイルスの新たな変異種「オミクロン」が発見されとの報道からリスクの高い株式への投資を控え預貯金や債券などの安全資産への投資に切り替える「リスクオン」の姿勢が強まり、売りが優勢となり終日マイナス圏で推移した。13時前に900円近くまで値を下げ、6月21日以来の下落率となった。東証1部の33業種すべてが値段を下げ、個別銘柄も全体の91%で前日より値下がりした。

 

  • 短期金融市場

無担保コール翌日物金利 -0.043%
 

  • 債券

国債先物・21年12月限 151.72(+0.18)
10年長期金利 0.070%(-0.010)

※ボラティリティの懸念に伴い、AXIORYでは2021年8月27日 (金) に全てのスイスフラン (CHF) 通貨ペアのレバレッジを1:20に引き下げております。詳しくはこちらをご覧ください。




 


アナリストプロフィール
Noriko Sasaki

投資運用歴25年。日系銀行、シティバンク、日興シティ信託銀行の勤務や、ITベンチャー企業でのIR・広報などを経て、金融に強みを持つライターとして活躍。これまでのキャリアで培った金融の知識と、企業経営の視点、ニュースを複合的に織り交ぜたマーケット分析を得意とする。

 

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