長期金利が1.68%台となり米ドルが116円台に

2022/01/05 7:35 JST投稿

 

【米国】

  • 為替(1月5日6時00分)

米ドル円(USDJPY) 116.10-116.10 (円)
ユーロ円(EURJPY) 131.02-131.02 (円)
ユーロ米ドル(EURUSD) 1.1284-1.1284 (米ドル)
ポンド円(GBPJPY) 157.07-157.08 (円)
ポンド米ドル(GBPUSD) 1.3528-1.3529 (米ドル)

1月4日のニューヨーク外国為替市場は、朝方に発表された12月ISM製造業景況指数(結果:58.7、予想:60.0、前回:61.1)が供給網(サプライチェーン)の問題を受け予想以上に低下したものの、入荷遅延と仕入れ価格の指数がそれぞれ低下し、良い兆しが出て影響は軽微だった。その結果を受け、昼前に長期金利が2日連続で上昇し昨年11月24日の水準の1.686%となり、よい影響を及ぼした。

米ドル・円(USDJPY)は、116円前半に上昇した。欧州時間に堅調に上昇し、2017年1月以来、約5年ぶりの高値116.35円に上昇したが、経済指標が予想を下回り境目の116円を下回った。しかし、すぐに小幅に持ち直し、その後は明日の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録の公開を控え横ばいで推移し、116.16円で終えた。

なお、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁は同連銀のウェブサイトに掲載された論文で「私が想定していた以上にインフレが高く、かつ根強いため、私は2回の利上げ予想を2022年に前倒しさせた」と利上げ支持を示した。カシュカリ総裁は2016年に同連銀総裁に就任以降、米金融政策当局者の中で最も利下げ寄りのハト派とされている。

ユーロ・米ドル(EURUSD)は、1.12ドル後半中心の取引となった。長期金利の上昇から米ドル買いが優勢となり、この日の安値1.1272ドルまでユーロが売られたが、経済指標が発表されると米ドルが売られ、この日の高値1.1322ドルまで高くなった。その後は、欧州でのコロナウイルスの感染拡大やウクライナ問題の懸念からユーロが売られ終値は1.1287ドルとなった。

ユーロ・円(EURJPY)は131円前半の、ほぼ横ばいで推移した。ISM製造業景況指数が予想を下回りユーロ・米ドルが売られるとその動きにつられ、昨年11月5日以来、約2カ月ぶりの高値131.46円に値を上げた。その後は欧州のリスクが意識されユーロ売りに転じ徐々に値を下げ終値は131.10円だった。
 

  • 株式

NYダウ平均 USD 36,799.65 +214.59 (+0.58%)最高値更新
NASDAQ総合  USD 15,622.719    -210.080 (-1.32%)
S&P500     USD 4,793.54 -3.02(-0.06%)

1月4日の米株式市場のダウ工業株30種平均は、昨日に続き最高値を更新した。コロナウイルスが感染拡大を続けているものの重症化リスクは低いとの見方から米経済への影響は軽微とみられ取引が活況となっている。昼頃に長期金利が上昇し、株価収益率(※)の高い成長株のハイテク株が売られ、金利収益の拡大期待からゴールドマン・サックスなど金融株が買われた。また、原油先物の上昇から石油株も買われている。

(※)株価収益率(PER)とは、企業の成長性を分析する指標の一つ。株価が1株ごとの当期純利益の何倍まで買われているかを表しており、値が大きいほど割安となる。今のような長期金利の指標とされる10年債の金利が上昇している時は、PERの値より金利の方が大きくなり割安感が減るため、ハイテク株を中心としたPERの高い株の魅力が減少し売られやすい。
 

  • 債券

米国債10年 1.668(+2.46%)
 

  • 商品

NY原油(WTI) 1バレル=USD 76.99 +0.91(+1.20%)(2月渡し)
NY金(COMEX) 1オンス=USD 1,814.60 +14.50(+0.81%)(2月渡し)

 

【日本】株高受け米ドル・円は2017年1月以来の高値に

  • 為替(17時)

1月4日の東京外国為替市場は、休み明けで機関投資家も戻り値動きが安定した。米株高を受け東京市場でも大幅な株高となった上、オミクロン株が早期で収束の見込みが出ている影響から積極的な投資姿勢が強まり、幸先の良い年始の取引となった。

米ドル・円は、115円前半から後半まで堅調に値を上げた。昼過ぎから積極的な投資姿勢が強まり2017年1月以来の高値115.82円まで米ドルが買われ、17時には115.74円となった。

ユーロ・米ドルは1.12ドル後半から1.13ドル前半の狭いレンジで推移した。欧州勢が参加するまでは値動きがあまり出ず横ばいで推移したが、16時過ぎに欧州でのコロナウイルスの感染拡大やウクライナ問題への懸念から、この日の安値1.1283ドルまでユーロが売られた。しかし、前日の安値1.1280ドルが意識されると若干の買戻しが入り17時には1.1291ドルとなった。

ユーロ・円は130円前半から後半に値を上げた。株高を受け米ドル・円が上昇するとつられ、徐々に値を上げたが、ユーロ・米ドルが安くなると130.53円まで安くなった。その後は再び小幅に値を上げ、17時時点で130.68円だった。
 

  • 日本株式

日経平均株価 29,301.79円 +510.08(+1.77%)
安値28,954.56円  -  高値 29,323.79円
東証出来高 1,109,93万株
東証売買代金 2兆7598.64億円
 
1月4日の日経平均株価は大幅に前日の終値を上回り、3日ぶりに値を上げ2018年以来4年ぶりに上昇した年始となった。米株高を受け開始から幅広い銘柄に買いが入り、14時過ぎに前日の終値を500円超上回り、高値圏を維持し終えた。米ドルが5年ぶりの円安となった影響から自動車などの輸出関連株も買われ、東証1部の74%の銘柄が上昇し、パルプ・紙、鉱業以外の31業種で値を上げた。
 

  • 短期金融市場

無担保コール翌日物金利 -0.016%
 

  • 債券

国債先物・22年3月限 151.43 (-0.16)
10年長期金利 0.085%(+0.015)

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アナリストプロフィール

Noriko Sasaki

投資運用歴25年。日系銀行、シティバンク、日興シティ信託銀行の勤務や、ITベンチャー企業でのIR・広報などを経て、金融に強みを持つライターとして活躍。
これまでのキャリアで培った金融の知識と、企業経営の視点、ニュースを複合的に織り交ぜたマーケット分析を得意とする。


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