【今週のハイライト】米FRBによる早期利下げ期待の高まりを受けて、全般でドル売りが優勢となった

為替(2025年8月8日  6時00分)
米ドル円          USD/JPY   150.76(円)
ユーロ米ドル   EUR/USD  1.1412(米ドル)
ユーロ円          EUR/JPY   172.02(円)
ポンド円          GBP/JPY   199.08(円)
ポンド米ドル   GBP/USD  1.3202(米ドル)

米ドル円
4日(月)は、前週末に大きく下落した反動もあり、市場では「買い遅れていた本邦実需勢からの買いが断続的に観測された。」との指摘があった。大きく下落して始まった日経平均株価が下げ幅を縮小したことも買いを支え、16時台には148.04円まで上値を伸ばした。前週末米雇用統計の弱い結果を受けて米早期利下げ観測が高まる中で、ドル売りが先行し23時台には146.86円まで下押した。その後は米10年債利回りの下げ幅縮小もあり、ドル円も下げ渋ったものの買戻しは限定的で、147.35円までにとどまった。その後も、小幅なレンジ内でのもみ合いに終始した。

5日(火)は、東京オープン直後に146.62円まで下押したものの、東京仲値にかけて本邦実需からの買いが観測されると、147.26円まで上値を伸ばした。その後は147.1円前後でのもみ合いが続いたが、時間外の米10年債利回りが上昇したことを受けて、147.49円まで上値を伸ばした。米10年債利回りの上昇を背景にドル買いが優勢となると23時前には147.83円まで上値を伸ばした。もっともISM非製造業景況指数が市場予想を下回ると伸び悩み147.30円まで下押した。ただ、米10年債利回りも底堅く推移していることから、再び147.70円まで買い戻されるなど、底堅い推移をした。

6日(水)は、東京オープン後に147.75円まで上昇したものの、自民党の河野太郎議員が「円高誘導のための利上げが必要」と発言したことが相場の重しとなったほか、国内輸出企業からの円売りも観測され、13時台には147.30円まで下押した。もっとも米10年債利回りが上昇したことを背景に買戻しが優勢となると147.69円まで上値を伸ばした。FRBによる早期利下げ観測が高まる中で全般でドル売りが優勢となった。米10年債利回りが急騰した場面では147.66円まで上昇したものの、その後米10年債利回りが上昇幅を縮小すると146.97円まで売られた。なお、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁は「年内に2回の利下げが妥当と判断」と述べた。

7日(木)は、早朝に147.15円まで売られたものの、東京仲値にかけては本邦実需による買いが優勢となり12時台には147.71円まで上値を伸ばした。もっとも、その後は米利下げ期待の高まりなどもあり、再び上値を切り下げる動きとなった。17時までには146.69円まで下値を広げた。欧州時間序盤に146.69円まで下落したもののその後は買戻しが優勢となりNY勢参入後も買戻しの流れが続いた。NY連銀が公表した7月の期待インフレ率の上昇もドル買いを促し24時過ぎには147.58円まで上値を伸ばした。なお、米ホワイトハウスはFRB理事にCEAのスティーブ・ミラン氏を指名する方向との報道が伝わると、ドル売りが優勢となり146.94円まで売られた。

ユーロドル
4日(月)は、ドル円でドル買いが優勢となったことを受けて1.1549ドルまで下押したが、その後は買戻しが優勢となり、正午過ぎには1.1585ドルまで上値を伸ばした。ただ、米10年債利回りが4.25%台まで上昇していることもあり、上値は重たかった。クロス円中心の値動きとなっていることもあり、レンジ内での上下にとどまった。新規材料に乏しい中で米10年債利回りの低下を受けてドル売りが先行し、1.1588ドルまで上値を伸ばした。ただ、米10年債利回りが下げ幅を縮小したことで、売り戻されるなど大きな方向感は出にくかった。

5日(火)は、東京オープンとともに1.1587ドルまで上値を伸ばしたものの、ただ、前日高値の1.1596ドルが目先のレジスタンスとして意識されると、徐々に上値を切り下げた。米10年債利回りの上昇も相場の重しとなり、前日安値の1.1550ドルを下抜けると17時までに1.1532ドルまで下値を拡大した。米10年債利回りの上昇を背景にドル買いが先行し1.1527ドルまで下押したものの、米ISM非製造業景況指数が市場予想を下回ると一転してユーロ買い・ドル売りが優勢となり、1.1586ドルまで上値を伸ばした。もっとも午前中高値の1.1588ドルが目先のレジスタンスとして意識されると、伸び悩んだ。

6日(水)は、東京オープン直後に1.1585ドルまで上値を伸ばしたものの、河野議員発言をきっかけにクロス円主体の相場となりレンジでのもみ合いが続いた。15時台には1.1588ドルまで上昇したものの、米10年債利回りが4.23%台まで上昇したことで、1.1571ドルまで売り戻された。欧州時間に進んだユーロ買い・ドル売りの流れを引継ぎ、NY勢参入後も上値を試す展開が続いた。米国での景気減速懸念と利下げ観測の高まりがドル売りを促し、1.1658ドルまで上値を伸ばした。

7日(木)は、1.1649ドルから1.1665ドルまでのレンジ内での値動きが続いた。東京午後のになると、安値を切り上げながら午前中上値を上抜けた。その後は再びもみ合う展開となったが、ドル売りの流れに沿って17時までには1.1680ドルまで上値を伸ばした。一部報道で「パウエルFRB議長の後任としてウォラーFRB理事が最有力候補として浮上している」と伝わると、全般でドル買いが先行した。米NY連銀の期待インフレ率の上昇もドル買いを促し、24時過ぎには1.1610ドルの日通し安値を付けた。なお、「FRB理事候補にミラン氏が選出」との報道が伝わると、全般でドル売りが優勢となり、1.1671ドルまで買い戻された。

ユーロ円
4日(月)は、ドル円と同じく本邦勢参入後に下値を切り上げる展開となり、171.14円まで上昇したものの、ユーロドルが伸び悩んでいることもあり、上値は抑えられた。欧州勢参入のタイミングでは170.74円まで下押すタイミングもあったが、下値は固く買い戻された。

5日(火)は、ドル円の上昇とユーロドルの下落に挟まれる形で、170円を挟んでもみ合う展開が続いた。15時過ぎには169.82円と日通し安値を付けたものの、その後は一転して買戻しが優勢となり、ドル円の上昇を背景に170.27円まで上値を伸ばした。

6日(水)は、ドル円の下落につれて12時台には170.61円まで弱含んだが、その後は下げ渋った。その後はドル円の上昇やユーロドルの上昇を背景として買いが優勢となり、17時までに170.94円まで買い戻された。

7日(木)は、早朝に171.64円まで下押したものの、ドル円や日経平均株価が上昇するにつれて、172.17円まで上値を伸ばした。ただ、ドル円の買いが一服すると徐々に上値を切り下げ16時台には171.39円まで下値を拡大した。

8月4日 9時00分 ~8月7日 6時00分までのレンジ幅
米ドル円 USD/JPY 146.62~148.09(円)
ユーロドル EUR/USD   1.1527~1.1698(ドル)
ユーロ円 EUR/JPY 169.81~172.17(円)
ポンドドル GBP/USD   1.3253~1.3448(ドル)
ポンド円 GBP/JPY 195.03~198.02(円)

株式
4日(月)は、前週末の米雇用統計で米労働市場の軟化を受けてFRBが9月に利下げを実施するとの見方が強まっていることも相場の支援材料となりNYダウ平均は一時590ドル超上昇した。ハイテク株比率が高いNASDAQでも3営業日ぶりに反発上昇した。

5日(火)は、米早期利下げ観測の高まりが買いを誘ったものの、米政権による関税政策への警戒感が相場の重しとなり、NYダウ平均は下落した。ハイテク株比率が高いNASDAQは、トランプ大統領の発言を受けて、ハイテク株を中心に売りが出た。

6日(水)は、「アップルが米国内での生産を拡大するために1,000億ドルの追加投資を決定」と報じられたことで、同社株が大幅に上昇した。また決算内容が好感されたマクドナルドも上昇した。またハイテク株比率が高いNASDAQでは、テスラやパランティア・テクノロジーズなどが上昇した一方で、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)が大幅に下落した。

7日(木)は、買い先行で始まったものの、NY連銀が発表した期待インフレ率の上昇を受けて、時代に売りが広がった。米経済をめぐる先行き不透明感が根強く、主力株に売りが出たことでNYダウ平均は一時390ドル超下落した。一方でハイテク株比率が高いNASDAQではアップルや半導体関連株に買いが入り、史上最高値で取引を終えた。

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