ラガルド総裁のタカ派発言からユーロ買い強まる

 

2022/02/04 7:42 JST投稿

 
 

【米国】

  • 為替(2月4日6時00分)

 米ドル円(USDJPY)    114.93-114.93 (円)

 ユーロ円(EURJPY)    131.37-131.38 (円)

 ユーロ米ドル(EURUSD) 1.1430-1.1430 (米ドル)

 ポンド円(GBPJPY)    156.21-156.22 (円)

 ポンド米ドル(GBPUSD) 1.3591-1.3591 (米ドル)

 

2月3日のニューヨーク外国為替市場の主なトピックスは、欧州中央銀行(ECB)理事会後のラガルド総裁が会見で「従来の利上げの可能性は低い」と発言し、予想外に金融政策の正常化に向けた積極的なタカ派の姿勢が示された。会見前に発表されたECBの公式見解でも、物価上昇がいずれ緩和するという従来の見通しを踏襲していただけに、反応が大きかった。
 
また、イングランド銀行(英中銀行)の金融政策委員会(MPC)が2004年以来、約7年ぶりに2会合連続の利上げ決定を発表し、前回の0.25%から0.50%に政策金利を上げ、量的引き締め(QT)を3月から開始することになった。
 
さらに、前週分 新規失業保険申請件数(結果:23.8万件、予想:24.5万件、前回:26.0万件)は2週連続で減少した。オミクロン感染拡大の影響からその前までは急激に増加していたが、回復の兆しが出ている。
 
1月のISM非製造業景況指数(結果:59.9、予想:59.5、前回:62.0)では、コロナウイルスの感染拡大により昨年12月の6.1ポイント低下(2020年4月以来の大幅低下)に続き、約1年ぶりの低いペースでの活動が拡大したことが示された。
 

ユーロ・米ドル(EURUSD)は、1.12ドル半ばから1.14半ばに上昇した。ラガルド総裁の会見後に年内の利上げの可能性が強まり急激にユーロが買われ、1月14日以来の高値1.1451ドルに値を上げた。その後は、小幅な値動きとなり終値は1.1440ドルとなった。

 

ユーロ・円(EURJPY)は、129円前半から131円半ばに値を上げた。ECBが年内に利上げを開始する可能性が高まりユーロ買いにつながり、この日の高値131.56円まで上げ、堅調なまま131.54円で終えた。
 

米ドル・円(USDJPY)は、114円前半から後半に値を上げた。新規失業保険申請件数が好感され、長期金利が1.8%台前半で堅調に推移した影響から米ドル買いが優勢となったが、ユーロに比べると値動きが少なかった。その後は、1月米ISM非製造業指数の弱い結果から値を下げたが、再び小幅に買い戻され、この日の高値114.99円まで買われ、終値は114.97円だった。
 

  • 株式

 NYダウ平均  USD 35,111.16 -518.17 (-1.45%)
 NASDAQ総合  USD 13,878.818  -538.729 (-3.73%)
 S&P500      USD 4,477.44  -111.94(-2.44%) 

 

2月3日の米株式市場のダウ工業株30種平均は、5日ぶりに前日の終値を下回った。決算発表時の業績見通しを下回ったメタ・プラットフォームズが前日比で26%超下落し、ツイッター、ピンタレスト、スナップなどのソーシャルメディア企業の株や大型のハイテク株にも売りが波及した影響が大きかった。

 
  • 債券

 米国債10年 1.836(+0.11%)
 

  • 商品

 NY原油(WTI) 1バレル=USD 90.27 +2.01(+2.28%)(3月渡し)
 NY金(COMEX) 1オンス=USD 1,804.1  -6.20(-0.34%)(4月渡し)
 

 

【日本】欧州金融イベント控え取引薄

  • 為替(17時)

2月3日の東京外国為替市場は、アジア各国で旧正月の休みとなっている影響や日本市場への期待薄から積極的な取引が控えられた。欧州中央銀行(ECB)理事会やイングランド銀行(英中銀)の金融政策会合の結果を見極めたいとの思惑も出て値動きがあまり出ていない。
 
米ドル・円は114円半ばの取引だった。日中は114.33-114.47円の非常に狭いレンジで推移し、大きな値動きは出ず、17時時点では114.58円となった。
 
ユーロ・米ドルは1.13ドル前後で、ECBや英中銀の発表を見極めたいとの思いからほとんど値動きが出なかった。17時時点では1.1297ドルだった。
 
ユーロ・円も値動きが少なく、129円前半の狭いレンジで取引され17時時点では129.44円だった。

 
  • 日本株式

 日経平均株価     27,241.31円  -292.29(-1.06%)
  安値27,165.93円  -  高値 27,357.33円
 東証出来高 1,292,79万株
 東証売買代金 3兆3546.72億円
 
2月3日の日経平均株価は5日ぶりに連続で終値を下回った。前日までの4日間で1300円以上高くなった影響から、利益を得るための売却が優勢となった。前日にフェイスブックの親会社のメタ・プラットフォームズの決算発表から仮想空間メタバースの先行きの不安が高まりグリーやソニーグループが売られ、決算発表を受け医療情報に特化したインターネットサービスのエムスリーや衣料のファーストリテイリングなどの大型株が売られたことも影響が大きかった。東証1部の67%で値を下げている。
 

  • 短期金融市場

 無担保コール翌日物金利  -0.019%
 

  • 債券

 国債先物・22年3月限  150.66 (+0.01)
 10年長期金利  0.175%(変化なし)

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アナリストプロフィール

Noriko Sasaki

投資運用歴25年。日系銀行、シティバンク、日興シティ信託銀行の勤務や、ITベンチャー企業でのIR・広報などを経て、金融に強みを持つライターとして活躍。
これまでのキャリアで培った金融の知識と、企業経営の視点、ニュースを複合的に織り交ぜたマーケット分析を得意とする。


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