米長期金利の高水準続き米ドル買い強まる

 

2022/02/09 7:32 JST投稿
 
明日、2月10日(木)は都合によりマーケットニュースの配信をお休みし、2月11日(金)に再開いたします。ご不便をおかけしますが、何卒ご理解くださいますようお願い申し上げます。
 
 

【米国】

  • 為替(2月9日6時00分)

 米ドル円(USDJPY)    115.53-115.53 (円)
 ユーロ円(EURJPY)    131.92-131.92 (円)
 ユーロ米ドル(EURUSD) 1.1418-1.1418 (米ドル)
 ポンド円(GBPJPY)    156.54-156.56 (円)
 ポンド米ドル(GBPUSD) 1.3550-1.3550 (米ドル)
 

2月8日のニューヨーク外国為替市場の主なトピックスは、10日発表の1月消費者物価指数(CPI)でのインフレ加速を示す結果が予想され、早期の利上げ観測が強まり、債券が売られ長期金利が10時直前に2019年11月以来の高水準の1.969%に上昇した。
 
米ドル・円(USDJPY)は、115円半ばで取引された。長期金利の上昇から米ドル買いが優勢となり、さらに株高からリスクを積極的に取るリスクオンの動きが出たことも市場を支え、この日の高値115.63円となった。その後は、売りに転じたが小幅に戻し終値は115.55円だった。
 
ユーロ・米ドル(EURUSD)は、1.14ドル前半での取引となった。欧州の金融政策正常化に向けた動きからユーロ買いが出ているものの、ウクライナ問題の懸念から値を上げづらい状況が続いている。CPIを控え様子見の場面も出て、終値は1.1415ドルとなった。
 
ユーロ・円(EURJPY)は、132円前半から131円後半に値を下げた。長期金利の上昇と株高からリスクオンの姿勢が強まりユーロ買いが強まり、この日の高値132.03円に値を上げた。その後は、小幅に値を下げ131.90円で終えた。

 
  • 株式

 NYダウ平均  USD 35,462.78 +371.65 (+1.05%)
 NASDAQ総合  USD 14,194.455  +178.787 (+1.27%)
 S&P500      USD 4,521.54  +37.67(-0.84%) 
 
2月8日の米株式市場のダウ工業株30種平均は、2日連続で前日の終値を上回った。長期金利が高値圏となり金融株が買われたが、割高感が意識され株価収益率(※)の高いハイテク株などの成長株が売られた。その後、ハイテク株では割安感が感じられ再び上昇し、終了間際に450ドル超、前日の終値を上回り終えた。
 
(※)株価収益率(PER)とは、企業の成長性を分析する指標の一つ。株価が1株ごとの当期純利益の何倍まで買われているかを表しており、値が大きいほど割安となる。今のような長期金利の指標とされる10年債の金利が上昇している時は、PERの値より金利の方が大きくなり割安感が減るため、ハイテク株を中心としたPERの高い株の魅力が減少し売られやすい。
 

  • 債券

 米国債10年 1.965(+1.97%)
 

  • 商品

 NY原油(WTI) 1バレル=USD 89.36 -1.96(-2.15%)(3月渡し)
 NY金(COMEX) 1オンス=USD 1,827.9  +6.10(+0.33%)(4月渡し)
 

 

【日本】CPI控え上値が重い

  • 為替(17時)

2月8日の東京外国為替市場は、10日に公表される米消費者物価指数(CPI)を控え、インフレ加速による早期の米利上げの可能性の強まりから米長期金利の上昇が続き上値が重い状況だ。
 
米ドル・円は115円台前半から半ばに上昇。午前中にまとまった米ドル買いが入り堅調に値を上げ、欧州勢参加後にさらに値を上げ1月31日以来の高値を付け、17時時点では115.48円となった。
 
ユーロ・円も値動きが少なく、132円前半から131円後半に値を下げた。朝方は堅調に値を上げたが、ユーロ・米ドルの下落につられ徐々に値を下げ、17時時点では131.64円だった。
 
ユーロ・米ドルは1.14ドル半ばから前半に下落した。ウクライナ情勢の懸念から徐々に値を下げたが、欧州勢参加後は小幅に買い戻され、17時時点では1.1398ドルとなった。
 

  • 日本株式

 日経平均株価     27,284.52円  +35.65(+0.13%)
  安値27,280.25円  -  高値 27,461.33円
 東証出来高 1,288,15万株
 東証売買代金 2兆9978.12億円
 
2月8日の日経平均株価は終値を上回った。米国の金融政策正常化に向けた懸念はあるものの、割安感のある銘柄が買われ、10時過ぎに200円超まで上げ幅を伸ばし、終日で前日の終値を上回って取引された。午後になると、利益を得るための売りが優勢となり、徐々に値を落としたが、好調な決算の会社が買われたことが市場の支えとなり、東証1部の57%の銘柄で値を上げた。
 

  • 短期金融市場

 無担保コール翌日物金利  -0.020%
 

  • 債券

 国債先物・22年3月限  150.14 (-0.18)
 10年長期金利  0.195%(+0.010)
 
 

【マーケットアナリティクス】AUDUSDは横ばいで推移し、方向性を示すきっかけを待つ(2月8日 15:12 CET)

火曜日は、短期的なトレンドを生み出すような重要なデータやニュースがないため、ボラティリティは最小限にとどまっており、本稿執筆時点では、AUDUSDペアは0.71250付近で取引され、横ばいで推移している。
 
アジア時間には、ナショナルオーストラリア銀行の景況指数が急落し、1月は前回の8から3へと低下したが、信頼感指数は-12から3へと大幅に改善した。
 
OCBCのアナリストは本日、入国制限の全面解除を発表し、月曜日の豪小売売上高が予想を上回ったことから、オーストラリアドル・米ドル(AUDUSD)が上昇に転じたが、短期的な見通しは、非常に不安定な状況と述べた。
 
日足チャートでは、9月以降全く動いていないことから、その見方は確かなようだ。現在のレジスタンスは、0.7170ドル付近で、もう一つの売り場は、0.7310-20ドルである。
 
また、0.7070ドル付近が今週の安値の下値支持線(サポート)となり、これ維持されない場合は0.70ドルの最も重要なサポートに再び挑む可能性がある。
 
中期的な観点からは、0.70ドルをサポートとし、0.7310ドル付近を上値抵抗線(レジスタンス)とするダブルボトム(※)のパターンになりそうです。このフォーメーションの将来性は、300ピップスであり0.76ドルレベルをターゲットとしています。
 
※ダブルボトム:下降トレンドが終わる時に現れる、アルファベットの「W」のような形に見えるチャートの形状。相場の底を示し、下降トレンドが上昇トレンドに転換することを示している。
 
オーストラリアドル・米ドル、デイリーチャート 2月8日(CET・中央ヨーロッパ時間)
 
引用元: “AUDUSD Trades Flat, Awaits Impetus for Direction” (2022年2月8日, AXIORY Global Market News)
 
追記:2月9日、日本時間6:00のオーストラリアドル・米ドルは0.7144-0.7144ドルで取引されている

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アナリストプロフィール

Noriko Sasaki

投資運用歴25年。日系銀行、シティバンク、日興シティ信託銀行の勤務や、ITベンチャー企業でのIR・広報などを経て、金融に強みを持つライターとして活躍。
これまでのキャリアで培った金融の知識と、企業経営の視点、ニュースを複合的に織り交ぜたマーケット分析を得意とする。


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