地政学リスクの高まりからリスクオフ強まる

2022/03/01 7:38 JST投稿
 
 

【米国】

  • 為替(3月1日6時00分)

 米ドル円(USDJPY)    114.95-114.95 (円)
 ユーロ円(EURJPY)    128.86-128.87 (円)
 ユーロ米ドル(EURUSD) 1.1213-1.1213 (米ドル)
 ポンド円(GBPJPY)    154.18-154.19 (円)
 ポンド米ドル(GBPUSD) 1.3412-1.3413 (米ドル)
 
2月28日のニューヨーク外国為替市場の主なトピックスは、ウクライナ情勢を巡ってはウクライナとロシアがベラルーシ国境付近で停戦協議を行なったが、落としどころが見いだせず近日中に再開することになった。しかしながら、不透明な状況は続いている。この状況から長期金利が1.81%台に低下した。
 
ベラルーシが国民投票で改憲を決め、ロシアの核配備に備えているとの懸念もあり、ウクライナのキエフ付近までロシア軍が迫っている状況からリスク回避の姿勢が強まっている。
 
ユーロ・米ドル(EURUSD)は、1.11ドル半ばから1.12前半に値を上げた。米長期金利が低下した影響からユーロが買われ小幅に値を上げた。その後、リスク回避の姿勢からユーロ売りに転じ、終値は1.1219ドルだった。
 
ユーロ・円(EURJPY)は、129円半ばから前半に値を下げた。ウクライナでの停戦協議への期待からこの日の高値129.78円を付けたが、近日の再開にとどまり、再びリスク回避の円買いが強まり終値は129.01円となった。
 
米ドル・円(USDJPY)は、115円半ばから114円後半に徐々に値を下げた。ウクライナでの停戦協議の開始を受け小幅に米ドルが買い戻されたが、ベラルーシでの改憲などが重しとなり再びリスク回避の円買いが強まりこの日の安値114.86円まで売られたその後は小幅に持ち直し、115.00円で終えた。
 

  • 株式

 NYダウ平均  USD 33,892.60 -166.15 (-0.48%)
 NASDAQ総合  USD 13,751.399  +56.775 (+0.41%)
 S&P500      USD 4,373.94  -10.71(-0.24%) 
 
2月28日の米株式市場のダウ工業株30種平均は、前日の終値を3日ぶりに下回った。ロシアへの経済制裁から世界経済悪化への懸念が強まり終日で前日の終値を下回る取引が続いた。午後にハイテク株の買いが強まると小幅に上昇したが、景気敏感株の売りが強く値を上げづらい展開で終えた。
 

  • 債券

 米国債10年 1.828(-0.141%)
 

  • 商品

 NY原油(WTI) 1バレル=USD 95.72 +4.13(+4.51%)(4月渡し)
 NY金(COMEX) 1オンス=USD 1,900.7  +13.10(+0.69%)(4月渡し)
 
 

【日本】ウクライナ情勢を巡る懸念から様子見の姿勢が強まる

  • 為替(17時)

2月28日の東京外国為替市場は、ウクライナ情勢を巡る懸念が強く、リスク回避のドル買いと円買いが強まった。ウクライナとロシアがベラルーシ国境付近で停戦交渉を行うとの報道からリスク回避の姿勢が弱まる場面もあった。しかし、ベラルーシで憲法改正案をめぐる国民投票が開票され改憲が成立し、「自国領を非核地帯とし、中立国を目指す」という条文が削除された。これによりロシアの核兵器配備を受け入れるもようだ。
 
米ドル・円は115円半ばの取引となった。朝方にリスク回避の動きが強まり115円半ばに上昇すると、様子見の姿勢が強まり小幅な動きにとどまり17時時点では115.50円となった。
 
ユーロ・円は、128円前半から129円前半に値を上げた。ウクライナとロシアの停戦交渉の報道から投資家心理が上向き129.39円に値を上げた。その後は、様子見の姿勢が強く値動きが少なく、17時時点では129.25円で終えた。
 
ユーロ・米ドルは1.11ドル前半から1.12ドル前半中心の取引となった。ウクライナを巡る停戦交渉実施の報道が好感され、この日の高値1.1201ドルに上昇した。その後、地政学リスクが高まると再び米ドル買いが強まると値を下げたが、小幅に買い戻され17時時点では1.1190ドルだった。
 

  • 日本株式

 日経平均株価     26,526.82円  +50.32(+0.19%)
  安値26,262.63円  -  高値 26,644.56円
 東証出来高 1,448,22万株
 東証売買代金 3兆4497.99億円
 
2月28日の日経平均株価は前日の終値を連日で上回った。ウクライナとロシアがベラルーシ国境付近で停戦交渉を行うとの報道から10時過ぎにリスク回避の姿勢が弱まり買いが入った。その後は、地政学リスクの懸念が依然として根強く、前日の終値を下回る展開となった。その後は再び買戻しが入り小幅に前日の終値を上回り終えた。東証1部の79%で値を上げている。
 

  • 短期金融市場

 無担保コール翌日物金利  -0.012%
 

  • 債券

 国債先物・22年3月限  150.50(+0.27)
 10年長期金利  0.180%(-0.025)

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アナリストプロフィール

Noriko Sasaki

投資運用歴25年。日系銀行、シティバンク、日興シティ信託銀行の勤務や、ITベンチャー企業でのIR・広報などを経て、金融に強みを持つライターとして活躍。
これまでのキャリアで培った金融の知識と、企業経営の視点、ニュースを複合的に織り交ぜたマーケット分析を得意とする。


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