2022/03/03 7:43 JST投稿
【米国】
米ドル円(USDJPY) 115.52-115.52 (円)
ユーロ円(EURJPY) 128.53-128.53 (円)
ユーロ米ドル(EURUSD) 1.1126-1.1126 (米ドル)
ポンド円(GBPJPY) 154.78-154.79 (円)
ポンド米ドル(GBPUSD) 1.3398-1.3399 (米ドル)
3月2日のニューヨーク外国為替市場の主なトピックスは、ウクライナ情勢の懸念が続く中、ロシアがウクライナとの停戦協議再開を示し、リスク回避の姿勢が和らぎリスクオンの姿勢が強まった。なお、今回の紛争でウクライナの市民2,000人が死亡している。
朝方、発表された2月ADP雇用統計(前月比、結果:47.5万人、予想:38.8万人、前回:-30.1万人)では、予想を上回り、長期金利が1.79%に上昇した。1月の数字も+50.9万人と大幅に上方修正された。今回の大幅な修正にデータの信頼性に関する声も浮上している。
また、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が、下院金融サービス委員会の公聴会で証言し、3月15、16日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で「25ベーシスポイント(bp)の利上げを提案し、支持する方向に傾いている」と表明した。さらに、ウクライナ情勢が米経済に与える影響は「非常に不透明」との見通しを示し、「適切な金融政策運営には、経済が予想外の形で変化することを認識する必要がある。われわれは入手されるデータや見通しに機敏に対応する」と述べた。
なお、エバンズ米シカゴ連銀総裁はパウエル議長の証言前に、インフレ率に言及した。「来年のインフレ率は低下すると予想。それでも2%より2.5%近くになるだろう。インフレ率が2%になるには2024年までかかると予想。」と述べている。
さらに、米地区連銀経済報告(ベージュブック)が公表され、「コロナウイルス感染症(COVID19)症例数の急増で企業が従業員の欠勤増加に直面する中、経済活動は一時的に混乱したと多くの地区が報告した」と記された。経済活動については1月半ば以降、緩慢ないし緩やかなペースで拡大。サプライチェーン(供給網)問題から商品・サービスの値上げが進み、特に建設業でその傾向が顕著だったとも指摘している。
ユーロ・米ドル(EURUSD)は、1.10ドル半ばから1.12ドル前半に値を上げた。強い米経済指標が発表されると1.1120ドルから1.1090ドルまで下落した。さらに、原油先物が2011年5月以来、約10年10カ月ぶりの高値1バレル=112ドル台半ばに上昇すると、欧州経済悪化への懸念が強まり2020年5月以来の安値1.1058ドルまでユーロが売られた。ウクライナを巡り停戦協議が近日再開の見通しが強まると大幅な株高となり、投資家心理が和らぎこの日の高値1.1143ドルまで値を上げた。その後は、パウエル議長が利上げを明言した影響から米ドル買いが強まり、再び値を下げ、終値は1.1119ドルとなった。
ユーロ・円(EURJPY)は、127円後半から128円半ばに値を上げた。朝方は、ウクライナ情勢の懸念から昨年2月15日以来、約1年ぶりの安値127.30円を付けていたが、地政学リスクの和らぎから徐々に買戻しが入り値を上げた。その後は、ユーロ・米ドルの下落につられ、小幅に値を下げ終値は128.48円だった。
米ドル・円(USDJPY)は、115円前半から後半に値を上げた。朝方は、良好な経済指標を受け長期金利が上昇し、この日の高値115.69円に上昇した。その後、小幅に値を落とすも限定的だった。また、パウエル議長が利上げを明確に言及したことも支えとなり、115.52円で終えた。
NYダウ平均 USD 33,891.35 +596.40 (+1.79%)
NASDAQ総合 USD 13,752.016 +219.557 (+1.62%)
S&P500 USD 4,386.54 +80.28(+1.86%)
3月2日の米株式市場のダウ工業株30種平均は、3日ぶりに前日の終値を上回った。ロシアがウクライナとの停戦協議の再開を表明したことが好感され、投資家心理が上向いた。全ての業種で値を上げ、14時過ぎに700ドル超、前日の終値を上回った。良好な経済指標やパウエル議長が具体的な利上げに言及し好影響を与えたことが大きかった。
米国債10年 1.872(+0.147%)
NY原油(WTI) 1バレル=USD 110.60 +7.19(+6.95%)(4月渡し)
NY金(COMEX) 1オンス=USD 1,922.3 -21.50(-1.11%)(4月渡し)
【日本】地政学リスクが意識されユーロ・米ドルが下落
3月2日の東京外国為替市場は、ロシアは大規模部隊を首都キエフに向け進軍させ、主要都市への砲撃を強化するなど、引き続きウクライナ情勢での懸念が高まっている。有事の米ドル買いとリスク回避の円買いが交錯している。また、パウエル米連邦準備理事会(FRB)の議会証言を控え、様子見の姿勢も根強く大きな動きにはつながりにくい状況だった。
米ドル・円は115円前半中心の取引となった。経験則に基づく、流動性のある米ドル買いへの安心感の強まりから有事のドル買いが意識され、米ドル買いが優勢となった。しかしながら、パウエル議長の議会証言を控え、上昇は限定的だった。
ユーロ・円は、127円後半での小幅な動きとなった。ウクライナ情勢への懸念から、一時127.62円まで安全資産の円が買われた。全体的に様子見の姿勢が強く値動きが出づらい状況で17時時点では127.75円だった。
ユーロ・米ドルは1.11ドル前半から徐々に値を下げた。東京時間では値動きがあまりなかったが、欧州勢が参加すると徐々に値を下げた。ウクライナを巡る地政学リスクの高まりから2020年5月以来の安値1.1084ドルまでユーロが売られた。17時時点では1.1094ドルとなった。
日経平均株価 26,393.03円 -451.69(-1.68%)
安値26,313.72円 - 高値 26,585.30円
東証出来高 1,425,53万株
東証売買代金 3兆1119.86億円
3月2日の日経平均株価は前日の終値を4日ぶりに前日の終値を下回った。ウクライナ情勢の深刻化を受けリスク回避を目的にとした自動車などの輸出関連企業が大幅に落ち込み、幅広い銘柄が売られた。東証1部の86%の銘柄で値を落としている。
無担保コール翌日物金利 -0.010%
国債先物・22年3月限 151.21(+0.62)
10年長期金利 0.130%(-0.045)