FOMC議事録公開から長期金利が上昇

2022/04/07 7:36 JST投稿

 

【米国】

  • 為替(4月7日6時00分)

米ドル円(USDJPY) 123.74-123.84 (円)
ユーロ円(EURJPY) 134.80-134.94 (円)
ユーロ米ドル(EURUSD) 1.0893-1.0898 (米ドル)
ポンド円(GBPJPY) 161.75-161.80 (円)
ポンド米ドル(GBPUSD) 1.3066-1.3068 (米ドル)

4月6日のニューヨーク外国為替市場の主なトピックスは、米連邦公開市場委員会(FOMC)が公開した3月の議事録だ。内容で連邦準備制度理事会(FRB)の保有資産を月額最大950億ドル(約11兆7600億円)のペースで縮小することが示された。多くの参加者が0.5%の利上げを支持したが、ロシアのウクライナ侵攻によって0.25%の利上げにとどまったことも明らかとなっている。ほぼ市場が織り込み済の内容だったが、早期の利上げが意識された場面もあり長期金利が一時2.647%に上昇した。

ウクライナ情勢では、安全保障理事会の会合でインドの代表者がウクライナの首都キーウ(キエフ)郊外でのロシアによる民間人殺害を非難し、独立した調査の実施を求めた。インドはロシアと非常に近い立場にありこれまで批判をしておらず、風向きが変わってきたことを示している。また、バイデン政権は米欧でロシアへの追加経済制裁を課したことを明らかにした。最大手のズベルバンクとアルファ銀行の資産の凍結や、ロシアへの新規投資や主要な国有企業との取引を禁じている。さらにプーチン大統領の娘2人やラブロフ外相の妻や娘、メドベージェフ前大統領の資産凍結も発表した。

米ドル・円(USDJPY)は、日本時間に3月29日以来の124.06円を付けていたが、株安やFOMC議事録の公開を控え123.70-123.80円値幅で推移した。議事録が公開されると長期金利が上昇し、この日の安値123.47円になった。しかし、予想通りの内容から安心感が広がり、123.89円に値を上げたが値動きが荒くなる場面もあった。その後は、小幅に値を下げ123.80円で終えた。

ユーロ・米ドル(EURUSD)は、持高の調整による買戻しが入り、朝方にこの日の高値1.0938ドルを付けた。その後は、ウクライナ情勢の長期化への懸念から値を下げていたが、米長期金利が上昇すると米ドル買いが強まり1.0879ドルまで値を上げたが、徐々に値を下げ終値は1.0896ドルとなった。

ユーロ・円(EURJPY)は、ユーロ・米ドルの上昇につられ、朝方にこの日の高値135.47円を付けたが、徐々に値を下げ終値は134.88円だった。
 

  • 株式

NYダウ平均 USD 34,496.51 -144.67 (-0.41%)
NASDAQ総合  USD 13,888.817 -315.351 (-2.22%)
S&P500     USD  4,481.15 -43.97(-0.97%)

4月6日の米株式市場のダウ工業株30種平均は、連日で前日の終値を下回った。3月のFOMCの議事要旨が公表され、予想通りの内容ながら利上げの加速懸念が強まり、終日で前日の終値を下回る取引が行われた。公表後に長期金利が上昇し、前日に続き高い株価収益率(PER)の半導体やソフトウェアなどのハイテク株が売られている。一方で、安値が意識されると好調な決算が予想される株が選好され、買われ小幅に値を上げる場面もあった。
 

  • 債券

米国債10年 2.599(+0.044%)
 

  • 商品

NY原油(WTI) 1バレル=USD 96.23 -5.73(-5.62%)(5月渡し)
NY金(COMEX) 1オンス=USD 1,923.1 -4.4(-0.23%)(6月渡し)

 

【日本】ブレイナード理事の発言による円安の流れ続く

  • 為替(17時)

4月6日の東京外国為替市場は、米連邦準備理事会(FRB)のブレイナード理事の発言から、早期の利上げが想起された。日米の金融政策の違いが、さらに際立って、米ドル買いが優勢となっている。

米ドル・円は、FRBのブレイナード理事が金融引き締めへの積極的な姿勢を示し長期金利が上昇した流れが続き、朝方に3月29日以来の124.06円まで値を上げた。その後は急激に値を下げ、値動きが激しくなり、17時時点では123.88円となった。

ユーロ・米ドルは、日本時間の日中は小幅に値を下げたが、欧州勢参加後にウクライナ情勢の長期化による景気悪化の懸念から、この日の安値1.0875ドルを付けた。17時時点では1.0895ドルだった。

ユーロ・円は、米ドル・円での円売りがユーロにも波及した。午前中は堅調に値を上げ、この日の高値135.16円を付けた。その後すぐに売られ134.94円まで値を下げ、134円後半で小幅に推移し17時時点では134.97円で取引されている。
 

  • 日本株式

日経平均株価 27,350.30円 -437.68(-1.58%)
安値27,214.61円  -  高値 27,549.67円
東証出来高 1,174,86万株
東証売買代金 2兆7911.40億円
 
4月6日の日経平均株価は連日で前日の終値を大幅に下回った。米国株式市場で3指数揃って下落した流れを受けた上、ロシアへの追加制裁の懸念が強まり終日で前日の終値を下回り取引された。また、FRBのブレイナード理事の発言により米長期金利が大幅に上昇した影響から、割高感を感じやすい半導体などの成長株や景気敏感株が売られ終えた。
 

  • 短期金融市場

無担保コール翌日物金利 -0.005%
 

  • 債券

国債先物・22年6月限 149.25(-0.51)
10年長期金利 0.235%(+0.025) 

 

【マーケットアナリティクス】米ドル円はサイクルハイに接近(4月6日)

水曜日の米ドル・円は、米国利回りの上昇に支えられ、124-125円付近でこれまでの変動周期の高値(サイクルハイ)を目指し買われ続けた。

昨日の、3月米サービス業ISMは予想以上に改善し、前回の56.5から58.3となり米ドルを押し上げた。また、物価指数も上昇し、経済におけるインフレ圧力が緩和していないことを示唆している。

米国債は引き続き圧力を受けており、債券の利回り(金利)と償還期間(満期までの期間)の相関性を示すイールドカーブが再び反転し、次の四半期に景気後退の可能性を示唆しており利回りはサイクルの最高値に達した。

本日は、3月のFOMC議事録が公表され、おそらくFOMCメンバーの金融政策を積極的に行うタカ派的な傾向が継続することが確認される。この議事録では、FRBがインフレに大きく遅れをとっていることから、次回4月の会合で50bpsの利上げを実施するとみられている。

短期的な下値支持線(サポート)は、先週の安値からの上昇トレンドライン123.10円近辺と思われる。米ドルがこの上で取引されている限り、短期的なトレンドは強気(ブル)であると思われる。

強気派(ブル)の次のターゲットは、現在のサイクル高値である125円だろう。強気派がこのレベルを超えて価格を押し上げた場合、大規模な損切りをしてでも売るタイミングの「ストップロス」が発動されるはずだ。そして、米ドルは126円に上昇する見込みだ。
 
米ドル・円、デイリーチャート 4月6日(CET・中央ヨーロッパ時間)

引用元: “USDJPY Approaches Cycle Highs” (2022年4月6日, AXIORY Global Market News)

追記:4月7日、日本時間6:00の米ドル・円は123.74-123.84円で取引されている

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