USDJPY円安更新し129円手前まで上昇

【米国】

為替(4月20日6時00分)
 米ドル円(USDJPY) 128.86-128.91 (円)
 ユーロ円(EURJPY) 139.02-136.07 (円)
 ユーロ米ドル(EURUSD) 1.0786-1.0788 (米ドル)
 ポンド円(GBPJPY) 167.45-167.60 (円)
 ポンド米ドル(GBPUSD) 1.2994-1.3002 (米ドル)

4月19日のニューヨーク外国為替市場の主なトピックスは、長期金利が2.946%と2018年12月以来、約3年4カ月ぶりの高水準に上昇し米ドル・円で2002年5月以来、約20年ぶりの高値128.97円を更新した。

また、シカゴ連銀のエバンズ総裁はエコノミック・クラブ・オブ・ニューヨークで政策金利が中立金利を超えることになると思うが、どの程度上回るかはインフレの沈静化にかかっていると述べた。さらに、ボスティック・アトランタ連銀総裁はCNBCのインタビューで、中立水準(景気を刺激も抑制もしない水準の金利を指す。現在の米国の中立金利は2.0~2.5%)を超えることに二の足を踏む理由は、インフレ抑制は重要だが現在の世界的に見通しが弱まっている状況で、当局の勢いある行動で悪影響を与えてはならないとの認識を示した。

米ドル・円(USDJPY)は、朝方に128円前半に下落したが、日米金利差からドル買いが優勢となり20年ぶりの高値を連日で更新し128.97円に上昇した。ウクライナ情勢悪化や原油価格上昇に伴う米ドル買いも影響が大きかった。ハト派のシカゴ連銀のエバンズ総裁の積極的に金融政策正常化に向けた動きに舵を切ったタカ派の発言もプラスとなった。その後は、小幅に下落するも堅調に推移し、終値は128.91円となった。

ユーロ・米ドル(EURUSD)は、イースターの休暇が明け欧州勢が戻ってきた。欧州時間に値動きが激しくなり活発な取引が行われた。ウクライナ情勢の懸念があるものの欧州中央銀行(ECB)の金融政策の正常化に向けた動きの強まりから下値は堅かった。米国時間になると値幅が小さく、小幅な動きにとどまり終値は1.0788ドルだった。

ユーロ・円(EURJPY)は、米ドル・円での円売りが優勢となった動きにつられ堅調に値を上げた。2015年6月以来の高値139.10円となり、139.06円で終えた。

株式
 NYダウ平均 USD 34,911.20 +499.51 (+1.45%)
 NASDAQ総合  USD 13,619.657 +287.299 (+2.15%)
 S&P500     USD  4,462.21 +70.52(+1.61%)

4月19日の米株式市場のダウ工業株30種平均は、3日ぶりに前日の終値を上回った。企業の決算発表が本格化する中で、好調な決算を発表した銘柄が買われた。運輸安全局(TSA)がマスク着用義務をいったん解除したことを受け、公共交通機関や航空各社がマスク着用義務を撤廃した影響から需要の回復が見込まれ航空株も買われるなど幅広い銘柄に買いが入った。また、長期金利が2018年12月以来の高水準2.94%台に上昇し金融株も買われ、3指数揃って値を上げている。

債券
 米国債10年 2.943(+0.082%)

商品
 NY原油(WTI) 1バレル=USD 102.56 -5.65(-5.22%)(5月渡し)
 NY金(COMEX) 1オンス=USD 1,959.0 -27.4(-1.38%)(6月渡し)
 

【日本】USDJPY 20年ぶりの高値更新続く

為替(17時)
4月19日の東京外国為替市場は、日米金利差や原油価格の上昇から円安が進んだ。朝方に鈴木俊一財務相が、円安が急速に進み、デメリットをもたらす面が強いとの懸念を示した。しかし、米ドル・円では、連日で2002年5月以来の高値128.33円を記録し、人民元に対しても2015年8月以来の円安を更新した。また、イースター休暇明けの欧州勢が戻り、活況となった。

米ドル・円は、堅調に値を上げた。鈴木俊一財務相が警戒を示したが、日銀が緩和を続け、円を借り、ドルを買うことによって利益を上げることにより効果は限定的だった。128.33円まで円安が進んだが、小幅に値を下げ17時時点では128.06円となった。

ユーロ・米ドルは、朝方にこの日の安値1.0761ドルまで安くなったが持ち直した。欧州勢が参加すると、この日の高値1.0803ドルを付け、17時時点では1.0802ドルだった。

ユーロ・円は米ドル・円やユーロ・米ドルの上昇につられ、堅調に値を上げた。この日の高値138.36円を付けたが、17時時点では138.33円だった。

日本株式
 日経平均株価 26,985.09円 +185.38(+0.69%)
 安値26,777.71円  -  高値 27,100.59円
 東証出来高 961,96万株
 東証売買代金 2兆2336.30億円
 
4月19日の日経平均株価は前日の終値を上回った。前日の安値を受けた買いが優勢となり、開始直後に前日の終値から300円ほど上昇した。しかし、米長期金利の上昇や中国での都市封鎖の影響から投資家心理が冷え込み、わずかに前日の終値を下回る場面もあったが、円安が進み輸出関連株が買われると持ち直した。

短期金融市場
 無担保コール翌日物金利 -0.017%

債券
 国債先物・22年6月限 149.30(-0.04)
 10年長期金利 0.240%(変化なし) 
 

【マーケットアナリティクス】豪ドル・米ドルは、50日平均線に跳ね返される(4月19日)

火曜日の豪ドルは、最近の売りが強い下値支持線(サポート)として機能している50日移動平均線(※)に接近し上昇し堅調に取引された。

本日未明、オーストラリア準備銀行(Reserve Bank of Australia・RBA)は先日の金融政策決定会合の議事録を公表した。RBAはインフレの持ち直しを予想し、最近の動向から最初の利上げ時期が前倒しされる可能性が高いことが明らかになった。

「豪州の金利市場参加者は、次回5月3日のRBA会合までに約11bps、続く6月7日の会合までに33bpsの利上げを織り込んでいる。三菱UFJ銀行のエコノミストは議事録公開後、「RBAの利上げ見通しが迫っているため、今後数カ月は豪ドルが十分に買われ続けるはずだ」と述べた。

テクニカル面では、現在0.7345ドル付近にある50日移動平均線(紫の線)を下回ると、その数ピプス下にはもう一つの重要なサポート、すなわち中期上昇トレンドラインが存在することになる。さらに、200日移動平均線(緑の線)が0.72ドルに位置している。したがって、このエリアでのロング(買い)ポジションは、テクニカルな観点から見ても良い位置にあるはずだ。

また、投資家心理が改善し豪ドルが再び上昇した場合、短期的な上値抵抗線(レジスタンス)は、本日の高値0.74ドルとなり、その後、前回のスイングトップ0.7440ドル付近に向かって上昇することになるだろう。
  オーストラリアドル・米ドル、デイリーチャート 4月19日(CET・中央ヨーロッパ時間)

引用元: “AUDUSD Bounces Off 50-Day Average” (2022年4月19日, AXIORY Global Market News)

追記:4月20日、日本時間6:00の豪ドル・米ドルは0.7373-0.7378ドルで取引されている

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アナリストプロフィール

Noriko Sasaki

投資運用歴25年。日系銀行、シティバンク、日興シティ信託銀行の勤務や、ITベンチャー企業でのIR・広報などを経て、金融に強みを持つライターとして活躍。
これまでのキャリアで培った金融の知識と、企業経営の視点、ニュースを複合的に織り交ぜたマーケット分析を得意とする。


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