FOMC議事録公開で投資家心理上向く

2022/05/26 7:29 JST投稿
 

【米国】

為替(5月26日6時00分)
 米ドル円(USDJPY)    127.27-127.36 (円)
 ユーロ円(EURJPY)    135.87-136.04 (円)
 ユーロ米ドル(EURUSD) 1.0678-1.0682 (米ドル)
 ポンド円(GBPJPY)    160.03-160.23 (円)
 ポンド米ドル(GBPUSD) 1.2571-1.2578 (米ドル)

5月25日のニューヨーク外国為替市場では、5月3、4日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録が公表され、予想通りの内容で安心感が拡がった。内容では大半の参加者が今後2回の会合で0.5ポイントずつの利上げが必要だとの認識で一致したことが明らかとなった。これにより、長期金利が2.708%から2.776%に持ち直している。

朝方発表された4月耐久財受注(前月比、結果:0.4%、予想:0.6%、前回:1.1%)、4月耐久財受注民間設備投資の先行指標とされるコア資本財(非国防資本財から航空機を除く)の受注(前月比、結果:0.3%、予想:0.6%、前回:1.4%)ともに予想を下回った。利上げと金融引き締めの影響が表れている。

米ドル・円(USDJPY)は、朝方は弱い経済指標から126.80円まで値を下げたが、FOMC議事録が想定内の内容と判明すると安心感が拡がり、この日の高値127.50円を付けた。株価が持ち直したこともプラスに作用した。その後は小幅に売られるも、終値は127.32円で終えた。

ユーロ・米ドル(EURUSD)は、欧州中央銀行(ECB)高官の発言や弱い金融安定報告書の内容からユーロ売りが強まり、この日の安値1.0643ドルを付けた。その後、株価の上昇からリスクを積極的に取る姿勢が強まり1.0692ドルまで値を戻し、終値は1.0681ドルだった。

金融安定報告書では、ロシアのウクライナ侵攻により、商品価格上昇と景気減速が重なり、ユーロ圏内で一部企業が過度な負担を抱えるリスクがあると警鐘を鳴らしている。

ユーロ・円(EURJPY)は、朝方はユーロ・米ドルのユーロ売りの動きにつられ、この日の安値134.99円まで値を下げたが、徐々に値を戻し、この日の高値136.24円を付けた。その後は小幅に値を下げ、135.96円で終えた。

株式
 NYダウ平均  USD 31,120.28 +191.66 (+0.60%)
 NASDAQ総合  USD 11,434.741  +170.293 (+1.51%)
 S&P500      USD  3,978.73  +32.25(+0.94%) 

5月25日の米株式市場のダウ工業株30種平均は4日連続で前日の終値を上回った。前週までの8週連続の下げから午前中は割安感が感じられる株が買われ上昇した。午後になると、売りが優勢となったが、FOMC議事録公開後に安心感が拡がり再び買いが優勢となり、3指数揃って値を上げ終えた。

債券
 米国債10年 2.751%(-0.009)

商品
 NY原油(WTI) 1バレル=USD 110.33 +0.56(+0.51%)(7月渡し)
 NY金(COMEX) 1オンス=USD 1,865.4  -19.10(-1.02%)(6月渡し)

【日本】米長期金利が持ち直し回復基調に

為替(17時)
5月25日の東京外国為替市場の主なトピックスは、前日に弱い米経済指標や米長期金利の低下を受け米ドルは値を下げていたが、米長期金利の低下が落ち着き回復基調となった。

また、ニュージーランド(NZ)準備銀行(中央銀行)は金融政策決定会合で、政策金利のオフィシャル・キャッシュレートを50ベーシスポイント(bp=0.5%)引き上げ、2.0%にした。利上げは5会合連続で、インフレ抑制を目指す。金融引き締めを受け、NZドル・米ドルは0.6501ドルに上昇している。

米ドル・円は、米国市場での低調な動きを受け朝方は値を下げ、この日の安値126.66円を付けた。しかし、国内輸入企業の決済に向けた買いや時間外の米長期金利の上昇から買いが優勢となり127.17円まで値を戻した。欧州勢が参加するとユーロ円で円買いが強まり126円台に値を落としたが、再び買い戻されると、この日の高値127.30円に上昇し17時時点では127.12円となった。

ユーロ・円は、米長期金利の低下からリスク回避の円買いが優勢だった。朝方は決済に向けたユーロ買いが入る場面もあったが、徐々に値を下げ、この日の安値135.68円を付けた。17時時点では135.81円だった。

ユーロ・米ドルは、米長期金利が持ち直し、米ドル買いが優勢となり徐々に値を下げ、17時時点では1.0684ドルで取引された。

債券
 国債先物・22年6月限  150.11(+0.25)
 10年長期金利  0.205%(-0.025) 

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アナリストプロフィール

Noriko Sasaki

投資運用歴25年。日系銀行、シティバンク、日興シティ信託銀行の勤務や、ITベンチャー企業でのIR・広報などを経て、金融に強みを持つライターとして活躍。
これまでのキャリアで培った金融の知識と、企業経営の視点、ニュースを複合的に織り交ぜたマーケット分析を得意とする。


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