2022/06/03 7:12 JST投稿
【米国】
為替(6月3日6時01分)
米ドル円(USDJPY) 129.79-129.87 (円)
ユーロ円(EURJPY) 139.48-139.57 (円)
ユーロ米ドル(EURUSD) 1.0745-1.0748 (米ドル)
ポンド円(GBPJPY) 163.19-163.38 (円)
ポンド米ドル(GBPUSD) 1.2573-1.2582 (米ドル)
6月2日のニューヨーク外国為替市場に影響のあった出来事は、5月 ADP雇用者数(前月比、結果:12.8万人、予想:30.0万人、前回:24.7万人)が予想を大幅に下回った。依然、求人数が極めて高い水準で推移しているが、金利上昇や金融引き締め政策へシフトしており、労働需要の減速が示唆された。
しかし、前週分の失業保険継続受給者数(結果:130.9万件、予想:133.3万件、前回:134.6万件)が予想を大幅に下回る結果となりプラスに作用している。長期金利は、ADP雇用者数の結果から2.889%に低下していたが、失業保険継続受給者数の減少やOPECプラスの増産決定による原油先物価格の上昇から2.939%に上昇した。
なお、4月耐久財受注(前月比、結果:0.5%、予想:0.4%、前回:0.4%)は、予想を下回っている。機器や商品への安定した需要が続いていることが浮き彫りとなっている。
また、ブレイナード米連邦準備制度理事会(FRB)副議長は、6月と7月に50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利上げを織り込んでいるのは妥当と述べた。9月の利上げについては休止する可能性は非常に低いとの見解を示している。
カナダドル・円(CADJPY)では前日の高値103.10円を超え、2015年1月以来、約7年5カ月ぶりの高値103.31円を付けた。前日のカナダ銀行(中央銀行)の利上げに加え、原油先物価格の上昇やビュードライ・カナダ銀行副総裁の発言がプラスに作用した。ビュードライ副総裁は、「インフレ高進を定着させないため政策金利を3%、もしくはこれを超える水準まで引き上げる必要性が高まっている」との見解を述べた。103.26円で終えている。
米ドル・円(USDJPY)は、朝方の雇用指標から米ドル売りが優勢となり、この日の安値129.51円まで値を下げた。その後は、長期金利の上昇やブレイナードFRB副議長の発言から130.04円まで値を戻した。しかし、欧州通貨や資源国通貨の上昇から米ドルが売られ、終値は129.84円となっている。
ユーロ・米ドル(EURUSD)は、欧州中央銀行(ECB)の早期の金融正常化に向けた動きや米雇用指標の弱い結果から米ドル売りが優勢となった。前日の高値1.0739ドルを超え1.0750ドルまで値を下げ、終値は1.0747ドルだった。
ユーロ・円(EURJPY)は、ECBの金融正常化観測の強まりや米経済指標からユーロ買いが強まり4月21日以来の高値139.61円を付けた。株価や米長期金利の上昇から円が売られた影響もあり、終値は139.55円となった。
株式
NYダウ平均 USD 33,248.28 +435.05 (+1.32%)
NASDAQ総合 USD 12,316.898 +322.438 (+2.68%)
S&P500 USD 4,176.82 +75.59(+1.84%)
6月2日の米株式市場のダウ工業株30種平均は3日ぶりに前日の終値を上回った。朝方にマイクロソフトが急速な為替変動を受け4-6月期の業績予想を下方修正し株価を4%近く下げ、投資家心理が冷え込んだ。しかし、マイクロソフトの株価が持ち直すと投資家心理が上向き、買いが全体に広がり3指数揃って値を上げ終えた。
債券
米国債10年 2.913%(-0.018)
商品
NY原油(WTI) 1バレル=USD 116.87 +1.61(+1.40%)(7月渡し)
NY金(COMEX) 1オンス=USD 1,871.4 +22.70(+1.23%)(8月渡し)
【日本】米国市場の反動で米ドルは小幅に下落
為替(17時)
6月2日の東京外国為替市場の主なトピックスは、米国市場で米ISM製造業景気指数の強い結果から長期金利が上昇し、米ドル・円が5月11日以来の高値130.19円に上昇した影響の反動から値を下げた。
米ドル・円は、前日に3週間ぶりの高値を記録した反動から朝方は米ドル売りが優勢だった。その後は、米長期金利の小幅な上昇から日米金利差が意識され小幅に回復した。しかし、欧州勢が参加すると米ドル売りが優勢となり値を下げ17時時点では129.89円となった。
ユーロ・米ドルは、日中は動きがあまり出ず10.65ドル付近で取引されたが、欧州勢参加後に早期の利上げ観測からユーロ買いが強まり値を上げた。17時時点では1.0686ドルで取引された。なお、ビルロワドガロー仏中銀総裁は「ECBの政策正常化は引き締めではない」「ユーロ圏の成長は今後2年間で鈍化する見通し」との見解を述べている
ユーロ・円は、大きな動きは出なかったものの、欧州勢参加後にユーロ買いが強まった。この日の高値138.85円に値を下げ17時時点では138.81円で取引された。
債券
国債先物・22年6月限 149.69(-0.07)
10年長期金利 0.240%(+0.010)
【マーケットアナリティクス】EURUSD、水曜日の損失を帳消しに(6月2日)
米ドルは再び売り圧力にさらされ、水曜日の上昇分をすべて失った。本稿執筆時点では、0.6%高で取引され1.07ドルを再び上回ると見られている。
■米国雇用市場は減速
本日、5月 ADP雇用者数が発表された。アナリストは30万人(4月の24万7000人から増加)と予想していた。しかし、12万8000人にとどまり、4月は20万2000人に大幅に下方修正された。これは2020年4月以来の低い水準であり、中小企業の雇用減による影響が大きい。中小企業では、この4カ月で27万8000人の雇用が減少した。
ADPのチーフエコノミスト、ネーラ・リチャードソンは「労働市場の逼迫とインフレ率の上昇を背景に毎月の雇用増は大流行前の水準に近づき、雇用の増加率は全ての産業で和らいでいる。しかし、中小企業では大企業のような活況とは言い難い状況であり、懸念材料となっている。」と述べた。
また、新規失業保険申請件数は21万1000件から20万件とやや減少し、継続申請件数も前回の134万3000件から130万9000件と小幅に減少している。
欧州では、欧州中央銀行(ECB)の政策担当者であるフランソワ・ビレロワ・ド・ガロー氏が1日、「インフレ率は高すぎ、幅がありすぎる」と発言した。しかし、同氏は依然として25bp(ベーシスポイント・0.25%、1bp=0.01%)の利上げにとどまることを主張している。
■見通しは中立的
ユーロ・米ドルは依然として中期的な下落トレンドの中にあるが、1.0735ドル付近の上限ラインに近い位置で取引されている。ユーロがこのレベルを上回ると、中期的な弱気(ベア)トレンドは終了し、次のターゲットは前回の安値である1.08ドルとなる可能性がある。ユーロが1.08ドルを飛び越えると、強気(ブル)な見通しに変わる可能性もある。
ユーロ・米ドル、デイリーチャート 6月2日(CET・中央ヨーロッパ時間)
引用元: “EURUSD Erases Wednesday's Losses” (2022年6月2日, AXIORY Global Market News)
追記:6月3日、日本時間6:01のユーロ・米ドルは1.0745-1.0748ドルで取引されている