良好な経済指標と金融高官発言から米ドル買いに

2022/08/04 7:22 JST投稿
 
昨日は、都合により急遽お休みとなり申し訳ございませんでした。
 

【米国】

為替(8月4日6時00分)
 米ドル円(USDJPY)    133.85-133.86 (円)
 ユーロ円(EURJPY)    136.00-136.12 (円)
 ユーロ米ドル(EURUSD) 1.0164-1.0169 (米ドル)
 ポンド円(GBPJPY)    162.49-162.67 (円)
 ポンド米ドル(GBPUSD) 1.2141-1.2150 (米ドル)
 
8月3日のニューヨーク外国為替市場で最も注目されたのは、朝方に発表された米供給管理協会(ISM)の7月非製造業総合景況指数だった。米7月非製造業総合景況指数(結果:56.7、予想:53.6、前回:55.3)は市場予想に反して3ヵ月ぶりの高水準を記録した。業況が1月と同水準に上昇し、新規受注の指数は4カ月ぶりの高水準となり景気減速懸念が和らいだ。また、6月製造業新規受注(前月比、結果:2.0%、予想:1.2%、前回:1.6%)が予想外に上昇し、1月以来で最大となった。
 
さらに、7月 サービス業PMI(結果:47.3、予想:47.0、前回:47.0)では速報値から上方修正されたものの活動縮小を示す50を切っている。これらの結果から長期金利が2.757%から2.847%に上昇した。
 
金融高官の発言として、まずブラード・セントルイス連銀総裁が「現在は景気後退ではなく、インフレ制御には年末までに4%近くまで金利を引き上げるべき。」と述べた。さらに、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁は「市場の米連邦準備理事会(FRB)が来年には利下げを始めるとの観測は先を急ぎ過ぎている」「高インフレとの闘いはまだ終わっていない」と述べている。また、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁は「来年の利下げの可能性は低いシナリオだろう」と発言した。これらの発言も米ドル買いを促している。
 
2年債と10年債(長期金利)の利回りは、22日連続で逆転(逆イールド)している。終値ベースで2年債が3.069%、10年債が2.706%となった。
 
米ドル・円(USDJPY)では、朝方に発表された7月非製造業総合景況指数が予想外に上回ると長期金利が上昇し、米ドル買いが強まった。金融高官の発言や6月製造業新規受注の上昇もプラスとなり、この日の高値134.55円まで値を上げた。その後は、徐々に長期金利が低下し2.756%まで下がると米ドル売りに転じ終値は133.86円となった。
 
ユーロ・米ドル(EURUSD)では、朝方に米ドル買いが強まると、この日の安値1.0123ドルを付けた。その後は、米長期金利の低下から値を上げ、終値は1.0166ドルだった。
 
ユーロ・円(EURJPY)は、米ドル・円で米ドル買いが強まり堅調に取引された。朝方に、この日の高値136.42円を付けるも、徐々に値を下げ135.87円まで値を下げた。その後は再び値を上げ、終値は136.08円となった。
 
株式
 NYダウ平均  USD 32,812.50 +416.33(+1.28%)
 NASDAQ総合  USD 12,668.159  +319.401 (+2.58%)
 S&P500      USD  4,155.17  +63.98(+1.56%) 
 
8月3日の米株式市場のダウ工業株30種平均は、前日の終値を3日ぶりに上回った。ISM非製造業指数が上昇し、米景気の底堅さが示され投資家心理が上向いた。長期金利が徐々に低下し、ハイテク株が買われた影響も大きく、3指数揃って上昇し終えた。
 
債券
 米国債10年 2.706%(-0.035)
 
商品
 NY原油(WTI) 1バレル=USD 90.66 -3.76(-3.98%)(9月渡し)
 NY金(COMEX) 1オンス=USD 1,776.4  -13.30(-0.74%)(12月渡し)
 
 

【日本】FRB高官のタカ派発言などから投資家心理上向く

為替(17時)
8月3日の東京外国為替市場では、前日の米国時間にFRB高官の積極的な金融引き締め継続が行われるタカ派的な発言から円買いが後退した。また、ペロシ米下院議長が無事台湾に到着したことも投資家心理を上向かせている。
 
米ドル・円は、米国時間に引き続き投資家心理が上向き堅調に米ドルが買われた。朝方に、この日の高値133.90円まで値を上げた。その後は、ペロシ議長の台湾訪問を受け、中国外務省が「対抗措置に関して表明したことを実行する」、「断固として強力、効果的な行動になる」との発表を行なうと投資家心理が冷え込んだ。この日の安値132.29円まで値を下げ、その後は小幅に値を戻し17時時点では133.21円となった。
 
なお、ペロシ下院議長は台湾の蔡英文総統との会談後の会見で、「従来の1つの中国政策は堅持する」とした上で、「台湾との連帯はかつてないほど重要だ。われわれは現状維持を支持している。武力によって台湾に何かが起きることは望んでいない」と述べ、アメリカが関与し続けることを強調し中国を牽制した。
 
ユーロ・米ドルは、米ドル・円の動きにつられた。朝方に米ドルが売られると、この日の安値1.0150ドルまで安くなった。その後は、米ドルがうられると徐々にユーロが値を上げ、この日の高値1.0194ドルまで値を上げた。しかし、その後は、再び値を下げ17時時点では1.0178ドルだった。
 
ユーロ・円も、米ドル・円の動きにつられた。朝方に米ドル買いが強まると、この日の高値136.00円まで値を上げた。その後はリスク回避の動きから134.97円まで安くなったが、値を戻し17時時点では135.58円となった。
 
債券
 国債先物・22年9月限  150.50 (-0.17)
 10年長期金利  0.185%(+0.015)
 
 

【マーケットアナリティクス】GBPUSDは、米国データを受けてスライド(8月3日)

水曜日のポンドは、投資家が最新の米国マクロデータに反応し米国の利回りが急激に上昇し米ドルが買われた為、後退した。
 
本稿執筆時点では、ポンド・米ドル(GBPUSD)は重要な強気(ブル)の下値支持線(サポート)トレンドラインの下に滑り込み、短期的なトレンドが弱気(ベア)に切り替わる可能性が高い。
 
サービス部門はまちまち
アナリストは7月のISM非製造業景気指数とサービス業PMIが引き続き低迷を示した後、両サービス業がより大きな減少を示すと予想した。
 
7月のS&Pグローバルの米サービス業PMIは52.7から47.3に低下し、速報値の47.0をわずかに上回った。2020年6月以降、収縮が続いている。一方、7月のISMサービスは55.3から56.7に上昇し、予想の53.5を大きく上回った。
 
S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスのチーフ・ビジネス・エコノミスト、クリス・ウィリアムソンは、「7月の米経済状況は著しく悪化し、製造業とサービス業の両方で企業活動が低下した。パンデミックの都市封鎖月を除けば、生産高の全体的な落ち込みは世界金融危機以来最大の記録であり、経済が3四半期連続で縮小する可能性を強く示唆するものである。」と述べた。
 
短期的には下降に偏る
ポンド・米ドルの重要な上値抵抗線(レジスタンス)は、心理的な境目の1.2200ドル付近にある。これは、重要なレジスタンスであり、買い手がこの水準を上回り維持することができれば、1.2275ドルや同じく心理的な節目の1.2300ドルへさらに上昇する可能性がある。
 
下降局面では、7月中旬からの上昇トレンドラインである1.2160ドル付近が最初のサポートとなり、必須レベルとして機能する。このゾーンより下では、心理的節目の1.2100ドルと1.2085ドルを守ることが強気(ブル)にとって必須となっている。
 
  
ポンド・米ドル、デイリーチャート 8月3日(CET・中央ヨーロッパ時間)
 
引用元: “GBPUSD Slides After US Data” (2022年8月3日, AXIORY Global Market News)

追記:8月4日、日本時間6:00のポンド・米ドルは1.2141-1.2150ドルで取引されている

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アナリストプロフィール

Noriko Sasaki

投資運用歴25年。日系銀行、シティバンク、日興シティ信託銀行の勤務や、ITベンチャー企業でのIR・広報などを経て、金融に強みを持つライターとして活躍。
これまでのキャリアで培った金融の知識と、企業経営の視点、ニュースを複合的に織り交ぜたマーケット分析を得意とする。


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