2022/08/10 7:13 JST投稿
【米国】
為替(8月10日6時00分)
米ドル円(USDJPY) 135.05-135.13 (円)
ユーロ円(EURJPY) 137.98-138.05 (円)
ユーロ米ドル(EURUSD) 1.0213-1.0213 (米ドル)
ポンド円(GBPJPY) 163.15-163.25 (円)
ポンド米ドル(GBPUSD) 1.2073-1.2076 (米ドル)
8月9日のニューヨーク外国為替市場では、米労働生産性指数に注目が高まった。また、8月10日に発表される消費者物価指数(CPI)や11日の生産者物価指数(PPI)を見極めたいとの姿勢も出ており、大きな値動きに繋がりにくかった。
4-6月(第2四半期)の米労働生産性指数(結果:-4.6%、予想:-4.5%、前回:-7.3%)はマイナス成長を受け低下し、第2四半期としてはデータを追える1947年以降で最大となった。2四半期連続のマイナスとなっており、前回の改定値も-7.4%に修正された。生産性低下に伴い、単位労働コスト(結果:10.8%、予想:9.8%、前回:12.6%)も上昇し、前年比では1982年以来の高い伸びを示した。
2年債と10年債(長期金利)の利回りは、26日連続で逆転(逆イールド)している。終値ベースで2年債が3.268%、10年債が2.779%となった。
米ドル・円(USDJPY)は、朝方に発表された米労働生産性指数の弱い結果に米ドル売りが優勢だったが、単位労働コストの上昇から米連邦準備制度理事会(FRB)の大幅な利上げが意識された。そのため、一転して米ドル買いに転じ徐々に値を上げ、この日の高値135.20円を付けた。その後は、CPIやPPIの発表を控え様子見の姿勢が強まり終値は135.05円となった。
ユーロ・米ドル(EURUSD)では、米ドル・円につられ米ドル買いが優勢となると1.0222ドルまで値を下げた。その後は小幅に値を戻すものの、欧州の景気後退や米国との金利差が意識されると米ドル買いが優勢となった。徐々に値を下げ、終値は1.0213ドルとなっている。
ユーロ・円(EURJPY)は、欧州時間からロシア国営ガスプロム社による「ウクライナ経由で欧州へガスを供給し続ける」との発表を受け投資家心理が上向き、欧州時間に付けたこの日の高値(138.32円)に近い138.27円付近まで値を上げた。その後はCPIやPPIの発表を控え様子見の姿勢が強まり、大きな方向性が出ずほぼ横ばいで推移し、終値は137.92円だった。
株式
NYダウ平均 USD 32,774.41 -58.13(-0.17%)
NASDAQ総合 USD 12,493.929 -150.530 (-1.19%)
S&P500 USD 4,122.47 -17.59(-0.42%)
8月9日の米株式市場のダウ工業株30種平均は、3日ぶりに前日の終値を下回った。半導体のマイクロン・テクノロジーが需要減から2022年6-8月期の売上見通しを引き下げ、半導体を中心にハイテク株が売られた。投資家心理が冷え込む一方で、景気動向に左右されにくいディフェンシブ株が買われ下げ幅が小幅にとどまっている。
債券
米国債10年 2.779%(+0.016)
商品
NY原油(WTI) 1バレル=USD 90.50 -0.26(-0.29%)(9月渡し)
NY金(COMEX) 1オンス=USD 1,812.3 +7.10(+0.39%)(12月渡し)
【日本】リスク回避の動きが出るも堅調に推移
為替(17時)
8月9日の東京外国為替市場では、朝方は中国の軍事演習再開によるリスク回避の動きが強まったものの、前日に続き大幅な米利上げ観測の流れから堅調に推移した。しかしながら、8月10日の米消費者物価指数(CPI)を見極めたいとの思いや、11日からお盆の休暇に入る余波もあり、方向感のない動きとなっている。
米ドル・円は、朝方は中国軍事演習の影響からリスク回避円買いが強まり、この日の安値134.67円を付けた。しかし、大幅な米利上げ観測から米ドル買いに転じ、この日の高値135.16円まで値を上げた。その後は、様子見の姿勢が強まり17時時点では134.88円となった。
ユーロ・米ドルは、日中は値動きがあまり出なかったが、ロシアの国営天然ガス企業ガスプロムが「ウクライナ経由で欧州へガス供給を継続する」と発表すると投資家心理が和らぎ急激に値を上げ17時時点では1.0214ドルだった。
ユーロ・円は、朝方はリスク回避の姿勢が強まり、この日の安値137.27円まで値を下げた。その後は米ドル・円の上昇につられ、この日の高値137.90円まで値を上げ17時時点では137.79円で取引されている。
債券
国債先物・22年9月限 150.65 (+0.11)
10年長期金利 0.160%(-0.010)
【マーケットアナリティクス】米国CPIを前にEURUSDは足踏み状態(8月9日)
米ドルは火曜日に下落し、金曜日の米非農業部門雇用者数(NFP)の上昇分をすべて帳消しにし、ユーロ・米ドル(EURUSD)は1.02ドルを上回った。
マクロ環境が米ドルをサポート
この後、米国では中小企業楽観度指数(NFIB)とIBD/TIPPの景気楽観指数の発表を控えている。これには、第2四半期の非農業部門生産性と単位労働費も含まれる。
マクロ的な状況を見るとFRBがG10諸国の大半、特にECBと乖離していることやリスク回避、さらに地政学的なリスクへの懸念が再び高まっていることが、米ドルを支えているように見える。
INGのアナリストは、「金曜日に発表された7月の米国雇用統計は、景気後退への懸念を和らげるのに役立ち、FRBが先週発表した引き締めはまだ終わっていないという意見に信憑性を与えた」と述べている。
このため、水曜日に発表される米国の消費者物価指数に注目が集まっており、さらに高い数値が出れば、更なる上昇がみられそうだ。
7月の消費者物価指数は、年率9.1%から8.7%に低下すると予想されている。しかし、ニューヨーク連銀の世論調査では、7月に消費者のインフレ期待が大幅に低下したことが明らかになっており、この数値がさらに低下する可能性があることを示唆している。
下降トレンドのチャネル
ユーロは依然として下降チャネル内で取引されているが安値更新に失敗しているため、6ヶ月間の弱気トレンドからの脱却の可能性がある。同ペアが1.03ドル付近の上値抵抗線(レジスタンス)を決定的に上回った場合、1.05ドルに向けた猛烈なリリーフラリーが見られるかもしれない。
あるいは、弱気バイアスを確認するためには、1.01ドルを下回る必要がある。それまでは、1.03ドルを上回る上昇にリスクが偏っている。
ユーロ・米ドル、デイリーチャート 8月9日(CET・中央ヨーロッパ時間)
引用元: “EURUSD Treads Water Ahead of US CPI” (2022年8月9日, AXIORY Global Market News)
追記:8月10日、日本時間6:00のユーロ・米ドルは1.0213-1.0213ドルで取引されている