良好な米経済指標から投資家心理上向く

2022/09/28 7:40  JST投稿
 

【米国】

為替(9月28日6時00分)
 米ドル円(USDJPY)    144.75-144.83 (円)
 ユーロ円(EURJPY)    138.91-138.95 (円)
 ユーロ米ドル(EURUSD) 0.9591-0.9595 (米ドル)
 ポンド円(GBPJPY)    155.34-155.46 (円)
 ポンド米ドル(GBPUSD) 1.0727-1.0735 (米ドル)

9月27日のニューヨーク外国為替市場では、朝方に発表された良好な経済指標結果から投資家心理が上向いた。一方で、日本の再介入への懸念から米ドルが伸びにくい状況となっている。

朝方に発表された8月米耐久財受注(前月比、結果:-0.2%、予想:-0.4%、前回:-0.1%)では、2カ月連続のマイナスながら、設備投資の先行指標となる航空機を除く非国防資本財(コア資本財)の受注が年初以来の大幅な増加となった。金利の上昇局面にも関わらず、堅調な米国経済を示したことが好感された。

さらに、7月 S&Pケースシラー住宅価格(前年比、結果:16.06%、予想:17.05%、前回:18.65%)は、伸びが鈍化し、昨年4月以来での最小の伸びにとどまった。7月住宅価格指数(前月比、結果:-0.6%、予想:0.1%、前回:0.1%)は、2020年5月以来のマイナスに落ち込み、下落率が2011年3月来で最大となり、市場の冷え込みを示している。一時的に投資家心理が冷え込んだ。

しかし、その後発表された9月コンファレンスボード消費者信頼感指数(結果:108.0、予想:104.3、前回:103.2)は、力強い労働市場とガソリン価格の下落から上向き2カ月連続で上向き、4月以来の高水準となった。また、8月新築住宅販売件数(結果:68.5万件、予想:50.1万件、前回:51.1万件)では、住宅金利が上昇しているにも関わらず予想外に増加している。

金融政策の影響を受けやすい2年債と10年債(長期金利)の利回りは、59日連続で逆転(逆イールド)している。終値ベースで2年債が4.287%、10年債が3.949%となっている。長期金利は一時3.992%と2010年4月以来、12年ぶりの高水準で連日上昇している。

ポンド・米ドル(GBPUSD)午前中は買戻しが入り上昇し、1.0739ドルまで持ち直した。その後は大型減税を受けた国債発行への懸念から1.0659ドルまで値を下げ、1.0723ドルで終えている。

米ドル・円(USDJPY)では、良好な経済指標から投資家心理が上向き、この日の高値144.90円まで値を上げた。上値抵抗線の145円が意識されると値を下げたが、堅調に推移し終値は144.80円だった。

ユーロ・米ドル(EURUSD)では、米ドル買いが戻ると徐々に値を下げた。イタリアでの極右政党の台頭への懸念も加わり、この日の安値0.9569ドルまで値を下げた。パイプライン「ノルドストリーム」で3カ所のガス漏れが起こり、ロシアの仕業との懸念が強まった影響も大きい。前日の安値0.9600ドルが意識されると、小幅に上昇し0.9594ドルで終えている。

ユーロ・円(EURJPY)は、英欧の政治的な不信感への高まりからリスク回避の姿勢が強まり、この日の安値138.61円を付けた。その後は、小幅に持ち直し終値は138.91円となった。

株式
 NYダウ平均  USD 29,134.99 -125.82(-0.42%)
 NASDAQ総合  USD 10,829.504    +26.582 (+0.24%)
 S&P500      USD  3,647.29  -7.75(-0.21%) 

9月27日の米株式市場のダウ工業株30種平均は、6日連続で前日の終値を下回った。午前中は前日までの5日間で1,700ドル超値を下げたため、買戻しが入った。しかし、午後になると長期金利の上昇が嫌気され前日の終値を下回る取引が続き、そのまま終えた。一方で、買戻しからハイテク株が値を上げ、ナスダックは小幅に前日の終値を上回り終えている。

債券
 米国債10年 3.949%(+0.069)

商品
 NY原油(WTI) 1バレル=USD 78.50 +1.79(+2.33%)(11月渡し)
 NY金(COMEX) 1オンス=USD 1,636.2  +2.80(+0.17%)(12月渡し)
 

【日本】時間外の米長期金利低下から米ドル売りに

為替(17時)
9月27日の東京外国為替市場では、一転して米長期金利の低下し米ドルが売られた。一方で、米経済の底力もあり値が落ちたところで買い戻される取引が続いている。

米ドル・円では、時間外の米長期金利の低下から徐々に値を下げ、17時前にこの日の安値144.06円を付けた。その後は、持ち直し17時時点では144.26円となった。

ユーロ・米ドルは、米ドル・円の低下やポンドが持ち直し、投資家心理が上向いた。堅調に値を上げ、この日の高値0.9671ドルを付けた。その後は、徐々に値を下げ、17時時点では0.9647ドルだった。

ユーロ・円は、ユーロ・米ドルの動きにつられた。堅調に値を上げ、この日の高値139.55円に値を上げたが、その後は徐々に値を落とし17時時点では139.17円で取引されている。

債券
 国債先物・22年12月限  147.80 (-0.20)
 10年長期金利  0.250%(+0.005)

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アナリストプロフィール

Noriko Sasaki

投資運用歴25年。日系銀行、シティバンク、日興シティ信託銀行の勤務や、ITベンチャー企業でのIR・広報などを経て、金融に強みを持つライターとして活躍。
これまでのキャリアで培った金融の知識と、企業経営の視点、ニュースを複合的に織り交ぜたマーケット分析を得意とする。


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