2022/09/29 7:16 JST投稿
【米国】
為替(9月29日6時00分)
米ドル円(USDJPY) 144.11-144.18 (円)
ユーロ円(EURJPY) 140.27-140.38 (円)
ユーロ米ドル(EURUSD) 0.9732-0.9738 (米ドル)
ポンド円(GBPJPY) 156.92-156.95 (円)
ポンド米ドル(GBPUSD) 1.0883-1.0890 (米ドル)
9月28日のニューヨーク外国為替市場は、英国債の利回り低下を受けた米金利低下の影響が大きかった。一方で、日本の再介入への懸念から投資家心理が冷え込み、リスク回避の姿勢が強まっている。
金融政策の影響を受けやすい2年債と10年債(長期金利)の利回りは、60日連続で逆転(逆イールド)が続き、終値ベースで2年債が4.127%、10年債が3.737%となった。この日、英イングランド銀行(中央銀行)が国際市場の安定化に向け、英長期国債を無制限で購入すると表明。この発表を受け、英長期金利が1998年以来の高水準から急激に低下し、米長期債にも買いが波及し金利が低下した。長期金利は朝方に一時4.019%と2010年4月以来、12年ぶりの高水準で連日推移している。
朝方に発表された8月中古住宅販売成約指数(前月比、結果:-2.0%、予想:-1.6%、前回:-1.0%)は、ローン金利の上昇から悪化し、今年7度目の前月比の減少で2011年以来の2番目に低い水準となった。これを受け、長期金利は3.81%に低下した。
ポンド・米ドル(GBPUSD)は、英中央銀行の措置を受け上昇に転じた。朝方にこの日の安値1.0539ドルまで値を下げたが、英中央銀行の債権買い入れ発表を受け、この日の高値1.0916ドルまで値を戻した。その後は小幅に値を下げ、1.0884ドルで終えている。
米ドル・円(USDJPY)では、米長期金利の低下からリスク回避の姿勢が強まり、徐々に米ドル売りが優勢となり値を下げた。前日の安値を超え、143.91円まで安くなる場面もあった。一方で、株価の上昇を受け、投資家心理が和らぎ買い戻される場面もあり、144.16円で終えている。
ユーロ・米ドル(EURUSD)では、米ドル・円の低下を受け堅調に上昇した。投資家心理が上向き、この日の高値0.9751ドルまでユーロが買われている。ラガルド総裁やECBのチーフエコノミストを務めるレーン専務理事による利上げを推進するタカ派的な発言も後押しとなった。その後は、小幅に値を下げ、終値は0.9735ドルだった。
ユーロ・円(EURJPY)は、ユーロ・米ドルの上昇を受け投資家心理が上向いた。この日の高値140.40円までユーロが買われ、その後は小幅に売りが出て終値は140.35円となった。
株式
NYダウ平均 USD 29,683.74 +548.75(+1.88%)
NASDAQ総合 USD 11,051.636 +222.132 (+2.05%)
S&P500 USD 3,719.04 +71.75(+1.96%)
9月28日の米株式市場のダウ工業株30種平均は、7日ぶりに前日の終値を上回った。英中央銀行が英長期国債購入を発表し長期金利が大幅に低下したことで、幅広い銘柄が買われた。また、前日までの6営業日で1,900ドル近く値を下げ、売られ過ぎとの思惑から買戻しが入ったこともプラスとなり3指数揃って値を上げ、終えている。
債券
米国債10年 3.737%(-0.226)
商品
NY原油(WTI) 1バレル=USD 82.15 +3.65(+4.65%)(11月渡し)
NY金(COMEX) 1オンス=USD 1,670.0 +33.80(+2.07%)(12月渡し)
【日本】米ドル リスク回避と米金利上昇の売買が交錯
為替(17時)
9月28日の東京外国為替市場では、リスク回避の円買いと時間外の米金利上昇(4%)に伴う米ドル買いが交錯し、値動きが出やすくなっている。また、アップルが、景気後退のあおりを受け、需要の伸び悩みから最新機種の「iPhone14」の増産計画を断念するとの報道も投資家心理に影を落とした。さらに、日本の再介入への警戒も依然高く、影響が大きい。
なお、日銀は7月20、21日に開催した金融政策決定会合の議事録を公開した。この会合では、金融緩和の維持を賛成多数で決定している。議事録から、ある委員が現在の政策「イールドカーブ・コントロール(YCC)※」の修正は「長期金利の上振れなどを通じて経済に下押し圧力となり、物価目標の持続的・安定的な達成をより困難なものとするため適当ではない」との指摘をしたことが明らかとなった。しかし、内容が市場に与えた影響は軽微だった。
※YCC:10年物国債の金利が0%程度で推移するように長期国債の買入れを実施し、金利全体の動きを制御する金融政策。
また、欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁はインフレ抑制に向け、たとえ副作用で成長が弱まるとしても金利を上げ続けなければならないと述べた。さらに利上げの最初の目的地は中立金利に到達することだと、見解を示している。さらに、ECBのチーフエコノミストを務めるレーン専務理事は、「10月会合で0.50%か0.75%の利上げを実施する可能性」を示唆した。
米ドル・円では、朝方は小幅な動きが続いたが、リスク回避と時間外の米長期金利の上昇から売買が交錯した。世界的な景気後退リスクが優位となり値を下げる場面が多くみられ、その後、この日の安値144.39円を付けた。その一方で、米長期金利の上昇から144.81円まで値を上げたが、再び投資家心理が冷え込み、17時時点では144.55円となった。
ユーロ・米ドルは、リスク回避のリスクオフの姿勢や米長期金利の上昇から、徐々に値を下げた。朝方は値動きが乏しかったが、機関投資家が参入し始めるとさらに下落し、一時、2002年6月以来の安値0.9536ドルを付けている。その後は、ラガルド総裁やレーン専務理事の利上げに向けた発言がプラスに作用し、持ち直す場面が多く17時時点では0.9578ドルだった。
ユーロ・円は、リスク回避の円買いが強まった。朝方は大きな動きが出なかったが、ユーロ・米ドルの下落につられると徐々に値を下げた。この日の安値138.06円を付けた後は、持ち直し17時時点では138.46円で取引されている。
債券
国債先物・22年12月限 147.98 (+0.18)
10年長期金利 0.245%(-0.005)