弱い経済指標やFOMC議事録から金利低下に

2022/11/24  7:41  JST投稿
 

【米国】

為替(11月24日6時12分)
 米ドル円(USDJPY)    139.54-139.55 (円)
 ユーロ円(EURJPY)    145.11-145.11 (円)
 ユーロ米ドル(EURUSD) 1.0398-1.0398 (米ドル)
 ポンド円(GBPJPY)    168.30-168.32 (円)
 ポンド米ドル(GBPUSD) 1.2060-1.2061 (米ドル)
 
11月23日のニューヨーク外国為替市場は、弱い経済指標から12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ幅が0.5%に抑制されるとの観測が強まり長期金利が低下した影響が強かった。さらに、前回のFOMCの議事録で多くの参加者が利上げ抑制を支持したことが判明すると、投資家心理が冷え込んだ。また、感謝祭を前に機関投資家の多くが休暇を取っている上、サッカーワールドカップが開始し海外を中心に観戦に時間を割いたことから参加者が少なく値が動きやすいことも影響している。
 
まず、新規失業保険申請件数(結果:24.0万件、予想:22.4万件、前回:22.2万件)が予想以上に増加し8月半ばの高水準となった上、失業保険継続受給者数(結果:155.1万件、予想:151.8万件、前回:150.7万件)が3月初旬以来最高となった。さらに11月米製造業PMI(結果:47.6、予想:50.2、前回:50.4)が2020年5月以来で最低となった上、11月米サービス業PMI(結果:46.1、予想:48.1、前回:47.8)では5ヵ月連続で目安の50割れで、それぞれ市場予想を下回る結果となった。これを受け長期金利が1週間ぶりの低水準となる3.689%に低下した。
 
金融政策の影響を受けやすい2年債と10年債(長期金利)の利回りは、97日連続で逆転(逆イールド)しており、終値ベースでは2年債が4.473%、10年債が3.689%だった。
 
さらに、FOMC議事録で参加者の多くが近い時期に利上げペースの減速を支持したことが明らかになった。「急速な利上げによるリスク増大を認識」との見解も示された。
 
米ドル・円(USDJPY)は、弱い経済指標から長期金利が低下した上、FOMC議事録で多くの参加者が利上げ減速に賛成するハト派的な内容が示されると、この日の安値139.17円を付けた。その後、小幅に持ち直し終値は139.60円となった。
 
ユーロ・米ドル(EURUSD)は、米ドルの下落を受けユーロ買いが優勢だった。この日の高値1.0405ドルまで値を上げ、1.0397ドルで終えている。
 
ユーロ・円(EURJPY)は、朝方はユーロ・米ドルの上昇につられていたが、米ドル・円の下落につられ、この日の安値144.64円まで売られた。その後、小幅に持ち直し終値は145.14円だった。
 
株式
 NYダウ平均  USD 34,194.06 +95.96(+0.28%)
 NASDAQ総合  USD 11,285.318   +110.911 (+0.99%)
 S&P500      USD  4,027.26  +23.68(+0.59%) 
 
11月23日の米株式市場のダウ工業株30種平均は前日の終値を連日で上回り、4月21日以来の高値となった。FOMCの議事録で多くの参加者が利上げ減速を支持していたことが判明すると、12月の利上げ幅減少が改めて意識され、消費関連株を中心に幅広い銘柄が買われ3指数揃って値を上げ終えた。
 
 
債券
米国債10年 3.689%(-0.069)
 
商品
 NY原油(WTI) 1バレル=USD 77.94 -3.01(-3.72%)(1月渡し)
 NY金(COMEX) 1オンス=USD 1,754.60 +5.70(+0.30%)(12月渡し)
 
 

【日本】祝日により個人中心の取引に

為替(17時)
11月23日の東京外国為替市場では、勤労感謝の日の祝日で機関投資家が休みに入り、商いが薄い中、個人投資家中心の動きとなり値動きが出やすい状況だった。
 
米ドル・円は、朝方はニューヨーク市場の流れを受け売りが優勢となり、この日の安値140.91円まで値を下げた。その後は、薄商いながら買い戻され141.51円まで戻すも、再び値を下げ17時時点では141.17円となった。
 
ユーロ・米ドルは、米ドル売りが優勢となり堅調に値を上げた。この日の高値1.0349ドルまで値を伸ばし17時時点では1.0342ドルだった。
 
ユーロ・円は、ユーロ・米ドルの上昇につられ堅調に値を伸ばした。この日の高値146.14円を付けたものの、米ドル・円の下落につられ小幅に値を下げ17時時点では146.00円となった。
 
*勤労感謝の日の祝日により債券市場は休場
 
 

【マーケットアナリティクス】NZDUSDは、タカ派的なRBNZに支えられて高値圏で上昇(11月23日)

ニュージーランド準備銀行(RBNZ・中央銀行)は0.75%の利上げを決定し、2008年以来の水準まで金利を押し上げた。この決定とともに、声明文や記者会見で強気なコメントが発表されたため、NZDが現在高値で取引されていることは当然のことだ。本日の分析では、大きな買いシグナルから一歩前進したニュージーランドドル・米ドル(NZDUSD)に焦点を当てたい。
 
NZDUSDは2021年2月から下落トレンドにあり、今年4月にこの下落が加速した。弱気(ベア)相場は10月中旬まで続き、その後、買い手が反転を開始した。なぜ、これを弱気相場の終焉の可能性があると考えるのだろうか。結論から言うと、11月11日に価格が下降トレンドライン(4月以降の下降高値を結んだライン)をブレイクし、同時にフィボナッチ比率が38.2%に上向いたのだ。
 
ここ数日、相場はトライアングルの上昇パターンを描いていた。この形は、上昇後に描かれた場合、同様に上昇を促すものである。タカ派的なRBNZは、ここで大きな資産となり、NZDUSDのムードを間違いなく向上させた。米国時間の取引序盤は、強気な攻撃とトライアングルの上限ラインをブレイクしようとする正当な試みをもたらしている。買い手がオレンジ色の領域より上で1日を終えることができれば、適切な長期の買いシグナルを得ることができる。現在のところ、買い手が成功するようにみうけられる。
 
 
ニュージーランドドル・米ドル、デイリーチャート 11月23日(CET・中央ヨーロッパ時間)
 
引用元: “NZDUSD climbs higher supported by the hawkish RBNZ” (2022年11月23日, AXIORY Global Market News)                    
 
追記:11月24日、日本時間6:12のニュージーランドドル・米ドルは0.6247-0.6248米ドルで取引されている

この記事をシェアする
アナリストプロフィール

Noriko Sasaki

投資運用歴25年。日系銀行、シティバンク、日興シティ信託銀行の勤務や、ITベンチャー企業でのIR・広報などを経て、金融に強みを持つライターとして活躍。
これまでのキャリアで培った金融の知識と、企業経営の視点、ニュースを複合的に織り交ぜたマーケット分析を得意とする。


もっと読む
クッキー(Cookie)について: お客様が本ウェブサイトにアクセスする際、セキュリティの確保やお客様に関する情報を取得することを目的に、クッキー(Cookie)を使用する場合があります。 本ウェブサイトにお客様が継続的に訪問する場合、クッキーについて同意することと見なします。またクッキーはいつでも削除することが可能です。
FAQ お問合せ サポートデスク
月曜日-金曜日
9:00-24:00