クレディ・スイスの混乱を注視、市場は米利上げの打ち止めを予想

【米国】

為替(2023年3月16日  6時00分)
米ドル円         USD/JPY  133.41  (円)
ユーロ米ドル  EUR/USD  1.0578  (米ドル)
ユーロ円         EUR/JPY   141.08  (円)
ポンド円         GBP/JPY   160.64  (円)
ポンド米ドル  GBP/USD  1.2047  (米ドル)
 
3月15日のニューヨーク外国為替市場では、欧州金融大手クレディ・スイスの混乱を注視する展開となった。この日、クレディ・スイスの筆頭株主であるサウジ・ナショナル・バンクが追加出資を行わないと伝わると、クレディ・スイスの株価が急落。グローバル金融市場が一段と不安定化するとの警戒感が広がった。その後、スイス中銀などの当局は「必要であればクレディ・スイスに流動性を供給する」との表明し、市場はやや安定を取り戻した。一連の混乱を受けて、市場では3月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利上げが行われないとの見方が増加。米金利水準の低下要因となり、米ドルの売り材料となった。ただし、ロンドン市場で既に米ドル・ユーロ売りと円買いが急激に進んでいたことから、ニューヨーク市場では反発する動きが優勢となった。
 
債券市場では、金融政策の影響を受けやすい2年債の利回りが10年債(長期金利)の利回りを上回る現象(逆イールド)が継続しており、2年債が3.87%、10年債が3.46%となっている。
 
米ドル円は徐々に水準を切り上げる展開となった。132.67円で取引を開始すると、段階的に上昇し、一時は133.78円を付けた。引けにかけても底堅く推移し、133.41円で取引を終えた。
 
ユーロドルは底値からの反発となった。1.0556ドルで始まると、その後は堅調に推移し、一時は1.0592ドルまで上昇。1.0578ドルで引けた。ポンドは、対米ドルで1.2047ドル近辺での取引となっている。
 
ユーロ円も売られすぎた反動から上昇した。140.05円で取引を開始し、徐々に水準を切り上げた。当局がクレディ・スイスの安定化について討議すると伝わると、一時は141.58円まで上昇。141.09円で取引を終えた。
 
株式
NYダウ平均     USD  31,874.57   -280.83 (-0.87%)
NASDAQ総合  USD  11,434.05   5.89 (+0.05%)
S&P500            USD   3,891.93   -27.36 (-0.70%)
 
3月15日の米株式市場のダウ工業株30種平均は続落となった。クレディ・スイスの混乱を受けて欧州株式相場が大幅に下落し、米国市場でも重石となった。個別では、引き続きJPモルガン・チェースなどの金融株が売られたほか、原油先物価格の低下を受けてエクソン・モービルやシェブロンなどの石油関連株も大幅に下落した。
 
債券・商品先物
米国債10年                  3.4641%  (-0.224)
NY原油(WTI)   USD/バレル  67.61  (-5.48%)
NY金(COMEX)  USD/オンス  1,931.3  (+1.18%)
 
 

【日本】 米金利反発で日米金利差を意識した米ドル買いが優勢

 
為替(17時)
3月15日の東京外国為替市場では、米金利水準の上昇に伴い、日米金利差の拡大を意識した米ドル買いが優勢となった。米金融セクターの信用問題に対する警戒感が広がるなか、足元では米短期金利が反発。短期的に米ドルの買い材料とされた。
 
米ドル円は134.24円で取引を開始。朝方は軟調に推移し、一時は134.04円まで下落した。しかし、その後は値を持ち直し、一時は135.11円まで上昇。引けにかけてはやや勢いを失い、134.67円で取引を終えた。
 
ユーロドルは方向感なく推移した。1.0732ドルで始まると、その後は概ね横ばいの展開が続いた。一時は1.0759ドルを付ける場面もあったが、勢いは続かず1.0732ドルで引けた。
 
ユーロ円は緩やかに値を切り上げる展開となった。144.07円で取引を開始すると、その後は堅調に推移し、一時は144.97円まで上昇。引けにかけてはやや押し戻され、144.52円で取引を終えた。
 
債券
10年長期金利 0.311% (+0.033)

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