【今週のハイライト】日米の金利差を意識した円売りが強まり、米ドル円は34年ぶりの高値を更新した

為替(2024年4月26日 6時00分)
米ドル円     USD/JPY  155.61  (円)
ユーロ米ドル  EUR/USD  1.0728 (米ドル)
ユーロ円         EUR/JPY   166.89 (円)
ポンド円         GBP/JPY   194.75  (円)
ポンド米ドル  GBP/USD  1.2510  (米ドル)
 
米ドル円
22日(月)は、16日に記録した34年ぶりの高値154.79円を前に伸び悩み、米10年債利回りの上げ幅縮小も重しとなり、154.59円台に押し戻された。中東の地政学リスクに対する警戒感が和らぎ、NYダウ平均が一時460ドル超上昇すると投資家のリスク志向改善を意識した円売り・ドル買いが出やすくなった。またFRBによる利下げ開始時期が先延ばしになるとの観測が高まっていることも相場を下支えし、16日の高値を上抜け154.85円まで上値を更新した。
23日(火)は、午前中に154.65円まで安値を押し下げるも下値が堅く、反発上昇し徐々に安値を切り上げていった。わずかではあるが前日高値を更新し154.86円の日通し高値を付けた。引き続き日本当局による為替介入への警戒感が上値を抑え伸び悩む地合いが続いているが、円買いとなるような材料も乏しく下値は堅い。米10年債利回りの上昇も相場を下支えし、22時台には、154.87円の日通し高値を付けた。しかし、米PMI速報値が予想を下回ると一転下落し154.56円まで安値を押し下げたが、日米の金利差から底値は限定的だった。
24日(水)は堅調に推移し一時154.96円まで上値を伸ばした。ただ節目となる155円の壁は厚く、日本当局の円買い介入への警戒感も根強いことで伸び悩んだ。ただ底値も堅く一時的に154.76円まで安値を押し下げたが、すぐに買い戻された。FRBの利下げ開始時期が後ずれするとの観測が高まる中で、円売りドル買いが出やすい地合いとなった。大量のノックアウトオプションが観測されている155.00円を上抜けると断続的にストップロスを巻き込みながら、155.37円と1990年6月以来約34年ぶりの高値を更新した。
25日(木)は、節目となる155.00円を上抜けても日本当局によるドル売り・円買い介入が実施されないことから、上昇に勢いを付けて155.74円まで上値を伸ばした。その後は買いの勢いが一服し、やや売り戻しが入ったが底値は固く155.56円までにとどまった。ニューヨーク時間には、米商務省発表のGDP速報値が予想を下回るとドル売りが優勢となり、155.30円まで安値を押し下げた。ただFRBが重要視している個人消費支出コア指数が予想を上回ると、一転ドル買いが優勢となった。ただ一部報道で「26日の日銀金融政策決定会合では国債買い入れを縮小し、量的引き締め局面に移行を検討する」との報道が伝わると、円買いで反応した。
 
ユーロドル
22日(月)は、11時台に1.0670ドルの日通し高値を付けたが、上値は重く押し下げられた。ユーロポンドが、15日以来のユーロ高・ポンド安に振れたことを支えに下げ渋る場面もあったが、ECBの利下げ開始時期が近づいているとの見方が一段と強まる一方で、FRBの利下げ開始時期が後ずれするとの観測が高まり、欧米の金利差拡大への思惑からユーロ売り・ドル買いが優勢となった。22時台には1.0623ドルまで安値を押し下げたが、前週末安値の1.0611ドルが目先のサポートとして意識されると、1.0660ドルまで買い戻された。
23日(火)は、米10年債利回りが4.61%台で高止まりしていることで1.0638ドルまで下値を広げた。16時台には仏・独製造業PMI速報値では予想を下回ったものの、サービス部門PMI速報値では予想を大幅に上回る結果で欧州通貨買いが優勢となった。また米製造業・サービス業PMI速報値が予想を下回ったことで、米10年債利回りの低下とともに全般でドル売りが優勢となった。23時台には、1.0711ドルの日通し高値を付けた。
24日(水)は、じり安の展開となった。昨日は欧米経済指標の強弱で、1.07ドル台回復をしたが、本日はじり安となり欧州勢が参入してくると1.0684ドルまで調整の売りに押された。独IFO企業景況感指数は予想を上回る結果となったが、相場の反応は限定的だった。一時1.0677ドルまで日通し安値をつけたものの、その後は反発し1.0706ドルまで買い戻された。円がらみの取引が中心となる中で、ドル円とユーロ円に挟まれる形で、1.0700ドルを挟んだ狭いレンジでの値動きが続いた。
25日(木)は、ユーロ円の上昇に合わせてユーロ買いが進行した。前日の高値を上抜けて、1.0727ドルまで上値を伸ばした。その後は買いが一服し、押し戻される場面もあったが、その後は再び上昇し1.0720ドルまで上昇し引けた。米GDP速報値が予想を下回ったことで、一時1.0740ドルの日通し高値を付けた。ただ同時に発表された個人消費支出コア指数が予想を上回ると一転ドル買いが優勢となり、1.0678ドルの日通し安値を付けた。もっともその後はドル売りが優勢となり日通し高値目前まで持ち直した。
 
ユーロ円
22日(月)は、株高が下支えする中でドル円の高値更新の動きに連動して、165.10円までレンジ上限を広げたが、ドル円の伸び悩みやユーロドルの重い動きが上値を圧迫し、164.40円まで安値を押し下げた。しかし底値は固く、164.9円台まで買い戻された。
23日(火)は、早出の欧州勢が15時台にユーロ売りで参加したため164.62円まで安値を押し下げたが、仏・独のサービス部門PMI速報値が予想を大幅に上回ったことで、ユーロ買いが優勢となり165.60円まで上値を伸ばした。その後は買いが一服し押し戻されたが底値も堅く、23時台には再び高値を更新し、165.74円の日通し高値を付けた。
24日(水)は、米ドル円の底堅い堅調な値動きとユーロドルの下落に挟まれる形で揉み合いが続いたが、ユーロドルの下落に合わせて165.45円まで安値を押し下げた。もっとも39pips程度の小幅な値動きにとどまった。ニューヨーク時間には、ドル円の上昇につられる形で上昇し、引けにかけては、166.22円の日通し高値を付けた。
25日(木)は、東京オープンから堅調に推移し、じり高となった。欧州勢が対円に対して買いで参入すると一時166.98円まで上値を伸ばし日通し高値を付けた。節目の167円を前に一旦上値は抑えられているが、その他の対円が引き続き買われているため、下値は限定的だった。ニューヨーク時間には、ドル円の上昇に合わせて167.09円まで高値を伸ばし、2008年8月以来の高値を更新した。
 
4月22日 9時00分 ~4月26日 6時00分までのレンジ幅
米ドル円  USD/JPY 154.55~155.74(円)
ユーロドル EUR/USD   1.0623~1.0740(ドル)
ユーロ円  EUR/JPY 164.40~166.86(円)
ポンドドル GBP/USD   1.2299~1.2466(ドル)
ポンド円  GBP/JPY  190.31~194.94(円)
 
株式
22日(月)は、中東情勢の過度な警戒感が和らぐ中で、下落相場が続いたハイテク株に買いが入りやすくなった。NYダウ平均は一時460ドル超上昇した。またハイテク株比率が高いナスダックも6日連続で続落した後だけに押し目買いが優勢となった。エヌビディアなど半導体関連株に買いが入りやすかった。
23日(火)は、中東の地政学リスクへの警戒感が和らぐ中で、幅広い銘柄に押し目買いが入った。米PMI速報値の下振れで、FRBが利下げを先送りにするという懸念が緩和したことも相場の支援材料となり、NYダウ平均は一時320ドル超上昇する場面もあった。
24日(水)は、米10年債利回りが4.669%まで上昇すると、株式の相対的な割高感が意識されてやや売りが出やすくなった。ただ、中東の地政学リスクへの過度な警戒感が和らぐ中で、買いが入る場面もあり、揉み合いとなった。昨日の引け後に決算発表をしたテスラは、12%超上昇した。
25日(木)は、米GDP速報値が予想を下回ったものの、個人消費支出コア価格指数が予想を上回ったことで、FRBによる金融政策の先行き不透明感が意識されて売りが優勢となった。NYダウ平均は一時700ドル超下落する場面もあった。決算内容が嫌気されたキャタピラーが7%超下落したほか、売り上げ見通しが予想を下回ったメタプラットフォームズが10%超下げた。

この記事をシェアする
もっと読む
クッキー(Cookie)について: お客様が本ウェブサイトにアクセスする際、セキュリティの確保やお客様に関する情報を取得することを目的に、クッキー(Cookie)を使用する場合があります。 本ウェブサイトにお客様が継続的に訪問する場合、クッキーについて同意することと見なします。またクッキーはいつでも削除することが可能です。
FAQ お問合せ サポートデスク
月曜日-金曜日
9:00-24:00