【今週のハイライト】FOMCでタカ派的な発言が多く、全般でドル買いが優勢となった

為替(2024年5月24日 6時00分)
米ドル円     USD/JPY  156.89  (円)
ユーロ米ドル  EUR/USD  1.0811 (米ドル)
ユーロ円         EUR/JPY   169.69 (円)
ポンド円         GBP/JPY   199.21  (円)
ポンド米ドル  GBP/USD  1.2697  (米ドル)
 
米ドル円
20日(月)は、東京市場仲値にかけて155.93円まで上昇し日通し高値を付けた。ただ156円の節目を前に足踏み状態が続いた。本邦10年債利回りが0.976%と2013年以来の高水準を維持していることから、徐々に円高が進行しロンドン勢参入後は155.49円まで下押した。ただ依然として日米の金利には大きな差があることから、155.78円まで下げ渋った。ニューヨーク時間になるとFRB高官らが早期利下げについて慎重な見方を示す中で、米10年債利回りが4.455%まで上昇したことを受けて、円売りドル買いが進行し156.30円まで上値を伸ばし日通し高値をつけた。日本当局による為替介入への警戒感が後退していることも相場を下支えした。
21日(火)は、午前中は堅調で底堅い値動きで156.54円まで上値を伸ばした。ただ15日高値の156.56円を前に買いが一服すると、午後の日経平均株価が下げたことをきっかけにじり安となり、16時台には156.03円まで安値を押し下げた。米10年債利回りが4.398%まで下落したことを受けて、ドル売りが進行した。ただウォラーFRB理事は「利下げを支持するには、あと数か月分の良好な物価指標を確認する必要がある」とし、バーFRB副議長は「より長期間引き締めを維持する必要がある」など、利下げに慎重な姿勢を再度示したこともあり、ドル売りは限定的だった。
22日(水)は、東京市場オープンから156.14円まで値を下げるも底値は固く、安値を切り上げながら15時台には、156.47円まで上値を伸ばし日通し高値を付けた。米10年債利回りが4.46%台まで上昇したことで、円売りドル買いが優勢となった。FOMC議事要旨が公表され「最近の指標はディスインフレの過程に想定していたよりも時間がかかりそうなことを示唆している」「数人の当局者は必要ならさらなる引き締めに意欲を示した」との見解が示されると、全般ドル買いが活発化し一時156.84円まで上値を伸ばし日通し高値を付けた。
23日(木)は、日本銀行による国債買い入れオペで、5年から10年のオファー額が前回から変わらず据え置きだったことを受けて円売りで反応した。前日の高値を上抜けて156.90円まで上値を伸ばし日通し高値を付けたが、157円の節目を前にして、上値が重たくなった。その後は156.56円まで値を下げたが、米10年債利回りの上昇もあり156.77円まで下げ渋った。米10年債利回りが4.41%まで低下したことで、ドル売りが先行した。ただ、前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容であることがわかると一転して買戻しが入った。5月米製造業・サービス業PMI速報値も予想を上回ったことも相場を下支えし、157.19円まで上値を伸ばした。もっとも買いが一巡後は、米株式市場でダウ平均が600ドル超下げた事でリスク回避の円買いが入り、やや高値を切り下げた。
 
ユーロドル
20日(月)は、小幅ながらもユーロ買いドル売りでスタートし1.0884ドルまで上値を伸ばした。ただし、先週同様に節目の1.0900ドルが目先のレジスタンスとして意識されると1.0869ドルまで押し戻された。カザークス・ラトビア中銀総裁の「6月の欧州中央銀行理事会で利下げが開始される見込み」との発言もユーロの重しとなった。欧州中央銀行が6月にも利下げに動くとの見方が強まる中で、米10年債利回りが4.455%まで上昇したことを受けて、ユーロ売り・ドル買いが進行した。21時台には一時1.0854ドルの安値を付けたが、前週末安値の1.0836ドルが目先のサポートとして意識されると、1.0871ドルまで下げ渋ったものの、戻りは鈍かった。
21日(火)は、米長期金利の一時持ち直しやユーロ円の下押しが重しとなり、じり安でスタートした。その後は対円でドル売りが進んだことも影響し、欧州時間に1.0874ドルの日通し高値を付けたが、前日の高値1.0884ドルが目先のレジスタンスとして意識されると一転して下落し、22時過ぎには1.0842ドルまで値を下げ日通し安値を付けた。ここ最近のFRB高官らによる利下げに対する慎重な発言が相次いでおり、ユーロ売り・ドル買いが出やすくなっている。
22日(水)は、東京市場オープンから徐々に上げ1.0863ドルまで上値を伸ばしたが、米10年債利回りが徐々に上昇していることを受けて、ドル買いが優勢となった。午後には午前中の高値まで再び上昇したが、米10年債利回りが上昇したことを受けて一転してドル買いが優勢となったが、米10年債利回りが上昇幅を縮めると1.0847ドル付近まで下げ渋った。ただ、FOMC議事要旨が「タカ派的な内容だった」と受け止められると再びドル買いが優勢となり1.0817ドルまで下値を押し下げ、日通し安値を付けた。
23日(木)は、底堅く狭い値幅の中でも徐々に上値を広げ1.0832ドルまで上値を伸ばした。その後5月仏サービス部門PMIが予想を下回るとユーロ売りが優勢となり1.0812ドルまで急落した。ただし、その後の独製造業・サービス部門PMIが予想を上回る結果となったことで、1.0834ドルまでユーロが買い戻された。5月の独・ユーロ圏PMI速報値が概ね良好な内容だったことを受けてユーロ買い・ドル売りが先行し1.0860ドルの日通し高値を付けた。ただ、前日の高値1.0864ドルが目先のレジスタンスとして意識されると失速した。5月米PMI速報値が予想を上回ったことで米10年債利回りが上昇し、全般でドル買いが進行し27時台に1.0804ドルの日通し安値を付けた。
 
ユーロ円
20日(月)は、ドル円主導の円安地合いに連動しユーロ買い円売りでスタートした。ただその後はドル円やユーロドルがやや上値を切り下げる動きとなり、ユーロ円も一時169.06円まで安値を押し下げた。もっとも169円前半の底値は固くショートカバーが入り、169.39円まで買い戻された。その後は揉み合いが続いたが、米10年債利回りの上昇で米ドル円が上昇すると、つられる形で上値を伸ばし、169.78円まで上値を伸ばし日通し高値を付けた。
21日(火)は、ドル円の堅調な伸びを支えに上昇するも日経平均株価が上昇幅を縮小したことや、中国・香港株がマイナス推移となるなかで押し戻された。午後のドル円の下落につられる形で下落したが、ユーロドルが上昇した影響も同時に受けたことから、一方的な下落とはならず底値も堅い展開となった。ただニューヨーク時間になるとFRB高官らが利下げに対する慎重な姿勢を見せていることからユーロドルが下落した。これにつられる形でユーロ円も169.21円まで値を下げ日通し安値を付けた。
22日(水)は、169.55円から160.75円の20pips程度の値幅で揉み合っていたが、米ドル円やポンド円の上昇に連れて169.92円まで上昇し日通し高値を付けた。買いが一服すると押し戻されたが、午前中高値の169.75円がサポートとして意識されると169.85円まで下げ渋り引けた。その後のニューヨーク時間では、FOMC議事要旨が発表されタカ派的な内容が多かったことで、ユーロドルは下落。それにつられる形で、169.38円まで安値を押し下げた。
23日(木)は、日銀の国債買い入れオペ通知にかけたドル円の上下による円相場の振れに連動した。仏PMIが予想を下回り、独PMIが予想を上回ったことで169.28円まで値を下げた直後に169.80円まで上昇した。欧州圏の経済指標をながめながら169円台で荒く上下した。ニューヨーク時間には、ドル円の上昇に合わせて170.32円まで上値を伸ばしたが、米株式市場が下落するとリスクオフの円買いが優勢となり169.47円まで安値を押し下げた。
 
5月20日 9時00分 ~5月24日 6時00分までのレンジ幅
米ドル円  USD/JPY 155.49~157.19(円)
ユーロドル EUR/USD   1.0804~1.0884(ドル)
ユーロ円  EUR/JPY 169.06~170.32(円)
ポンドドル GBP/USD   1.2685~1.2761(ドル)
ポンド円  GBP/JPY  197.38~199.89(円)
 
株式
20日(月)は、NYダウ平均が前週末に史上最高値更新をし、初の4万ドル台で取引を終えた後だけに、利益確定目的の売りが優勢となった。JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOが計画よりも早期に退職する可能性を示唆したうえ「現在の株価では大量の自社株買いはできない」との見方を示すと、同行の株価は一時4.5%超下落した。
21日(火)は、前日に下落したJPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスなどに押し目が入り、相場を下支えした。ただ22日のエヌビディアの決算発表を見極めたい雰囲気も強く、大きな方向感は出なかった。ナスダック総合では史上最高値で取引を終え、S&P500でも過去最高値を更新した。
22日(水)は、FOMC議事要旨でタカ派的な内容が多く一部では更なる引き締めの必要性も示されたことから、足元で相場上昇が目立っていた銘柄中心に売りが出た。ハイテク株比率の高いナスダックは3営業日ぶりに反落した。前日に史上最高値を更新した後だけに利益確定目的の売りが出やすくなった。
23日(木)は、前週分の新規失業保険申請件数や5月製造業・サービス業PMI速報値が予想より強い内容だったことがわかると、米長期金利が上昇した。これにより株式の相対的な割高感が意識され売りが広がった。前日のFOMC議事要旨がタカ派的と受け止められたことも相場の重しとなった。

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