【今週のハイライト】日銀の金融政策正常化への思惑が高まり全般で円買いが優勢となった

為替(2024726  600分)
米ドル円          USD/JPY   153.93 (円)
ユーロ米ドル   EUR/USD  1.0845  (米ドル)
ユーロ円          EUR/JPY   166.95   (円)
ポンド円          GBP/JPY   197.82  (円)
ポンド米ドル   GBP/USD  1.2850  (米ドル)

 
米ドル円
22日(月)は、米大統領選でのバイデン大統領が次期大統領選から撤退することを受けて先行きが不透明な中で、日経平均株価が安く寄り付き下げ幅を拡大した事も相場の重しとなり、156.28円まで安値を広げた。その後は米10年債利回りが徐々に戻したことや、欧州株式市場が小幅高となっていることで下げ渋り156.84円まで戻した。東京時間に一時156.28円の安値を付けたものの、欧米物価の上昇や米10年債利回りの上昇に伴う円売り・ドル買いが優勢となり徐々に下値を切り上げた。なお11月の米大統領選からバイデン大統領が撤退する事を表明した事で、共和党のトランプ前大統領が当選する可能性が後退したものの、為替相場への影響は限定的だった。
 
23日(火)は、上値が重たく米10年債利回りが4.23%台に小幅低下する中でじり安に推移し156.19円まで安値を押し下げた。ただ時間外の米10年債利回りが4.25%台まで上昇したことに連れて、156.63円まで買い戻された。河野デジタル相についで茂木幹事長の発言を受けて、来週の日銀金融政策決定会合への警戒感が高くなり、引けまでには155.93円まで下値を広げた。22日の茂木幹事長の講演で「日銀は段階的な利上げの検討も含めて金融政策を正常化する方針をもっと明確に打ち出す必要がある」と話したことで、日銀の金融政策正常化への思惑が高まり円買い・ドル売りが優勢となった。引けにかけては155.54円まで安値を広げた。
 
24日(水)は、東京市場オープンから仲値にかけて155.98円まで上値を伸ばしたものの円買い圧力は強く、14時台には6月4日の安値154.52円を下抜けて154.35円まで安値を広げた。欧州勢参入後は安値更新をトライする動きがみられたものの14時台の安値は抜けられず、引けまでに154.88円まで買い戻された。「来週の日銀金融政策決定会合で利上げを検討」「国債買い入れ額を減額する」との一部報道や茂木幹事長の発言を受けて、日銀の金融政策正常化への思惑が高まっており、円買いが優勢となっている。また世界的な株価の下落を背景にリスク・オフの円買いも入り、24時前には153.27円まで安値を広げた。
 
25日(木)は、日経平均株価が安く寄り付き一時38,000円の節目を割り込んだこともあり、リスク回避目的の売りに押されて152.22円まで下押した。下げが一巡後は152.97円まで買い戻されるも153円の節目がレジスタンスとして意識され上値は重たい。その後は米10年債利回りの低下を眺めながら、152.05円まで下げ幅を拡大した。日本株相場の急落や欧州株相場の下落に伴うリスク・オフの円買いが強まると一時151.93円まで安値を更新した。ただ米第1四半期国内総生産速報値が予想を上回った事で、一転して買いが優勢となった。投資家のリスク回避志向が後退すると、NYダウ平均は一時580ドル超の上昇となり、円売り・ドル買いが加速し25時台には154.31円まで上値を伸ばした。
 
ユーロドル
22日(月)は、米10年債利回りが下げ幅を縮小したことを背景に、ややドルが買われたことが重しとなり1.0884ドルまで下げたが、前週末安値の1.0875ドルが目先のサポートとして意識されると下げ渋った。ただ上値は重たく、リスク・オフ通貨の円などが相場の中心となっていることもあり1.088ドル台を中心にもみ合いが続いた。欧米の重要経済指標の発表などがなく手掛かり材料に欠ける中で、相場に大きな方向感は出なかった。米10年債利回りが上昇したことで、ドル買いが優勢となり1.0873ドルまで下押したが底値は固く、すぐに1.0891ドルまで買い戻された。その後も小幅な値動きでもみ合いに終始した。


23日(火)は、円が主体となった相場でユーロ円が下落したことに連れてユーロドルでも、ユーロ売り・ドル買いが優勢となった。一時1.0888ドルまで買い戻される場面もあったが上値は重たく引けまでには1.0874ドルまで下値を広げた。欧州時間にデギントスECB副総裁「9月は意思決定するには適した月である」と述べたことが伝わると、ECBが9月に追加利下げに踏み切るとの思惑が高まり、全般でユーロ売りが優勢となり24時前には1.0843ドルの日通し安値を付けた。その後は1.0857ドルまで買い戻されるも上値は重たく1.0854ドル前後で揉み合いが続いた。
 
24日(水)は、米10年債利回りが小幅ながら上昇するのを眺めながら1.0841ドルまで下押した。その後は1.0853ドルまで買い戻されたが、独仏の7月製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値が市場予想屋前回値を下回ったことで、ユーロ売りが加速し1.0825ドルまで下値を広げた。対円中心でドル売りが優勢となると、ユーロに対してもドル安が進み、23時台には1.0866ドルと日通し高値をつけた。ただ米10年債利回りの上昇に伴うドル買いが入ると、1.0835ドルまで押し戻された。
 
25日(木)は、円主体の動きとなる中で膠着状態が続き、方向感なくもみ合った。16時過ぎには1.0828ドルまで下押したが、前日安値の1.0825ドルが目先のサポートとして意識されるとユーロ買いが優勢となり1.0853ドルまで買い戻された。米第1四半期国内総生産速報値が予想を上回ると、ユーロ売り・ドル買いが先行し、22時台には1.0830ドルまで下値を広げた。ただ、日本時間に付けた安値1.0828ドルが目先のサポートとして意識されると、買い戻しが優勢となった。その後はユーロ円の上昇もあり、ユーロ買い・ドル売りが入り26時台には、1.0870ドルまで上値を伸ばし日通し高値を付けたが、米10年債利回りの低下幅縮小とともに上値が重たくなった。
 
ユーロ円
22日(月)は、ドル円の上昇に連れて上昇したほか、ユーロドルさ下げ渋ったこともあり、171.66ドルまで上値を広げた。ただ日経平均株価が軟調に推移していることもあり、売りが優勢となっていった。リスク・オフの円買いなども入り、15時台には170.05ドルまで下値を広げた。売りが一巡した後は、ショートカバーが入り170.89円まで戻した。その後も欧米の物価上昇などを背景に円売り・ユーロ買いが進み下値を徐々に切り上げた。ただ手掛かり材料に欠ける中で、大きな方向感は出なかった。
 
23日(火)は、170.80円台での上値の重さを確認すると、170.16円まで下落した。その後は170.50円までやや買い戻されたものの、上値は重たく引けまでには169.38円まで下押した。その後169.72円まで買い戻される場面もあったが、ECBの追加利下げへの期待感も高まりユーロ売りが優勢となり168.83円まで安値を広げた。
 
24日(水)は、一時プラス圏を回復した日経平均が再び下げに転じたほか、ドル円の下げ幅拡大も重しとなり、168.33円まで下落した。その後168.62円まで戻すも上値は重たく14時台には167.44円まで下値を広げた。欧州勢参入後は下値更新にトライするも底堅く買い戻された。もっとも上値は重たく小幅にもみ合いが続いた。ただ、円買い圧力の強さは続きニューヨーク時間になると、24時前には166.14円と5月8日以来の安値となった。
 
25日(木)は、日経平均株価の低下を確認すると165.03円まで下押した。売り一巡後はやや気戻しが入り165.5円前後で揉み合いが続いた。欧州勢参入後はドル円の下落にに連れて164.88円まで下げ幅を拡大した。ただ米第1四半期GDP速報値が予想を上回ると、ドル円の上昇につられて買いが優勢となり、167,58円まで上値を伸ばした。
 
722 900分 ~726 600分までのレンジ幅
米ドル円  USD/JPY 151.93~157.61(円)
ユーロドル EUR/USD   1.0825~1.0896(ドル)
ユーロ円  EUR/JPY 164.82~171.66(円)
ポンドドル GBP/USD   1.2845~1.2937(ドル)
ポンド円  GBP/JPY  195.85~203.60(円)
 
株式
22日(月)は、足元で相場の下落が続いた後だけに、自律反発を狙った買いが入った。市場では「今週から本格化する米企業決算への期待から買いが入った」との指摘もあった。ハイテク株比率の高いナスダックでも前週末に下げが目立った半導体関連株に買いが入った。
 
23日(火)は、今週から本格化する米企業決算への期待から買いが入った半面で、25日の第1四半期GDP速報値や26日の6月PCEデフレーターなど、重要指標の発表を前に持ち高調整目的の売りが出た。ハイテク株比率が高いナスダックでも売りが出やすかった。
 
24日(水)は、テスラやアルファベットなどの決算内容が嫌気されて大型ハイテク株が急落すると、ほかの銘柄にも売りが伝わり株式相場全体を押し下げた。市場では「これまで相場を牽引していたハイテク銘柄の決算が市場の期待に届かず、投資家心理の悪化につながった」との声が聞かれた。ハイテク株比率が高いナスダックも大幅に続落した。
 
25日(木)は、米第1四半期国内総生産速報値が予想を上回ると、米景気減速への過度な懸念が後退し買いが優勢となった。NYダウ平均は一時580ドル超上昇した。ただ明日発表される米PCEデフレーターを見極めたい向きも強く、引けにかけては伸び悩んだ。ハイテク株比率が高いナスダックでは、エヌビディアやアルファベットなどが売られ、3日続落した。
 

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