【今週のハイライト】植田日銀総裁のへ津減を受けて、全般で円売りが優勢となった

為替(2024927  600分)
米ドル円          USD/JPY   144.78 (円)
ユーロ米ドル   EUR/USD  1.1176  (米ドル)
ユーロ円          EUR/JPY   161.83   (円)
ポンド円          GBP/JPY   194.23  (円)
ポンド米ドル   GBP/USD  1.3414  (米ドル)

 
米ドル円
23日(月)は、日経平均株価が高く寄り付き一時700円超高となったことを受けて、144.45円まで上値を伸ばした。ただ、前週末高値の144.49円が目先のレジスタンスとして意識されると上値が重たくなった。欧州でのクロス円が軟調に推移したことに連れた円買い・ドル売りも入り、143.54円まで下押した。欧州時間のドル売りの流れで20時台には143.16ドルの日通し安値を付けたものの、売り一巡後には買戻しが優勢となった。FRB高官が今後の利下げについて慎重な姿勢を示したことが相場を下支えしたほか、米10年債利回りが3.79%まで上昇したことでドル買いが優勢となり、23時台には144.34円まで値を上げた。ただ、アジア時間につけた日通し高値144.46円が目先のレジスタンスとして意識されると失速した。グールズビー米シカゴ連銀総裁の発言も相場の重しとなった。
 
24日(火)は、東京市場オープンから方向感が定まらず上下をした。中国人民銀行総裁が「預金準備率と政策金利を0.50%引き下げる」と発言したことをきっかけに、人民元が売られ円もつられて143.37円まで弱含んだ。中国株が軒並み大幅高となり、リスク志向ムードが広がる中で円売りが進行した。植田日銀総裁の「追加利上げを急がない」といった発言も円売りを後押しした。ロンドン序盤で144円台半ばのドル売り圧力を確認すると143.78円まで下押したが143円台の買い圧力も根強く144.20円まで下げ渋った。もっとも、9月米消費者信頼感指数やリッチモンド連銀製造業指数が予想を下回る結果となると、米10年債利回りの低下とともにドル売りが先行した。引けまでには143.07円まで下押し、日通し安値を付けた。
 
25日(水)は、東京仲値にかけて本邦実需によるドル買いが散見され11時台には143.49円まで上値を伸ばした。ただクロス円が伸び悩みぎみとなった。中国・香港株が上げ幅を縮小し、マイナスに沈んだ日経平均株価の動きも重しとなり、一時143.17円まで押し下げられた。ただ、中国の景気支援策を受けて連日上海総合指数が大幅高になり、投資家のリスク選好ムードが高まっていることも支えに143.90円まで上値を伸ばした。23時発表の米新築住宅販売件数(予想:70.0万件、結果:71.6万件)が予想を上回る結果であることがわかると、米10年債利回りの上昇とともに全般ドル買いが優勢となった。月末・四半期末が近づく中で、ロンドンフィキシングに絡んだドル買いのフローが観測された事もあり一時144.84円まで上値を伸ばし、日通し高値を付けた。
 
26日(木)は、昨日の海外市場で大きく上昇した反動が出たほか、時間外の米10年債利回り小幅ながら低下して始まったことを受けて、144.57円まで下押した。ただ、日経平均株価が堅調に推移している事で、リスク・オンの円売りが継続し14時前には145.03円まで上値を伸ばした。買い一巡後は売り戻しが優勢となり、144.61円まで下押すも底値は固く、アジア株がおおむね堅調に推移したことで投資家のリスク志向が改善し、145.17円まで上値を更新した。米10年債利回りが3.75%台へと低下した局面で円買い・ドル売りが強まると一時144.10円まで下押した。ただ、米新規失業保険申請件数や米耐久財受注額などが予想を上回る結果であることがわかると、米10年債利回りが3.82%台まで上昇しドルの買戻しが優勢となった。145.21円まで上値を伸ばしたが、27日に自民党総裁選挙投開票を前に様子見ムードも強く買いの勢いは続かず、様子見ムードとなった。
 
ユーロドル
23日(月)は、1.1160ドル前後で膠着状態が続いている。ただ欧州勢が参入後にはユーロ売りが先行した。欧州圏の製造業・サービス業PMI速報値が市場予想に対して軒並み下回る結果となったことを受けて一時1.1097ドルまで下げ幅を拡大し、日通し安値を更新した。欧州各国の製造業・サービス業PMI速報値が軒並み予想を下回る結果となったことで、欧州景気の不透明感が意識されユーロ売りが進行し17時過ぎには1.1083ドルと日通し安値をつけた。市場では「ECBが追加の利下げを前向きに検討する可能性が高まった」との思惑が高まった。もっともニューヨーク市場に入ると買い戻しが優勢となり1.1143ドルまで下げ幅を縮めた。
 
24日(火)は、上値が重たい状態が続くものの下値も底堅く推移した。豪ドルが対ドルで上昇した場面では、ドル売りの流れに連れて1.1119ドルまでじり高となった。ただ一方的な上昇とはならず、15時台には1.1104ドルまで下押した。ただ底値は固く欧州勢が本格参入後には、1.1132ドルまで上昇し日通し高値を付けた。ドル円でドル売り圧力が強まると、徐々に下値を切り上げた。低調な米経済指標が相次いだ事を受けて、23時30分頃には一時1.1163ドルまで上値を伸ばした。ただ、前日の高値1.1170ドルが目先のレジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。もっとも下押しも限られており、その後はじり高となり引けまでに1.1180ドルまで上値を伸ばし日通し高値を更新した。
 
25日(水)は、前日からのドル売りの流れを引き継ぎ、じり高に推移し1.1198ドルまで上値を伸ばした。その後は年初来高値を更新したポンドドルや豪ドルドルに調整のドル買戻しが入り、ユーロドルも上値が重たくなった。ただ下押しも限定的で1.1185ドルまでにとどまった。独長期金利の上昇に伴うユーロ買いが先行すると、22時台に一時1.1213ドルの日通し高値を付けた。ただ、1.12ドル台では戻りを狙った売り圧力が強く、米10年債利回りの上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが強まると、一転して下落し26時過ぎには1.1121ドルと日通し安値を更新した。月末のロンドンフィキシングに絡んだドル買いも相場の重しとなった。
 
26日(木)は、米10年債利回りが低下したことを受けて下値は固い動きとなったが、積極的に上値を試すような動きにはならず、ユーロ円の上昇に連れてじり高に推移した。16時台には1.1158ドルまで上値を伸ばした。最も買いが一巡後は米10年債利回りが3.78%まで上昇したことをきっかけに、ドル買いが優勢となり1.1125ドルまで下げ幅を拡大した。米新規失業保険申請件数や8月米耐久財受注額などが予想よりも強い内容だったことがわかると、米10年債利回りの上昇とともに全般でドル買いが先行した。23時過ぎには1.1125ドルまで下押したが、前日安値の1.1122ドルが目先のサポートとして意識されたことで下げ渋った。月末のロンドンフィキシングに絡んだドル売りフローも観測され1.1189ドルまで買い戻しが進んだ。
 
ユーロ円
23日(月)は、日経平均株価の大幅な上昇を手掛かりに全般で円売りが先行した。一時161.18円まで上値を伸ばし先週末高値をわずかに更新したものの、その後は上値が重たくなり伸び悩んだ。徐々に上値を切り下げ、欧州勢参入後は欧州PMIの結果が予想を下回ったことによるユーロ売りの流れに沿って、159.04円まで下値を広げた。その後はドル円の買戻しにつられる形で、160.52円までユーロ円の買戻しが進むも上値は重たく再び下押し、159.45円前後でもみ合った。
 
24日(火)は、香港・中国株高を背景とした人民元円や豪ドル円が上げ幅を拡大し、リスク・オンの動きにユーロ円も追随した。植田日銀総裁の発言で円安基調が強まったことも支えに、円売りが加速し160.92円まで上昇した。その後はドル円と同じく買い一服となったが、ユーロドルが上昇した影響もあり、下押しは限られた。
 
25日(水)は、東京仲値にかけての本邦実需による円売りが支えとなり買いが先行した。また中国金融緩和策を好感した地合いのもと、日経平均株価が底堅く推移したこともあり、160.61円まで上値を伸ばした。その後はリスク先行ムードの後退とともに、160.25円まで下押すも、ドル円の上昇につられる形で161.05円まで上値を伸ばした。21時台には、161.67円まで上値を伸ばしたものの、ユーロドルの失速につれた売りがでると、徐々に上値を切り下げ160.83円まで押し戻された。
 
26日(木)は、東京オープン直後に160.84円まで下押したものの底値は固く、日経平均株価の上昇をにらんだ円売りの流れに沿って、12時台には161.54円まで上値を伸ばした。ただ、前日高値の161.66円が目先のレジスタンスとして意識されると、上値が重たくなり161.13円まで下押した。その後は株高を背景としたリスク・オンの円売りが支えとなり161.85円まで上値を伸ばし、日通し高値を付けた。
 
923 900分 ~927 600分までのレンジ幅
米ドル円  USD/JPY  142.88~145.21(円)
ユーロドル EUR/USD   1.1083~1.1214(ドル)
ユーロ円  EUR/JPY 159.04~161.90(円)
ポンドドル GBP/USD   1.3248~1.3434(ドル)
ポンド円  GBP/JPY  190.13~194.35(円)
 
株式
23日(月)は、NYダウ平均が小幅ながらも3日続伸した。米大幅利下げが景気を支えるとの期待が引き続き相場の支えとなった。ただ、連日で史上最高値を更新し、過熱感や高値警戒感も意識されやすく、上値は重たかった。NYダウ平均は一時マイナスに転じる場面もあった。
 
24日(火)は、NYダウ工業平均は4日続伸し史上最高値を更新した。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500も過去最高値を更新した。米大幅利下げが景気を下支えするとの期待が引き続き買いを促した。ただ、連日史上最高値を更新していることもあり、やや上値は重たかった。
 
25日(水)は、NYダウ平均では連日史上最高値を更新していたこともあり、利益確定目的の売りが優勢となった。多くの機関投資家が運用指標としているS&P500でも、売りが出やすかった。26日にはパウエルFRB議長をはじめとした複数のFRB高官の発言が予定されている事で、内容を見極めたいという雰囲気もあり、主力株の一部で売りが出やすかった。
 
26日(木)は、中国の景気浮揚策の発表が相次ぎ、一連の景気刺激策が中国経済を支えるとの見方が広がった。中国経済の恩恵を受けやすいキャタピラーやダウ、スリーエムなどに買いが入りやすく相場を押し上げた。米経済指標の堅調な結果も、米経済の底堅さを示したことで投資家心理の改善につながった。
 
 

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