【今週のハイライト】日銀の先安観が意識されたことで、全般で円売りが優勢となった

為替(2025年11月28日  6時00分)
米ドル円          USD/JPY   156.31(円)
ユーロ米ドル   EUR/USD  1.1595(米ドル)
ユーロ円          EUR/JPY   181.24(円)
ポンド円          GBP/JPY   206.91(円)
ポンド米ドル   GBP/USD  1.3236(米ドル)

米ドル円
24日(月)は、前週末安値の156.20円が目先のサポートとして意識されると早朝から買戻しが優勢となり、156.80円まで上昇した。ただ、本邦休場という事もあり買いの勢いは続かず、14時過ぎには156.49円まで売り戻された。もっとも海外勢を中心に円の先安観を見込んだ円売りが優勢となり、17時までには156.89円まで上昇した。全般で円売り地合いが強く、24時過ぎには157.18円まで上値を伸ばした。ただ、米利下げ観測の高まりや、前週末高値の157.54円が目先のレジスタンスとして意識されると、日本政府・日銀による為替介入への警戒感も高まり、上値が重たくなった。

25日(火)は、東京仲値にかけて156.27円まで上昇したものの、輸出の売りが持ち込まれたこともあり失速し156.55円まで売られた。ただその後は156.85円まで買い戻されるなど、下値も限られた。ただ欧州勢参入後には、対欧州通貨でドル売りが強まった影響もあり、156.52円まで売り戻された。FRB高官が利下げの必要性について発言したことや、米ADP民間雇用者数が週平均で1万3,500人減少したことが相場の重しとなり、売りが優勢となった。米10年債利回りが低下したことも相場の重しとなり、155.80円まで下値を拡大した。もっとも米10年債利回りは4.00%手前で下げ渋ったことで、ドル円も下げ渋った。

26日(水)は、本邦実需からの買いが観測されたほか、日経平均株価が大幅に上昇した事を支えに円売り・ドル買いが優勢となり156.37円まで上値を伸ばした。ただ日銀の12月利上げの可能性に関する一部報道が伝わると円の買戻しが優勢となり、155.65円まで売られ日通し安値を更新した。ただ、その後はショートカバーが入り17時までには156.46円まで上値を伸ばした。前週分の米新規失業保険申請件数が市場予想よりも弱い内容だったことが伝わると全般でドル買いが先行し156.73円まで上値を更新した。ただ、前日高値の156.98円が目先のレジスタンスとして意識されると伸び悩み156.28円まで下押したが、下値は限定的で156.45円前後でもみ合った。

27日(木)は、野口日銀審議委員の講演を控えて持ち高調整の売りが先行した。野口審議委員からは「目標達成が見通し期間後半なら金利調整も適切なペースで」との発言が伝わると、一時155.72円まで下押した。その一方で野口審議委員は利上げに慎重な姿勢を示したこともあり買い戻され、17時までには156.30円まで買い戻された。米国市場が感謝祭で休場となったため市場参加者が少なく、商いは低調だった。なお、28日は感謝祭の翌日で米債権・株式・商品市場は短縮取引となっている。28日も市場の流動性は低下すると「懸念されている。

ユーロドル
24日(月)は、対円でドル買いが進んだ影響を受けて1.1507ドルまでドル買いが進んだ。もっとも、節目の1.15ドルが目先のサポートとして意識されたことで買戻しが優勢となり、14時過ぎには1.1528ドルまで上昇した。もっとも時間外の米10年債利回りが上昇したことで1.1516ドルまでドルが買い戻された。欧州序盤からのユーロ買いドル売り地合いが続き22時前までに上値を1.1550ドルまで伸ばした。もっとも前週末高値がレジスタンスとして意識されたことで伸び悩んだ。その後も売り圧力が強まり、1.1518ドルまで売り戻された。

25日(火)は、午前中はドル円もユーロ円も下落したことから、大きな方向感は出にくく1.1525ドル前後でもみ合う展開が続いた。14時台には1.1511ドルまで低下したが下値は限られた。欧州勢が参入し始めると、ドル売りが強まり1.1530ドルまで買い戻され、午前中高値をわずかに更新した。米10年債利回りの低下に伴いユーロ買い・ドル売りが優勢となった。またユーロクロスが上昇につれた買いが入ったことで、24時過ぎには1.1584ドルまで上昇した。買い一巡後は伸び悩んだものの、ミランFRB理事が利下げの必要性について発言したことで、再びドル売りが優勢となり、1.1586ドルまで上値を更新した。

26日(水)は、日銀利上げを示唆する一部報道でドル円が下落したことや、NZドル米ドルが上昇したことにつれて、ドル売りが優勢となると1.1596ドルまで強含んだ。ただ、節目の1.1600ドルが心理的抵抗となり伸び悩むと、徐々に売り戻された。良好な米新規失業保険申請件数をきっかけにユーロ売り・ドル買いが先行すると一時1.1547ドルまで日通し安値を付けた。もっともその後は米シカゴPMIが市場予想よりも下ぶれたことでドルの売り戻しが優勢となり1.1600ドルまで上値を更新した。

27日(木)は、ドル円の下落に伴いドル売りが先行し1.1613ドルまで上昇したが、手掛かり材料に乏しい中で上値は限られた。その後は売り戻しが優勢となり、17時までには1.1585ドルまで売りが優勢となった。欧州時間には一時1.1576ドルまで低下したものの、前日安値の1.1547ドルが目先のサポートとして意識されると買戻しが優勢となり、1.1601ドルまで上昇した。もっともその後は大きな方向感は出ず小幅にもみ合った。

ユーロ円
24日(月)は、ドル円が上昇していることにつれて180.45円までじり高に推移した。ただ、ドル円の上昇とユーロドルの上昇の影響を同時に受けたため、180.40円前後で揉みあった。その後は円先安観を意識した売りからじり高に推移し、欧州勢参入後には180.64円まで上昇した。

25日(火)は、仲値にかけては買いが強まったもののドル円の失速を確認すると180.47円まで下押した。その後は180.55円前後でもみ合う展開が続いたが、上値は重たく欧州勢参入後には180.39円まで下値を拡大した。

26日(水)は、ドル円の上昇につれて180.95円まで上昇したものの、日銀に関する報道が伝わったことで、円の買戻しが優勢となり180.34円まで急落した。もっとも午後にはショートカバーが優勢となり、ドル円の上昇やユーロドルの上昇を支えに181.26円まで上昇した。

27日(木)は、ドル円同様に野口審議委員の発言を受けて円買いが先行し、180.75円まで下値を拡大した。もっともその後は野口審議委員の利上げに慎重な姿勢を確認すると181.33円まで買い戻された。もっとも上値は重たく、欧州勢参入後には181円前後でのもみ合いに終始した。

11月24日 9時00分 ~11月28日 6時00分までのレンジ幅
米ドル円 USD/JPY 155.65~157.18(円)
ユーロドル EUR/USD   1.1501~1.1613(ドル)
ユーロ円 EUR/JPY 180.09~181.45(円)
ポンドドル GBP/USD   1.3080~1.3268(ドル)
ポンド円 GBP/JPY 205.00~207.22(円)

株式
24日(月)は、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁が12月利下げの可能性について示唆したほか、ウォラーFRB理事も12月利下げを支持する姿勢を示したことで、米利下げ観測が高まりハイテク株を中心に買いが集まった。

25日(火)は、9月米小売売上高や米卸売物価指数、米消費者信頼感指数が市場予想を下回り、米利下げ観測が高まると全般で株買いが優勢となった。FRBの次期議長候補として「ハセット国家経済会議委員長が有力」との一部報道も相場を下支えした。

26日(水)は、FRBの追加利下げ観測の高まりが引き続き相場を下支えした。ただ、27日は米国が感謝祭の祝日で、28日も短縮取引となる事から、積極的に買い進める展開とはならなかった。

27日(木)は、感謝祭で休場。

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