【米国】米10年債利回りの低下やADP雇用統計の下振れを背景に、ドル売りが先行した
為替(2025年3月6日 6時00分)
米ドル円 USD/JPY 148.87(円)
ユーロ米ドル EUR/USD 1.0791 (米ドル)
ユーロ円 EUR/JPY 160.67 (円)
ポンド円 GBP/JPY 192.05 (円)
ポンド米ドル GBP/USD 1.2899 (米ドル)
3月5日のニューヨーク外国為替市場は、米10年債利回りが4.18%台まで低下したことや、独10年債利回りが上昇したことを背景に、全般でドル売り・ユーロ買いが優勢となった。またADP雇用統計(予想:14.0万人、結果:7.7万人)が市場予想を下回ったことでドル売りは優勢となった。ISM非製造業景況指数(予想:52.6、結果:53.5)は市場予想を上回った事で、ドル売りの勢いは弱まった
米ドル円は、米10年債利回りが低下したほか「米国はウクライナとの情報共有を打ち切った」との一部報道を受けて149.15円まで下押した。ただ、ウクライナは「米国との情報共有は依然続いている」と報道を否定したことや、ウォルツ米大統領補佐官も「トランプ大統領は交渉が確定すればウクライナ支援の一時停止を解除する」としたことで149.74円まで買い戻された。ただ、ADP雇用統計が予想を下振れる結果となると、全般でドル売りが優勢となり148.39円まで下げ幅を拡大した。ただISM非製造業景況指数が予想を上回ると下げ渋った。
ユーロドルは、米10年債利回りが低下し、独10年債利回りが上昇したことで、ユーロ買い・ドル売りが優勢となった。米ADP雇用統計が市場予想を下回ったことで、全般でドル売りが優勢となったことも相場を下支えした。1.0768ドルまで上値を伸ばした後はやや伸び悩んだものの売り戻しは限定的だった。
株式
NYダウ平均 USD 42,996.03 +480.18(+1.12%)
NASDAQ総合 USD 18,547.90 +264.83(+1.44%)
S&P500 USD 5,840.12 +62.37(+1.07%)
株式市場は、米政府が対カナダ・メキシコ関税をめぐり自動車への適用を1ヶ月免除すると発表したことを受けて、貿易摩擦の激化への懸念がやや後退した。主力株に買戻しが集まった。NYダウ平均は一時610ドル超上昇した。またハイテク株比率が高いナスダックは前日に大幅に下落した電気自動車のテスラが買い戻された。
債券・商品先物
米国債10年 4.280% (+0.078)
NY原油(WTI) USD/バレル 66.20 (-2.56%)
NY金(COMEX) USD/オンス 2,931.6 (+0.09%)
【日本】独財政拡張への見方が強まったことで、全般でユーロ買いが優勢となった
為替(17時)
3月5日の東京外国為替市場は、内田日銀副総裁が講演で「基調的な物価上昇率はまだ2%に至っていない」「2%の物価目標は達成できると予想」と発言したことで日経平均株価は一時マイナス圏に沈んだ。トランプ大統領によるウクライナ支援への期待が高まる中で、独財政拡張になるとの見方から、独10年債利回りは急騰し全般でユーロ買いが優勢となった。
米ドル円は、時間外の米株先物の上昇も支えに強含みし150.18円まで上値を伸ばした。内田日銀副総裁の講演内容が伝わり、条件付きながら追加利上げについて言及し、本邦長期金利が上昇した事が重しとなった。なおトランプ大統領や内田日銀副総裁の発言も伝わったが、相場への影響は限定的だった。その後は対ユーロでのドル売りに押される形で149.41円まで下押した。
ユーロドルは、早朝に1.0636ドルまで上値を伸ばしたが、買い一服後はドル円の上昇を眺めながら、じり安に推移した。12時過ぎには1.0601ドルまで下押したが、米10年債利回りが4.23%台まで低下したことなどから、ドル売り・ユーロ買いが優勢となった。またトランプ大統領のウクライナ情勢を巡る発言が好感されたほか、独財政が拡張的になるとの見方から独10年債利回りが上昇し、ユーロ買いを支えた。17時までに1.0676ドルまで上値を伸ばした。
ユーロ円は、早朝に159.50円まで上昇したものの、上昇して始まった日経平均株価がマイナス圏に沈んだことも重しとなり158.72円まで売り押された。その後は159.10円を挟んでレンジ内でのもみ合いとなったが、欧州時間になると全般でユーロ高となった流れに沿って159.63円まで強含みした。
債券
日本国債10年 1.448% (+0.028)
【市場主要イベント】
6日 ユーロ 欧州中央銀行(ECB)政策金利
ユーロ ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、定例記者会見
7日 ユーロ 10-12月期四半期域内総生産
米 非農業部門雇用者数変化
加 新規雇用者数