ウクライナ問題の懸念から長期債低下し米ドル安

2022/01/24 7:40 JST投稿

 

【今週の見通し】(1月24日-1月28日)

先週は米国の金融政策正常化に向けた動きが意識され、さらにウクライナ問題で緊張が高まり、リスク回避のリスクオフの流れが出て米ドルが上がりづらい状況となっている。その状況を受け、今週25、26日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)の内容で利上げに関して確定するか否かに注目が高まっている。もし、FOMCで金融政策に積極的な姿勢が見えない場合は、米ドル・円がさらに下落する可能性がある。また、国内でのコロナウイルスの感染再拡大や日米金利差、企業の決算発表も注視したい。さらに、緊張が高まるウクライナ問題では、ロシアの動きが活発化しており、その点にも注目が高まる。

予想レートは米ドル・円が112円後半から115円前半。ユーロ・米ドルが1.12ドル後半から1.14ドル前半。

 

【米国】

  • 為替(1月24日6時00分)

米ドル円(USDJPY) 113.65-113.69 (円)
ユーロ円(EURJPY) 128.93-128.99 (円)
ユーロ米ドル(EURUSD) 1.1343-1.1345 (米ドル)
ポンド円(GBPJPY) 154.03-154.12 (円)
ポンド米ドル(GBPUSD) 1.3553-1.3556 (米ドル)

1月21日のニューヨーク外国為替市場の主なトピックスは、ウクライナ問題への懸念から安全資産の国債が買われ長期金利が低下した。来週、開催されるFOMCを前に様子見の姿勢も強まった。

米ドル・円(USDJPY)は、114円後半から半ばに値を下げた。朝方に長期債利回りが1.711%に低下し徐々に値を下げ株安に進んだ影響から、徐々に米ドルが安くなり、この日の安値113.61円まで売られた。その後はFOMCを前に様子見の姿勢が強まり横ばいで推移し、終値は113.68円だった。なお、長期金利は下げ幅を縮め、一時1.774%まで上昇した。

ユーロ・米ドル(EURUSD)は、1.13ドル前半から半ばに値を上げた。米長期金利の低下からユーロが買われ、この日の高値1.1360ドルに上昇した。その後は、FOMCやウクライナ問題の懸念が意識され売りに転じたが、様子見の姿勢が強まり1.1344ドルで終えた。

ユーロ・円(EURJPY)は、ウクライナ問題の懸念から積極的な取引は控えられ129円付近の横ばいで推移し、終値は128.98円となった。
 

  • 株式

NYダウ平均 USD 34,265.37 -450.02 (-1.29%)
NASDAQ総合  USD 13,768.922 -385.098 (-2.72%)
S&P500     USD 4,397.94 -84.79(-1.89%)

1月21日の米株式市場のダウ工業株30種平均は、6日連続で前日の終値を下回った。前日の夕方に決算を発表した動画配信のネットフリックスが第1四半期契約者数の低い見通しを発表し、同業種のディスカバリーやディズニーなどが売られ、主力ハイテク株にも売りが広がった。米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めへの警戒感から航空機のボーイングや化学のダウなど景気敏感株が安くなっている。15時前に来週のFOMCを控え利益を確定させる動きが強まり、さらに値を下げた。
 

  • 債券

米国債10年 1.762(-2.54%)
 

  • 商品

NY原油(WTI) 1バレル=USD 85.14 -0.41(-0.48%)(3月渡し)
NY金(COMEX) 1オンス=USD 1,831.8 -10.8(-0.59%)(2月渡し)

 

【日本】日米株安やウクライナ問題からリスクオフの円買いに

  • 為替(17時)

1月21日の東京外国為替市場は、日米共に株価指数が低下し、ウクライナ情勢への懸念からリスク回避のリスクオフの動きが強まり、全般的に円買いが優勢となった。米長期金利先物の低下も影響している。

米ドル・円は113円後半で取引された。株安やウクライナ問題から円買いが強まり、昼過ぎにこの日の安値113.63円まで売られた。その後は、日経平均が持ち直すと徐々に値を上げ、17時時点では113.86円となった。

ユーロ・米ドルは1.13ドル前半での取引となった。10時頃にこの日の安値1.1301ドルまで売られたが、安値圏に沈んだ反動から徐々に買戻しが入り値を上げた。堅調に値を上げたがウクライナ問題の懸念から値が上がりづらく、17時時点では1.1328ドルだった。

ユーロ・円は128円後半から129円前半に値を上げた。ユーロ・米ドルの動きにつられ、10時ごろにこの日の安値128.56円まで売られたが、その後は安値が意識され値を戻した。堅調に値を上げ、17時時点では128.98円となった。
 

  • 日本株式

日経平均株価 27,522.26円 -250.67(-0.90%)
安値27,129.61円  -  高値 27,586.42円
東証出来高 1,235,00万株
東証売買代金 2兆9873.93億円
 
1月21日の日経平均株価は前日の終値を下回った。米国の株安やインフレによる金融政策正常化への警戒感の高まりからハイテク株や株価収益率(※)の高い成長株が売られた。また、外国為替市場で円高が進み、トヨタや自動車部品のジェイテクトなどの輸出関連株や、半導体製造装置を手掛ける東京エレクトロンなども売られ、終日マイナス圏での取引となった。

(※)株価収益率(PER)とは、企業の成長性を分析する指標の一つ。株価が1株ごとの当期純利益の何倍まで買われているかを表しており、値が大きいほど割安となる。今のような長期金利の指標とされる10年債の金利が上昇している時は、PERの値より金利の方が大きくなり割安感が減るため、ハイテク株を中心としたPERの高い株の魅力が減少し売られやすい。
 

  • 短期金融市場

無担保コール翌日物金利 -0.020%
 

  • 債券

国債先物・22年3月限 150.97 (+0.13)
10年長期金利 0.130%(-0.010)

 

【マーケットアナリティクス】豪ドル・円、最も重要な下値支持線を下回る(1月21日 14:40 CET)

米ドル以外の通貨と円の組み合わせのクロス円やオーストラリアドル(豪ドル)・円では、前日から投資家心理が著しく悪化している。

この日は、マクロのニュースはなかったが、トレーダーは米国利回りの上昇と、昨日の大規模な弱気(ベア)反転後に消極的な姿勢が強まっている株式市場に焦点を当てた。本稿執筆時点で、豪ドル・円は0.5%以上下落し、82.00円を下回る1カ月ぶりの安値となっている。

50日移動平均線と200日移動平均線(※)共に下回っており、直近で弱気(ベア)に転じ、下値支持線(サポート)は81.50円付近の前回高値になる可能性があり、午後にこれを試す可能性がある。

一方、日中の上値抵抗線(レジスタンス)は、82.15円付近の50日平均線(紫のライン)となり、重要な売り場は、82.50円付近の200日平均線(緑のライン)になることは間違いないだろう。

米国のオプション満期は市場の大きな動きにつながるため、価格変動(ボラティリティ)は上昇することが予想される。

(※)移動平均線:一定期間(この場合は50日間と200日間)の終値の平均値の推移を折れ線グラフで示したもの。相場が上昇傾向にあるのか、下落傾向にあるのかといったトレンド(流れ)を把握しやすい。
 

オーストラリアドル・円デイリーチャート 1月21日(CET・中央ヨーロッパ時間)

引用元: “AUDJPY falls below essential support” (2022年1月21日, AXIORY Global Market News)

追記:1月21日のオーストラリアドル・円の終値は81.586 円。1月24日、日本時間6:00は、81.52-81.57円で取引されている

アナリストプロフィール

Noriko Sasaki

投資運用歴25年。日系銀行、シティバンク、日興シティ信託銀行の勤務や、ITベンチャー企業でのIR・広報などを経て、金融に強みを持つライターとして活躍。
これまでのキャリアで培った金融の知識と、企業経営の視点、ニュースを複合的に織り交ぜたマーケット分析を得意とする。


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