欧州景気悪化懸念からユーロ売り加速

2022/03/08 7:50 JST投稿


 

【米国】

  • 為替(3月8日6時00分)

米ドル円(USDJPY) 115.27-115.27 (円)
ユーロ円(EURJPY) 125.30-125.31 (円)
ユーロ米ドル(EURUSD) 1.0870-1.0870 (米ドル)
ポンド円(GBPJPY) 151.11-151.12 (円)
ポンド米ドル(GBPUSD) 1.3109-1.3110 (米ドル)

3月7日のニューヨーク外国為替市場の主なトピックスは、ウクライナ紛争長期化への懸念からリスク回避の姿勢が強まった。ロシアとウクライナの第3回停戦協議で具体的な成果が出なかった影響も大きかった。この状況から、特にユーロ・米ドルで安全資産の米ドル買いが強まっている。ロシアの原油購入を禁止する経済制裁が発動される検討に入っていることも懸念され、原油価格(WTI)が一時130.50ドルと14年ぶりの高値を付け、高騰した。2020年時点でロシアの原油生産は世界第3位で、ロシアの輸出トップ(輸出全体のシェアの21%)を占めている。

ユーロ・米ドル(EURUSD)は、1.09ドル前半から1.08ドル半ばに値を下げた。ウクライナと緊密な欧州での地政学リスクの高まりからリスクオフの姿勢が強まった。インフレと景気悪化が同時に起こるスタグフレーションへの懸念から、2020年5月以来の安値1.0806ドルを付けた。その後は停戦協議への期待から持ち直したが、再び売りが優勢となり1.0854ドルで終えた。

ユーロ・円(EURJPY)は、125円後半から前半に値を下げた。ユーロ・米ドルと同じ流れをたどり、欧州時間に2020年11月の安値124.40円まで売られたが持ち直し、この日の高値125.95円まで値を戻した。その後は再び懸念が高まり、売りが強まり、終値は125.16円となった。

米ドル・円(USDJPY)は、115円前半での取引。朝方に長期金利が1.798%に上昇すると、米ドル買いが強まり、この日の高値115.47円まで買われた。しかし、株安の懸念から徐々に値を下げ終値は115.32円だった。
 

  • 株式

NYダウ平均 USD 32,817.38 -797.42 (-2.37%)
NASDAQ総合  USD 12,830.962 -482.476 (-3.62%)
S&P500     USD  4,201.09 -127.78(-2.95%)

3月7日の米株式市場のダウ工業株30種平均は、前日の終値を3日連続で下回った。今後、ロシアへの経済制裁がさらに増大すると、さらなるエネルギー高が見込まれることから景気後退への懸念が高まりリスク回避の姿勢が強まった。開始から徐々に値を下げ、終了間際に800ドル超まで前日の終値から値を下げ、今年最大の下げ幅を記録した。1月4日の過去最高値(36,799.65ドル)から下落率が10.8%となり、長期間の値上がりから下落に転じた状況(調整局面)の目安10%を上回ってる。
 

  • 債券

米国債10年 1.773(+0.040%)
 

  • 商品

NY原油(WTI) 1バレル=USD 119.40 +3.72(+3.22%)(4月渡し)
NY金(COMEX) 1オンス=USD 1,995.9 +29.30(+1.49%)(4月渡し)

 

【日本】依然、リスクオフの姿勢強く上値は重い

  • 為替(17時)

3月7日の東京外国為替市場は、ウクライナ紛争の長期化が懸念され、地政学リスクが高まりリスク回避の状況が続いている。

米ドル・円は114円後半で取引された。投資家心理が冷え込み、値を上げづらい状況が続いていた。しかし、米長期金利が1.73%台に上昇すると、この日の高値115.13円を付けた。17時時点で115.01円だった。

ユーロ・円は、125円後半から124円半ばに値を落とした。リスク回避のリスクオフの姿勢が根強く、朝方から徐々に値を下げ、この日の安値124.40円まで売られた。その後、小幅に値を上げ17時時点では125.04円まで買い戻された。

ユーロ・米ドルは1.09ドル半ばから1.08ドル前半に値を下げた。ウクライナ情勢の懸念から値を下げ、この日の高値1.0961ドルから安値1.0822ドルまで値を下げた。その後、小幅に持ち直し、17時時点では1.0871ドルとなった。
 

  • 日本株式

日経平均株価 25,221.41円 -764.06(-2.94%)
安値25,006.26円  -  高値 25,640.41円
東証出来高 1,750,53万株
東証売買代金 3兆7199.57億円
 
3月7日の日経平均株価は前日の連日で終値を下回った。ウクライナ情勢の長期化を懸念したリスク回避の姿勢が終日続き、2月24日の昨年来安値(25,970.82円)を大きく下回った。原油や商品が値上がりし、インフレ時の景気悪化となるスタグフレーションが示唆されている。この影響により、一時、心理的な節目の25,000円近くまで下回り、前日の終値から1000円近くまで値を下げる場面もあった。東証1部銘柄の88%の銘柄で下落した。
 

  • 短期金融市場

無担保コール翌日物金利 -0.007%
 

  • 債券

国債先物・22年3月限 151.09(+0.20)
10年長期金利 0.140%(-0.010) 

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アナリストプロフィール

Noriko Sasaki

投資運用歴25年。日系銀行、シティバンク、日興シティ信託銀行の勤務や、ITベンチャー企業でのIR・広報などを経て、金融に強みを持つライターとして活躍。
これまでのキャリアで培った金融の知識と、企業経営の視点、ニュースを複合的に織り交ぜたマーケット分析を得意とする。


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