2022/03/17 7:57 JST投稿
明日、3月18日(金)は都合によりマーケットニュースの配信をお休みいたします。土日を挟み、3月21日(月・祝日)に再開いたします。ご不便をおかけしますが、何卒ご理解くださいますようお願い申し上げます。
【米国】
米ドル円(USDJPY) 118.70-118.76 (円)
ユーロ円(EURJPY) 131.01-131.08 (円)
ユーロ米ドル(EURUSD) 1.1033-1.1037 (米ドル)
ポンド円(GBPJPY) 156.05-156.20 (円)
ポンド米ドル(GBPUSD) 1.3147-1.3153 (米ドル)
3月16日のニューヨーク外国為替市場の主なトピックスは、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が公表され、予想通り2018年12月以来、約3年3カ月ぶりに政策金利を25bp(0.25%)の引上げを示した。声明で、好調な雇用環境が示されるものの、ウクライナ情勢の悪化により経済活動が短期的に圧迫される可能性があると言及した。また、セントルイス連銀のブラード総裁が50bp(0.50%)の利上げを主張したことが明らかになっている。
同時に、FOMC参加者による経済・金利見通しを公表した。年内の利上げ回数は、今回を含め7回と12月会合の3回から大幅に増加し、2023年は3.5回を見込んでいる。利上げは、合計で2023年まで10.5回行われる見込みだ。これに基づく金利予測分布図(ドット・プロット)では、予想通り中央値で2022年末の金利を約1.9%と予測している。FOMCの結果を受け、米長期金利が2019年5月30日以来、約2年10ヵ月ぶりの高水準2.24%に上昇した。
なお、パウエルFRB議長は、FOMC後の記者会見で「行動加速が適切となれば行動するだろう」、「バランスシート縮小政策の発表は早ければ5月になるだろう」と金融政策正常化に向け積極的なタカ派的な発言を述べた。
また、2月の米小売売上高 (前月比、結果:0.3%、予想:0.4%、前回:3.8%)は、大幅に増加した前月から伸びが鈍化した。物価上昇の中でエネルギー価格が高騰し、ガソリンは5.3%増となり、消費者が支出を抑制していることが示唆されたが、影響は軽微だった。
なお、ウクライナ情勢では、ウクライナのゼレンスキー大統領がビデオ演説で、ロシアとの停戦協議について「交渉に現実味が出てきた」と述べた。和平交渉の前進がうかがえたことも、投資家心理を上向かせた。
米ドル・円(USDJPY)は、118円前半から後半に値を上げた。FOMCで予想通り利上げが示されると米ドル買いが優勢となった。長期金利が上昇したこともプラスとなり、2016年2月以来の高値119.12円まで米ドルが買われた。その後は、118円後半に値を下げ終値は118.73円だった。
ユーロ・米ドル(EURUSD)は、1.10ドル前半中心の値動きとなった。米ドル・円の動きにつられ米ドル買いが優勢となると、この日の安値1.0949ドルまでユーロが売られた。その後は、ウクライナ情勢で融和的な姿勢が示されると投資家心理が上向き、この日の高値1.1047ドルに値を上げた。その後は、小幅に値を下げ、終値は1.1035ドルとなった。
ユーロ・円(EURJPY)は、130円前半から131円前半に値を下げた。株価の上昇やウクライナ情勢に前向きな情報がもたらされると、2月18日以来の高値131.10円に値を上げた。その後は、小幅に沈み、終値は131.02円だった。
NYダウ平均 USD 34,063.10 +518.10 (+1.54%)
NASDAQ総合 USD 13,436.553 +487.932 (+3.76%)
S&P500 USD 4,357.86 +95.41(+2.23%)
3月15日の米株式市場のダウ工業株30種平均は、前日の終値を3日連続で上回った。ウクライナ情勢が融和的な方向に向いているとの見方が強まり、幅広い銘柄が買われた。10時過ぎに500ドル超、前日の終値を上回った。その後は、FOMC後の公表待ちとなり横ばいで推移し、公表後に予想通り利上げが公表されることが判明すると、前日の終値を下回る場面もあった。その後は、パスエル議長の会見で強いアメリカの経済状況が示されると、3指数揃って上げた。
米国債10年 2.196(+0.047%)
NY原油(WTI) 1バレル=USD 95.04 -1.40(-1.45%)(4月渡し)
NY金(COMEX) 1オンス=USD 1,909.2 -20.50(-1.06%)(4月渡し)
【日本】FOMC前の様子見の姿勢強まる
3月16日の東京外国為替市場は、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表を控え様子見の姿勢が強まり、大きな値動きは出にくい一日だった。また、米長期金利先物が2019年5月以来の高い水準の2.19%台になったことも支えとなった。
米ドル・円は118円前半で取引された。FOMCの公表を控え、小幅な動きにとどまった。朝方は株高を受け上昇したが、その後は小幅に値を下げ、様子見の姿勢から横ばいの状況が強まり、17時時点で118.36円だった。
ユーロ・米ドルは1.09ドル後半で小幅に値を上げた。株高を受け米ドルが売られ、わずかに高値を更新し1.0982ドルまでユーロが買われた。その後は、米長期金利の上昇からドル買いが強まると小幅に値を下げ、17時時点では1.0958ドルだった。
ユーロ・円は、129円後半で取引された。FOMC前の様子見の姿勢が強まり、小幅な動きにとどまり17時時点では129.71円となった。
日経平均株価 25,762.01円 +415.53(+1.64%)
安値25,470.46円 - 高値 25,824.94円
東証出来高 1,339,86万株
東証売買代金 3兆1947.34億円
3月16日の日経平均株価は3日連続で前日の終値を大幅に上回った。ウクライナ情勢長期化への懸念はあるものの、米国市場の上昇や原油先物が大幅に下落した影響を受け、物価上昇への不安が和らいだ。政府がコロナウイルス下での行動規制を終了する見込みが強まり、空輸やサービス業が買われたこともプラスとなった。東証1部の61%の銘柄で値を上げ終えた。
無担保コール翌日物金利 -0.013%
国債先物・22年3月限 150.08(+0.05)
10年長期金利 0.200%(-0.005)
【マーケットアナリティクス】ポンド・米ドルは、1.30のサポートを守る(3月16日)
米ドル円は反発し、1.30の重要なサポートを守ることができ、米国時間中に0.5%近く上昇した。
マクロデータでは、米小売売上高は予想を下回り、2月の月次売上高はわずか0.3%となり、前回の4.9%から低下した。同時に、GDP算出に使用されるコントロールグループ(食品、自動車、建材、ガソリンを除いた調整済みの小売売上高)は、1月の6.7%から-1.2%に悪化した。最後に、自動車以外の計器は、4.4%から0.2%に減速している。
一方、昨日の英労働市場のデータが予想を上回ったことで、ポンドは上昇し、ウクライナとロシアの外交交渉からもたらされた楽観的な見方もプラスに働いた。
本日は、FOMCの決定が迫り、FRBがコロナ危機以来、初めて利上げに踏み切ることが予想されるため、ボラティリティ(価格変動)は上昇するだろう。
以前、述べたように、重要なサポートは現在1.30ドルにあり、この上で取引されている。しかし、短期的な見通しは慎重で強気(ブル)であるように思われる。投資家は最近の下落から利益を得ている可能性があり、その結果、大きく売られ過ぎている状況となっている。
上値では、GBPUSDは、重要な短期、上値抵抗線(レジスタンス)である1.32ドルを越える必要がある。その場合、全体的な投資家心理が著しく改善し、1.33台にレベルに向かって上昇する可能性がある。
よって、それまでは1.32-1.30ドル付近で横ばいの取引となる可能性があるだろう。
ポンド・米ドル、デイリーチャート 3月16日(CET・中央ヨーロッパ時間)
引用元: “GBPUSD Defends 1.30 Support” (2022年3月16日, AXIORY Global Market News)
追記:3月17日、日本時間6:00のポンド・米ドルは1.3147-1.3153ドルで取引されている