米ドル円、日本時間の125円台から123円台に下落

2022/03/29 7:39 JST投稿
 
 

【米国】

  • 為替(3月29日6時00分)

 米ドル円(USDJPY)    123.82-123.92 (円)
 ユーロ円(EURJPY)    135.96-136.13 (円)
 ユーロ米ドル(EURUSD) 1.0984-1.0986 (米ドル)
 ポンド円(GBPJPY)    162.10-162.26 (円)
 ポンド米ドル(GBPUSD) 1.3091-1.3095 (米ドル)
 
3月28日のニューヨーク外国為替市場の主なトピックスは、ロシアとウクライナが3月29日から3月31日にトルコのイスタンブールで対面の停戦交渉を行なう予定となり、投資家心理が上向いた。また、バイデン米大統領が3月26日に訪問先のポーランド、ワルシャワで、「ロシアのプーチン大統領は権力の座にとどまってはならない」と発言。同盟国から苦言を呈され3月27日以降、釈明に追われた。これを受け、3月28日の会見で改めてこの発言を撤回しないと言及。さらに、この会見で失業保険申請件数は歴史的な低水準で、労働市場は堅調と述べている。
 
また、バイデン政権はこの日、2023会計年度(2022年10月-2023年9月)の予算教書を議会に提出した。特筆すべきは、国防関連予算8000億ドル超、うち国防総省向けに7730億ドルの要求を含んだ点だ。富裕層や企業への増税により赤字幅を縮小する。バイデン大統領は米軍を強化により「ウクライナへの経済、人道、安全保障上のニーズに対応する10億ドルの追加支援によって、ロシアのプーチン大統領に強力に対応する」と言及した。
 
さらに、イングランド銀行(英中央銀行)のベイリー総裁がブリュッセルで開かれたイベントで、3月17日の政策発表後初めて公で発言した。ロシアのウクライナ侵攻によってエネルギー価格が急騰している影響から、現在6%を超えているインフレ率が英中銀の目標をさらに上回る可能性が高いと指摘。エネルギー価格は1970年代を超える衝撃で、これを打ち消す手段を英中銀は持っていないと述べた。この発言からポンドが売られ、ポンド・米ドルは1.3160ドル付近から1.3130台に下落。ユーロポンドは0.8350ポンド付近から0.8365ポンドに上昇した。
 
米ドル・円(USDJPY)は、日本時間に日米の金利差が意識され、125.09円と2015年8月以来、約6年7カ月ぶりの高値を付けた。その後、欧州時間になると徐々に値を下げた。さらに、米国時間になると、株価や長期金利の低下の影響を受け123.15円付近まで下落したが、その後小幅に持ち直し123.86円で終えた。
 
ユーロ・米ドル(EURUSD)は、1.09ドル台の狭いレンジで推移した。ロシアとウクライナの停戦に向けた動きから投資家心理が和らぎ、この日の高値1.0999ドルに上昇した。その後、小幅に値を下げ終値は1.0985ドルとなった。
 
ユーロ・円(EURJPY)は、137円半ばから133円後半に値を下げた。欧州時間にロシアとウクライナの停戦に向けた動きから投資家心理が和らぎ2015年8月以来、約6年7カ月ぶりの高値137.53円を付けた。その後は、米ドル・円で米ドル売りが優勢となった影響を受け、徐々に値を下げ終値は135.98円だった。
 

  • 株式

 NYダウ平均  USD 34,955.89 +94.65 (+0.27%)
 NASDAQ総合  USD 14,354.902  +185.602 (+1.30%)
 S&P500      USD  4,575.52  +32.46(+0.71%) 
 
3月28日の米株式市場のダウ工業株30種平均は、前日の終値を3日連続で上回った。バイデン政権が富裕層や企業への増税を予算教書で打ち出し、投資家心理が冷え込み前日の終値を下回った取引が優勢となった。さらに、直近の2週間で1900ドル強上げた反動から利益確定に向けた売りも続いた。その後、長期金利の低下によるハイテク株の購入や原油先物低下による消費関連株の購入がプラスとなり終了直前に値を上げ終えた。
 

  • 債券

 米国債10年 2.465(-0.014%)
 

  • 商品

 NY原油(WTI) 1バレル=USD 105.96 -7.94(-6.97%)(5月渡し)
 NY金(COMEX) 1オンス=USD 1,939.8  -14.4(-0.74%)(4月渡し)
 
 

【日本】日銀指値オペから円安進み 一時124円台に 

  • 為替(17時)

3月28日の東京外国為替市場は、日本銀行が金利上昇の抑制に向け、金融機関から指定した利回りで国債を買い入れる「指し値オペ」を午前と午後に行なった。午前は買い入れがなかったが、午後に645億円分の国債を買い入れた。2月14日以来の実施で、1日2回行なうのは初めて。その後、さらに明日から3月31日まで実施する「連続指し値オペ」を発表。2021年3月の導入決定以来、複数日にわたり実施するのも初で、金利上昇を抑制する姿勢が示され円売りが加速している。
 
なお、ロイターは大蔵省(現・財務省)時代に「ミスター円」と呼ばれた元財務官の榊原英資氏のインタビューを報じた。1ドル=123円前後で推移する為替水準なら政策対応は不要と述べる一方で、130円を上回る円安が進んだ場合、為替介入や日銀の金融政策、日米の政策協調が必要との認識を示した。さらに、円安を阻止するには「米ドルを日本が保有する外貨準備高から売るため、介入できる量に限度があり円高阻止の介入より難しい」と指摘している。
 
米ドル・円は、日銀指値オペの発表から円売りが加速した。122円近くから2015年8月以来、6年7カ月ぶりの円安水準となる124.01円まで値を上げた。17時には小幅に値を下げ123.92円となったが、その後も上昇が続き18時前に125.09円まで値を上げている。
 
ユーロ・米ドルは1.0ドル後半から前半に値を下げた。米ドル・円で円売りが強まると米ドル買いが入り徐々に値を下げ、17時時点では1.0951ドルとなった。
 
ユーロ・円は、134円前半から135円後半に値を上げた。日銀の介入を受けた円売りを受けユーロ買いが進み、17時時点では135.72円だった。
 

  • 日本株式

 日経平均株価     27,943.89円  -205.95(-0.73%)
  安値27,812.67円  -  高値 28,084.08円
 東証出来高 1,110,24万株
 東証売買代金 2兆5820.13億円
 
3月28日の日経平均株価は10日ぶりに前日の終値を下回った。9日連続上昇した反動から、幅広い銘柄が売られ、終日で前日の終値を下回る取引となった。その一方で、午後に円安が加速した影響から輸出関連株が変われ、下げ幅を縮めている。
 

  • 短期金融市場

 無担保コール翌日物金利  -0.004%
 

  • 債券

 国債先物・22年6月限  149.15(-0.33)
 10年長期金利  0.250%(+0.015)

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