グッドフライデーの休日により大きな方向感出ず

【今週の見通し】(4月18日-4月22日)
先週、発表された3月米消費者物価指数でインフレがピークに達したとの見方が出ている。米国が金融引き締めに向かっている中で、日本は緩和を続けており、日米の金利差と原油高により円安が進んだ。円は2015年6月の高値125.86円を超え、2002年5月、約20年ぶりの高値を更新し126.68円となった。

ポンドに関する動きでは、先週発表された英国の3月消費者物価指数(CPI)で前年同月比7.0%と上昇し、1992年3月以来、30年ぶりの高水準になった。物価上昇率は6カ月続けて上昇し、2021年9月の3.1%から半年で2倍強になっている。イングランド銀行(中央銀行)の政策目標2%の3.5倍に達していることから、利上げが見込まれておりポンドは堅調だ。今週、4月21日に行われるベイリー総裁の講演内容に注目が高まる。

今週は、米連邦準備制度(FRB)高官の発言や決算発表に注目が高まる。4月20、21日にワシントンでG20(20カ国・地域)やG7(主要7カ国)の財務相・中央銀行総裁会議が開催される予定だ。ロシアのウクライナ侵攻以降、初のG20の閣僚級会合となり対応に注目したい。また、4月21日には日米財務相会合が予定されており、介入に踏み切る場合は円高に進む可能性もある。

今週の主なイベントは以下の通り。
4月18日:中国GDP統計(2022年1-3月期)
4月19日:IMF世界経済見通し
4月20日:米地区連銀経済報告(ベージュブック)
4月21日:米フィラデルフィア連銀製造業景況指数(4月)
4月24日:フランス大統領選 決選投票

予想レートは米ドル・円が124円後半から130円前半。ユーロ・米ドルが1.06ドル前半から1.10ドル前半。

 


【米国】

為替(4月18日6時00分)
米ドル円(USDJPY) 126.42-126.49 (円)
ユーロ円(EURJPY) 136.70-136.76 (円)
ユーロ米ドル(EURUSD) 1.0808-1.0812 (米ドル)
ポンド円(GBPJPY) 164.95-165.15 (円)
ポンド米ドル(GBPUSD) 1.3055-1.3064 (米ドル)

4月15日のニューヨーク外国為替市場の主なトピックスは、イースター前のグッドフライデーの祝日のため市場参加者が不在で方向性が出にくい日となった。米国は15日のみの休場だが、欧州中心に18日も休暇で休場となるため、小幅に値動きが出やすい状況だ。

朝方に発表された4月ニューヨーク連銀製造業景気指数(結果:24.6、予想:1.0、前回:-11.8)では、大幅に予想を上回った。受注と出荷が前月のマイナスから大幅に上回っており、改善の兆しがみられている。また、3月 鉱工業生産(前月比、結果:0.9%、予想:0.4%、前回:0.5%)でも、市場予想を上回り3カ月連続で上昇した。特に自動車産業の回復が見受けられている。良好な結果ながら、市場参加者が少なく影響は軽微だった。

米ドル・円(USDJPY)は、祝日の影響から小幅な値動きにとどまった。日本時間に2002年5月以来の安値を付けた影響から経済指標公表後に、利益確定売りが出て126.31円まで米ドルが売られた。その後は小幅な動きにとどまり、終値は126.46円となった。

ユーロ・米ドル(EURUSD)は、欧州時間に反動から買いが入り1.0819まで買われたが、ウクライナ情勢の懸念から売りが優勢となった。その後は、小幅な動きにとどまり終値は1.0810ドルだった。

ユーロ・円(EURJPY)は、ウクライナ情勢への懸念から小幅ながら徐々に値を下げた。小幅ながら参加者が少ない影響から値動き荒かったが、大きな動きは出にくい状況となり136.73円で終えた。

*株式等はグッドフライデーの祝日により休場
 

【日本】USDJPY 20年ぶりの高値更新 

為替(17時)
4月15日の東京外国為替市場は、米ドル・円で2015年6月の高値125.86円を超え、2002年5月、約20年ぶりの高値を再び更新し126.68円まで円が売られた。世界的な金融引き締めが行われる中で、日本は金融緩和を続け低金利となっており、円が売られ利益を得やすい状況は当面続く見込みだ。日本側も多額の国債残高を抱え、多くの利払いがあるだけに容易に金利を上げづらいことも理由の一つであり、厳しい状況が続いている。

米ドル・円は、国内輸入企業の決済に向けた米ドル買いや、日米金利差が意識され円売りが優勢となった。少し前は値動きが限定的で日本のマーケットの存在感は失われていたが、現在は円売りによって儲けやすい状況に陥っており、投機による値動きが出やすい状況に変わっている。欧州勢参加後に、さらに円売りが強まると高値を更新し126.68円まで上昇した。その後は、反動で小幅に売られ17時時点では126.46円となった。

ユーロ・米ドルは、フィンランドがNATO加盟への意欲を示したことでロシアがフィンランド国境での防衛強化を行なうとの報道や日米金利差の米ドル買いから徐々に値を下げた。正午過ぎにこの日の安値1.0797ドルを付けるとその後は徐々に値を戻し、17時時点では1.0810ドルだった。

ユーロ・円は、米ドル・円で円売りが優勢となると徐々に値を戻し136.73円まで値を上げる場面があった。その後は、値動きが激しくなったが、地政学リスクが意識されると136.50円付近の横ばいで推移した。その後は、再び値を上げ17時時点では136.70円で取引された。

日本株式
日経平均株価 27,093.19円 -78.81(-0.29%)
安値26,784.92円  -  高値 27,203.77円
東証出来高 880,06万株
東証売買代金 2兆0448.08億円
 
4月15日の日経平均株価は3日ぶりに前日の終値を下回った。米国市場のニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁の発言から長期金利が上昇し、ハイテク株が売られた流れを受け継いだ。開始直後から400円近く前日の終値を下回る場面もあった。午前中の終了間際に節目の27,000円を下回ったが、安値圏が意識され午後になると27,000円を上回り27,100円付近の横ばいで推移した。

短期金融市場
無担保コール翌日物金利 -0.016%

債券
国債先物・22年6月限 149.41(-0.04)
10年長期金利 0.240%(+0.005)

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アナリストプロフィール

Noriko Sasaki

投資運用歴25年。日系銀行、シティバンク、日興シティ信託銀行の勤務や、ITベンチャー企業でのIR・広報などを経て、金融に強みを持つライターとして活躍。
これまでのキャリアで培った金融の知識と、企業経営の視点、ニュースを複合的に織り交ぜたマーケット分析を得意とする。


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