中国でのコロナウイルス感染拡大が懸念に

2022/04/26 7:29 JST投稿
 

【米国】

為替(4月26日6時00分)
 米ドル円(USDJPY)    128.12-128.13 (円)
 ユーロ円(EURJPY)    137.23-137.25 (円)
 ユーロ米ドル(EURUSD) 1.0711-1.0714 (米ドル)
 ポンド円(GBPJPY)    163.15-163.32 (円)
 ポンド米ドル(GBPUSD) 1.2738-1.2742 (米ドル)

4月25日のニューヨーク外国為替市場の主なトピックスは、中国でのコロナウイルス感染拡大から上海以外でも都市封鎖が検討されており、世界経済への影響が懸念された。さらに、米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めが意識され、投資家心理が後退した。

また、ドイツ企業の景況感を表す4月IFO企業景況感指数(結果:91.8、予想:89.0、前回:90.8)が発表されたが、予想外に上回った。ロシアによるウクライナ侵攻の衝撃から、持ち直したことが示されたようだ。

米ドル・円(USDJPY)は、中国やFRBの金融引き締めへの懸念から株価が下落し、リスクオフの円買いが優勢となり、前週末の安値127.74円を超え127.52円まで安くなった。その後、長期金利が2.76%から2.83%に上昇し、株価も上向いたことがプラスとなり徐々に値が上がり128.14円で終えた。

ユーロ・米ドル(EURUSD)は、好調な独IFO企業景況感指数から値を上げていたが、ウクライナ情勢の長期化や高インフレによる景気への影響が懸念され徐々に値を下げ、2020年3月以来、約2年1カ月ぶりの安値1.0697ドルまで安くなった。その後は小幅な動きにとどまり終値は1.0713ドルとなった。

ユーロ・円(EURJPY)は、ユーロ・米ドルにつられ徐々に値を下げ、この日の安値136.49円を付けた。その後は上昇に転じ終値は137.26円だった。

ポンド・米ドル(GBPUSD)は、英タイムズ紙が24日にジョンソン氏の辞任は不可避だとする政府高官の見方を伝えたことなどを受け売りが優勢となった。英国は他国に比べアイルランドの問題やEU離脱による供給網の問題など厳しい面がある。これらの問題はコロナウイルスへの対応を上手く乗り切ってきたことから意識されてこなかったが、高インフレで厳しい状況となっている状況下で改めて浮き彫りとなってきた。2020年9月以来、約2年7カ月ぶりの安値1.2727ドルまで下落した。終値は1.2745ドルで終えている。

株式
 NYダウ平均  USD 34,049.46 +238.06 (+0.70%)
 NASDAQ総合  USD 13,004.852  +165.559 (+1.28%)
 S&P500      USD  4,296.12  +24.34(-2.77%) 

4月25日の米株式市場のダウ工業株30種平均は、3日ぶりに前日の終値を上回った。中国でのコロナウイルス感染拡大から上海以外の都市での都市封鎖の波及が強まり、投資家心理に影を落とした。前日の終値を下回った取引が続いていたが、長期金利が低下すると14時ごろから高い株価収益率(PER)のハイテク株などが買われ、徐々に値を上げた。前日の終値を上回った取引に転じ、3指数揃って値を上げ終えた。

債券
 米国債10年 2.818(-0.21%)

商品
 NY原油(WTI) 1バレル=USD 98.53 -3.53(-3.46%)(6月渡し)
 NY金(COMEX) 1オンス=USD 1,896.0  -38.3(-1.98%)(6月渡し)
 

【日本】ユーロ マクロン大統領が勝利するも徐々に値を下げる

為替(17時)
4月25日の東京外国為替市場の主なトピックスは、フランスで大統領選の決選投票が行われマクロン大統領が再選を果たした。極右のルペン氏が敗れたことに安堵感が拡がったものの、極右を避けたい人々の票がマクロン大統領に多く流れたという見方もあり、今後の政局運営が必ずしも順風満帆ではない。

ユーロ・米ドルは、朝方はマクロン大統領の勝利から堅調に推移していたが、ルペン氏が善戦したことや今後の政局の行方への懸念から投資家心理が冷え込み徐々に値を下げた。欧州勢が参加すると欧州株が下落したことも影響し、1.0718ドルまで値を下げた。その後は、4月独Ifo企業景況感指数が予想を上回り、徐々に値を戻し17時時点では1.0738ドルとなった。

ユーロ・円は、ユーロ・米ドルにつられ朝方から徐々に値を下げた。昼過ぎに一旦横ばいに傾くも、再び値を下げ137.35円までユーロが売られたが、欧州勢参加後に持ち直し17時時点では137.65円だった。

米ドル・円は、朝方は国内輸入企業の決済に向けた米ドル買いが入り堅調だったが、米長期金利の低下と共に徐々に値を下げた。欧州勢参加後に小幅に買われたが再び値を下げ、17時時点では128.20円で取引されている。

債券
 国債先物・22年6月限  149.27(+0.18)
 10年長期金利  0.245%(変化なし) 
 

【マーケットアナリティクス】ユーロ・米ドルはサイクルの最安値まで下落(4月25日)

月曜日は米ドル高が続きユーロ・米ドルは0.5%下落し、2020年3月の安値1.075ドルで取引された。

独IFO景況指数は、前月の90.8、予想の89.1に対し、予想外に91.8まで上昇した。一方、現在の現況指数は97.2ポイントに上昇し、3月の97.1ポイントと予想の95.8ポイントから上昇した。

今後6ヵ月間の企業の期待値を示すIFO期待指数は、前月の84.9から4月には86.7に上昇し、83.5で市場を驚かせた。

一方で、モルガン・スタンレーのアナリストは、今年と来年のユーロ圏のGDP成長率の予測を発表し縮小を予想した。2022年のユーロ圏のGDP予測を前回の3%から2.7%に下げ、2023年の成長予測を1.3%に1ポイントの減少との予想だ。

ロイター通信によると、ドイツ政府は公式に入手したレポートを引用し、春の見通しで2022年のインフレ予測を1月の3.3%から6.1%に引き上げたという。

テクニカルでは、弱気(ベア)の次のターゲットは、コロナウイルス感染拡大後の安値である1.0620ドル付近となる見込みだ。ユーロがこのレベルを下回る場合、2016、2017年以来となる1.05ドルが境目となりそうだ。

あるいは、現在の弱気(ベア)圧力を打ち消すには、ユーロが1.08ドルを上回らなければならず、その後に注目すべき次のレベルは1.10ドル近辺となる。

EURUSD Drops to Fresh Cycle Lows
   
ユーロ・米ドル、デイリーチャート 4月25日(CET・中央ヨーロッパ時間)

引用元: “EURUSD Drops to Fresh Cycle Lows” (2022年4月25日, AXIORY Global Market News)       

追記:4月26日、日本時間6:00のユーロ・米ドルは1.0711-1.0714ドルで取引されている

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アナリストプロフィール

Noriko Sasaki

投資運用歴25年。日系銀行、シティバンク、日興シティ信託銀行の勤務や、ITベンチャー企業でのIR・広報などを経て、金融に強みを持つライターとして活躍。
これまでのキャリアで培った金融の知識と、企業経営の視点、ニュースを複合的に織り交ぜたマーケット分析を得意とする。


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