【今週のハイライト】米欧関税合意をきっかけに、ユーロ売り・ドル買いが優勢となった

為替(2025年8月1日  6時00分)

米ドル円          USD/JPY   150.76(円)
ユーロ米ドル   EUR/USD  1.1412(米ドル)
ユーロ円          EUR/JPY   172.02(円)
ポンド円          GBP/JPY   199.08(円)
ポンド米ドル   GBP/USD  1.3202(米ドル)

 
米ドル円
28日(月)は、東京仲値にかけては147.51円まで売られる場面もあったが、底堅く推移した。ユーロ手動でドルの買戻しが強まった影響もあり、15時30分過ぎには148.21円まで上値を伸ばした。一時147.79円まで下押す場面もあったが、17時までには148.33ドルまで上値を伸ばした。米10年債利回りが伸び悩んだことで22時過ぎには147.93円まで下押す場面もあったが、その後は米10年債利回りが4.41%台を回復し高値圏を推移したことで、ドル買いが進み148.58円まで上値を伸ばした。
 
29日(火)は、東京仲値にかけて148.71円まで上値を伸ばしたが、その後は日経平均株価が下落していることを受けて、売りが優勢となる展開となった。15時過ぎには148.15円まで上値を伸ばしたが、対ユーロでドル買いが優勢となっていることもあり、買戻しが優勢となり、148.75円まで上値を伸ばした。米10年債利回りの低下を受けて全般でドル売りが優勢となった。今週のFOMCや日銀金融政策決定会合・雇用統計など、重要指標が控えていることもあり、様子見ムードが強まった。また中国政府が米中会談について関税合意延長を発表したが、ベッセント財務長官は「対中関税の延長はトランプ大統領しだいだ」と発表した。
 
30日(水)は、ロシア・カムチャツカ半島沖での大地震が発生し、北海道や太平洋沿岸を中心に津波警報が発令されたことで、海外勢が円買いドル売りで反応した。12時過ぎには147.84円まで下押た。その後は下げ渋ったものの、上値は重たく16時過ぎには147.80円まで下値を広げたものの、夜にはFOMCの結果公表が控えていることもあり、一段安とはならなかった。ADP米雇用統計や米国内総生産速報値が市場予想を上回ったことから全般でドル買いが先行し149.13円まで上値を伸ばした。その後のFOMC結果公表では市場予想通りの結果となったがウォラーFRB理事が利下げを主張し、金利据え置きに反対票を投じていた事が明らかとなると、148.52円まで下押した。もっとも売りは限定的で、パウエルFRB議長の記者会見での発言がタカ派と受け止められたこともあり、引けにかけては149.53円まで上値を伸ばした。
 
31日(木)は、前日の大幅な上昇に対する利益確定目的の売りが先行した。月末に絡んだ本邦輸出企業の売りも出たほか、日銀金融政策決定会合で政策金利を据え置き、展望レポートでは2025年度の物価見通しが上方修正されたことも嫌気され148.59円まで下押した。売り一巡後には方向感なくもみ合った。ただ、その後の植田日銀総裁の会見では、早期利上げについては示唆しなかったことで、円売りが優勢となり149.72円まで上値を伸ばした。植田日銀総裁の会見で「日銀は追加利上げを急いでいない」との見方が広まると、円売りが優勢となった。またFRBが政策金利を判断するうえで重要視しているPCEデフレーターのコア指数が市場予想を上回り、米雇用コスト指数の予想を上回ったことで、米インフレ圧力の根強さが確認されたことも相場を下支えし引け前には150.84円まで上値を伸ばした。
 
ユーロドル
28日(月)は、米国と欧州連合が自動車を含む大半のEU輸出品に対する関税率を15%とする事で合意したことを好感し買いが優勢となり1.1770ドルまで上値を伸ばした。ただ、買い一巡後には材料が出尽くしたということもあり、利益確定目的の売りが優勢となった。目立った戻りもなく17時までに1.1670ドルまで下押した。アジア時間からのユーロ売り・ドル買いの流れに沿った推移となり、売りが継続した。米10年債利回りが上昇したことも相場の重しとなった。また、米欧関税合意について「詳細な内容は不透明な部分が残る」「米国のニーズを満たすために、再び条件が変更される可能性もあり得る」との指摘があった事も、ユーロ売り・ドル買いを促した。
 
29日(火)は、前日に大きく下げた流れを引き継ぎ、上値が重たい展開が続いた。午前中は1.1590ドルを挟んで小幅に上下しもみ合う展開が続いたが、午後になると徐々に売りが優勢となった。欧州勢が参入してくるとユーロ売り・ドル買いが優勢となり1.1526ドルまで下値を広げた。米10年債利回りが低下した事で全般でドル売りが優勢となった。もっとも、米欧関税合意をめぐっては、その内容が不透明な部分もあり、先行き不安が広がったことが相場の重しとなった。今週は、日米の金融政策発表を控えていることもあり、様子見ムードが強かった。
 
30日(水)は、ドル円の下落に伴って1.1572ドルまで上昇したものの、買いは続かずユーロ円が下落していることもあり、上値は伸び悩み売りが優勢となった。15時過ぎには1.1540ドルまで下値を広げたものの、その後は1.1568ドルまで下げ渋るなど、大きな方向感は出なかった。ADP雇用統計や米国内総生産などの指標が市場予想を上回ったことをきっかけにドル買いが優勢となり、1.1457ドルまで下押した。FOMCでは政策金利は据え置かれたが、理事2人が反対票を投じるなどしたことで、ドル売りが優勢となった。もっともパウエルFRB議長が早期利下げに慎重な姿勢を示すと、再びドル買いが優勢となり1.1400ドルまで下値を拡大した。
 
31日(木)は、前日に大幅なドル買いが進んだことに対する持ち高調整の動きが強まり、買いが優勢となった。16時前には1.1460ドルまで上値を伸ばしたものの、日銀の植田総裁の発言を受けて、ドル円が上昇したことを受けて、ユーロドルでもドル買いが進み1.1432ドルまで売り戻された。米経済指標を受けて米利下げ観測が後退した事や米インフレ指標の強い結果を確認すると、1.1406ドルまで下押した。もっとも早朝につけた安値1.1400ドルが目先のサポートとして意識されると買戻しが優勢となった。ロンドン・フィキシングに絡むユーロ買いのフローが出たことも支えとなり1.1449ドルまで上値を伸ばしたが限定的だった。
 
ユーロ円
28日(月)は、米欧関税合意をうけてユーロ買いが先行し173.90円まで上値を伸ばしたが、ユーロドルが伸び悩みユーロ売りが優勢となっていることから、ユーロ円も売りが優勢となり173.09円まで下押した。
 
29日(火)は、前日からのユーロ売りの流れが続き、日経平均株価が下落していることも重しとなり、11時台には早朝安値の172.30円を割り込み、ユーロドルの下落にもつられる形で、16時前には171.26円まで売られた。その後は下げ渋ったものの、戻りは限定的だった。
 
30日(水)は、ロシアでの大地震による日本に津波警報が発令されたことで、円買いが優勢となったほか、上昇していた日経平均株価がマイナス圏に沈んだことも相場の重しとなり、16時過ぎには170.86円まで下押した。その後は下げ渋ったものの171.16円までにとどまった。夜にはFOMC結果公表が控えていることで様子見ムードが強まった。
 
31日(木)は、ドル円の下落につられる形で売りが先行し12時台には169.71円まで下押した。もっとも売り一巡後にはショートカバーが入り、買戻しが優勢となった。また植田日銀総裁の会見での発言から、円が全面安となったことでユーロ円も円売り・ユーロ買いが進み、171.29円まで上値を伸ばした。
 
7月28日 9時00分 ~8月1日 6時00分までのレンジ幅
米ドル円  USD/JPY  147.51~150.84(円)
ユーロドル EUR/USD   1.1400~1.1770(ドル)
ユーロ円  EUR/JPY  169.71~173.90(円)
ポンドドル GBP/USD   1.3185~1.3452(ドル)
ポンド円  GBP/JPY  196.96~199.52(円)
 
株式
28日(月)は、NYダウ平均では米欧関税交渉が合意に至ったものの、前週に「合意が近づいている」との報道があったこともあり、マーケットは一定程度織り込み済みとなっており、利益確定目的の売りが優勢となった。一方でハイテク株比率が高いナスダックでは4日続伸し、S&P500でも過去最高値を更新した。
 
29日(火)は、決算内容が嫌気されたユナイテッドヘルス・グループやメルクが売られ相場を押し下げた。また今週はFOMCの結果発表を控えていることもあり持ち高調整目的の売りも出やすかった。前日まで続伸していたナスダックでも、5営業日ぶりに反落した。
 
30日(水)は、パウエルFRB議長がFOMC後の記者会見にて、早期利下げに慎重な姿勢を示したことで、NYダウ平均では株売りが優勢となった。一方でハイテク株比率が高いナスダックでは、パウエルFRB議長の発言を受けて下げに転じる場面もあったが、マイクロソフトやメタプラットフォームズの四半期決算への期待から買戻しが入った。
 
31日(木)は、前日引け後に決算を発表したマイクロソフトやメタ・プラットフォームズが買われ反発して始まったものの、そのあとは次第に上値が重たくなった。米経済指標が市場予想を
上回り米早期利下げ観測が後退する中で、米10年債利回りが4.38%台まで上昇したことも相場の重しとなり売りが優勢となった。

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