EURUSD PPI上昇から連日で等価割れ

【米国】

為替(7月15日6時00分)
 米ドル円(USDJPY) 138.94-138.94 (円)
 ユーロ円(EURJPY) 139.18-139.27 (円)
 ユーロ米ドル(EURUSD) 1.0018-1.0021 (米ドル)
 ポンド円(GBPJPY) 164.25-164.36 (円)
 ポンド米ドル(GBPUSD) 1.1823-1.1825 (米ドル)

7月14日のニューヨーク外国為替市場では、6月米卸売物価指数(PPI)の結果に注目が集まった。前月比(結果:1.1%、予想:0.8%、前回:0.8%)は、前月を上回った。前年同月比(結果:11.3%、予想:10.7%、前回:10.8%)も前月を上回っている。しかし、変動の大きい食品とエネルギー、貿易サービス部門を除く前月比のコアPPI(結果:0.4%、予想:0.5%、前回:0.5%)は鈍化した。

米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事は、前日発表された6月消費者物価指数(CPI)が非常に大きな伸びとなったことを受け、今月の連邦公開市場委員会(FOMC、7月26、27日開催)での0.75%の利上げを支持する考えを示した。また、セントルイス地区連銀のブラード総裁は、日経新聞のインタビューで今月のFOMCで0.75%の利上げを支持するとの見解を示した。しかし、1%の利上げについては現時点で否定している。

2年債と10年債(長期金利)の利回りは、8日連続で逆転(逆イールド)している。終値ベースで2年債が3.128%、10年債が2.958%となった。

ユーロ・米ドル(EURUSD)は、前日のCPIに続きPPIが予想を上回ると長期金利が上昇し米ドル買いが強まった。前日から、さらに1ユーロ=1ドルのパリティ(等価)を割り込み、2002年12月以来、約20年ぶりの安値更新し0.9952ドルとなった。その後、FRB高官の発言から1%の利上げ観測が後退し、米ドルが売られた。すぐに1.0048ドルに回復したが、ドラギ伊首相がエネルギー法案で連立が保たれず辞任を表明するとリスク回避の姿勢が強まり0.9984ドルに下落した。その後は値を戻し、終値は1.0018ドルとなった。

米ドル・円(USDJPY)は、予想を上回るインフレ指標を受け米ドル買いが強まり139.37円まで値を上げた。しかし、日本時間に付けた約24年ぶりの高値139.39円を上回ることはできなかった。そして、FRB高官が1%の利上げを否定すると138.71円まで下落した。その後は小幅に持ち直し終値は138.96円だった。

ユーロ・円(EURJPY)は、米ドル・円とユーロ・米ドルの動きを同時に受け大きな動きは出なかった。一時、137.99円まで値を下げたが、持ち直し139.23円で終えた。

株式
 NYダウ平均 USD 30,630.17 -142.62 (-0.46%)
 NASDAQ総合  USD 11,251.185 +3.603 (+0.03%)
 S&P500     USD  3,790.38 -11.40(-0.29%)

7月14日の米株式市場のダウ工業株30種平均は5日連続で前日の終値を下回った。朝方は、前日に発表された6月消費者物価指数(CPI)に続き6月卸売物価指数(PPI)が上昇し、FRBの積極的な利上げの姿勢が続くとの懸念から値を下げた。一時630ドル近くまで下落したが、好決算が期待されるハイテク株に買いが入り投資家心理が上向き下げ幅を縮小した。この影響から、ナスダックは前日の終値を上回っている。

債券
 米国債10年 2.958%(+0.052)

商品
 NY原油(WTI) 1バレル=USD 95.78 -0.52(-0.54%)(8月渡し)
 NY金(COMEX) 1オンス=USD 1,705.8 -29.70(-1.71%)(8月渡し)
 

【日本】米ドル・円 24年ぶりの高値更新

為替(17時)
7月14日の東京外国為替市場では、6月米卸売物価指数(PPI)の発表を控え、FRBのさらなる利上げ観測が強まり日米金利差の拡大が意識され円安が加速した。

米ドル・円は、米金融高官による1%の利上げ観測の強まりから米ドル買いが進んだ。一時、1988年9月1日以来、約24年ぶり高値を更新し、139.23円まで値を上げた。時間外の米長期金利が2.98%に上昇した影響も大きい。17時時点では139.10円で取引されている。

ユーロ・米ドルは、ニューヨーク時間に等価割れした影響からユーロが買い戻された。しかし、徐々に欧州のリスクが意識されると米ドル買いが強まり、この日の安値1.0005ドルまで値を下げた。その後は買戻しが入り17時時点では1.0036ドルとなった。

ユーロ・円は、米ドル・円の上昇につられ徐々に値を上げた。この日の高値139.77円を付け、17時時点では139.62円だった。

債券
 国債先物・22年9月限 149.23 (-0.03)
 10年長期金利 0.230%(変化なし)

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アナリストプロフィール

Noriko Sasaki

投資運用歴25年。日系銀行、シティバンク、日興シティ信託銀行の勤務や、ITベンチャー企業でのIR・広報などを経て、金融に強みを持つライターとして活躍。
これまでのキャリアで培った金融の知識と、企業経営の視点、ニュースを複合的に織り交ぜたマーケット分析を得意とする。


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