欧州景気後退懸念の強まりから連日でユーロ売り

【米国】

為替(8月16日6時00分)
 米ドル円(USDJPY) 133.30-133.37 (円)
 ユーロ円(EURJPY) 135.42-135.45 (円)
 ユーロ米ドル(EURUSD) 1.0158-1.0163 (米ドル)
 ポンド円(GBPJPY) 160.67-160.80 (円)
 ポンド米ドル(GBPUSD) 1.2053-1.2055 (米ドル)

8月15日のニューヨーク外国為替市場では、朝方に発表された経済指標の影響があった。8月のニューヨーク連銀製造業景況指数(結果:-31.3、予想:5.0、前回:11.1)は、データでさかのぼれる2001年以降で2020年4月に次いで2番目に低い値となった。受注と出荷の下げが響き、需要の落ち込みが示唆された。

さらに、その後発表された8月 NAHB住宅市場指数(結果:49.0、予想:55.0、前回:55.0)では、8カ月連続で低下し2020年5月以来の低水準となった。資材価格や労働コスト、さらに住宅ローンの上昇から厳しい状況が続き、在庫の増加や新規の建設受注を進めにくいことが示された。
これらの結果から長期金利が2.759%に低下した。

さらに、前日に続き欧州の記録的な熱波によるライン川の水位低下が引き起こす物流停滞への懸念が強まった。特にドイツの石炭入手への懸念の強まりから、さらなる欧州の景気後退への懸念が強まりユーロではリスク回避の動きが強まっている。

2年債と10年債(長期金利)の利回りは、30日連続で逆転(逆イールド)している。終値ベースで2年債が3.195%、10年債が2.793%となった。

ユーロ・米ドル(EURUSD)では、朝方は低調な米経済指標からこの日の高値1.0268ドルに値を上げた。その後は、ライン川の水位低下から投資家心理が冷え込みリスク回避の米ドル買いが強まった。徐々に値を落とし、8月5日以来の安値1.0155ドルまで値を下げ終値は1.0160ドルとなった。

ユーロ・円(EURJPY)は、リスク回避の姿勢が強まり、この日の安値135.28円を付けた。その後も低調な取引が続き、終値は135.48円だった。

米ドル・円(USDJPY)は、朝方に発表された低調な米経済指標から、この日の安値132.56円まで値を下げた。その後は株価の上昇や長期金利が低調ながら小幅に持ち直し、投資家心理が上向き米ドル買いに回帰し133.32円で終えている。

株式
 NYダウ平均 USD 33,912.44 +151.39(+0.44%)
 NASDAQ総合  USD 13,128.053    +80.867 (+0.61%)
 S&P500     USD  4,297.14 +16.99(+0.39%)

8月15日の米株式市場のダウ工業株30種平均は、前日の終値を4日連続で上回った。朝方はニューヨーク連銀製造業景況指数の大幅な低下を受け投資家心理が冷え込み前日の終値を下回る取引となった。その後はインフレが頂点に達し減少した(ピークアウト)しFRBの利上げペースの減速観測が強まり、投資家心理が上向いた。また、原油価格の低下もプラスに作用した上、長期金利の低下からハイテク株が買われ3指数揃って値を上げ終えた。

債券
 米国債10年 2.793%(-0.056)

商品
 NY原油(WTI) 1バレル=USD 89.41 -2.68(-2.91%)(9月渡し)
 NY金(COMEX) 1オンス=USD 1,798.1 -17.40(-0.96%)(12月渡し)
 

【日本】お盆の休暇受け大きな値動き出ず

為替(17時)
8月15日の東京外国為替市場では、先週の祝日からお盆休みが続いており個人中心の取引となり大きな値動きは出なかった。

米ドル・円は、米国の景気悪化懸念から朝方は円買いが優勢となり132.92円まで値を下げた。その後は時間外の米長期金利が上昇し徐々に値を戻し17時時点では133.51円となった。

ユーロ・米ドルは、ライン川の水位低下による物流停滞を受けた欧州の景気後退懸念から値を下げ、先週末の安値1.0238ドルを超え1.0232ドルまで値を下げた。17時時点では1.0233ドルだった。

ユーロ・円は、欧州の景気後退懸念から円買いが強まり、この日の安値136.34円まで値を下げた。その後は小幅に値を戻し17時時点では136.64円で取引されている。


債券
 国債先物・22年9月限 150.33 (+0.07)
 10年長期金利 0.185%(変化なし)

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アナリストプロフィール

Noriko Sasaki

投資運用歴25年。日系銀行、シティバンク、日興シティ信託銀行の勤務や、ITベンチャー企業でのIR・広報などを経て、金融に強みを持つライターとして活躍。
これまでのキャリアで培った金融の知識と、企業経営の視点、ニュースを複合的に織り交ぜたマーケット分析を得意とする。


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