日本の円安介入が意識され円買い強まり、上値は重い

2022/09/15 7:37  JST投稿
 

【米国】

為替(9月15日6時01分)
 米ドル円(USDJPY) 143.08-143.16 (円)
 ユーロ円(EURJPY) 142.82-142.89 (円)
 ユーロ米ドル(EURUSD) 0.9978-0.9983 (米ドル)
 ポンド円(GBPJPY) 165.13-165.19 (円)
 ポンド米ドル(GBPUSD) 1.1536-1.1544 (米ドル)

9月14日のニューヨーク外国為替市場では、日本時間に日銀が複数の為替介入に向け市場関係者に相場水準を訪ねる「レートチェック」を実施したとの報道から警戒感が高まっている。

朝方に8月米生産者物価指数(前月比、結果:-0.1%、予想:-0.2%、前回:-0.5%)と8月米生産者物価コア指数(前月比、結果:0.4%、予想:0.2%、前回:0.3%)共に市場予想を上回ったが影響は軽微だった。

2年債と10年債(長期金利)の利回りは、51日連続で逆転(逆イールド)した。終値ベースで2年債が3.788%、10年債が3.404%となっている。なお、金融政策の影響を受けやすい2年債は、一時3.834%と2007年以来の高水準となり、逆イールドがさらに加速している。

米ドル・円(USDJPY)は、東京時間に日銀が「レートチェック」を実施したとの報道から、日本が円安への対策を講じるとの警戒感が強まり、円買いが優勢となった。これを受け、この日の安値142.55円まで値を下げた。その後は、米連邦公開市場委員会(FOMC)での通常の3倍にあたる0.75%の利上げ実施が意識されると小幅な上昇に転じ、終値は143.08円となった。

ユーロ・米ドル(EURUSD)は、米ドル・円の動きにつられ朝方に0.9969ドルまで値を下げたが、徐々に値を上げ1.0006ドルを付けた。その後は米長期金利の上昇などから徐々に値を下げ、0.9981ドルで終えている。

ユーロ・円(EURJPY)は、日本の円安対応への警戒感の高まりから円買いが強まった流れを受け、朝方にこの日の安値142.30円を付けた。その後は買戻しが入り小幅に値を上げ、終値は142.70円だった。

株式
 NYダウ平均 USD 31,135.09 +30.12(+0.09%)
 NASDAQ総合  USD 11,719.678    +86.104 (+0.74%)
 S&P500     USD  3,946.01 +13.32(+0.33%)

9月14日の米株式市場のダウ工業株30種平均は、前日の終値を上回った。前日に今年最大の下落幅と下落率を記録した反動から買戻しが入り上昇した。しかし、徐々にFRBの大幅な利上げへの警戒感が強まり、午後になると前日の終値を下回る取引が優勢となった。景気動向に左右されにくいディフェンシブ株が買われた一方で、景気敏感株は売りが優勢となっている。

債券
 米国債10年 3.404%(-0.019)

商品
 NY原油(WTI) 1バレル=USD 88.48 +1.17(+1.34%)(10月渡し)
 NY金(COMEX) 1オンス=USD 1,709.1 -8.30(-0.48%)(12月渡し)
 

【日本】日銀「レートチェック」報道から円買い強まる

為替(17時)
9月14日の東京外国為替市場では、CPIの発表終えFRBの利上げ観測が強まり一段落している。一方で、政府関係者の円安への口先介入が行われる中で、日銀が為替介入に向け複数の市場関係者に相場水準を訪ねる「レートチェック」を実施したとの報道から円が買い戻されている。

朝方に神田真人財務官は高水準の円安への懸念から「足元の動きは急激であり、憂慮している。緊張感を持って監視し、あらゆるオプションを排除せずに適切な対応をしたい」と記者団に語った。さらに、松野博一官房長官は定例会見で「急速で一方的な動きが見られ、過度な変動を憂慮している。あらゆる措置を排除せず為替市場において必要な対応を取りたい」と述べた。また、鈴木俊一財務相も「あらゆる手段を排除せずに対応していかなければならない」との見解を示している。

米ドル・円は、CPIを終えた安堵感と日本銀行がレートチェックを実施したとの報道から円買いが優勢だった。徐々に値を下げ、この日の安値143.18円を付け、その後小幅に値を戻し17時時点では143.31円となった。

ユーロ・米ドルは、米ドル・円の下落を受け、朝方から堅調に値を上げていたが、欧州勢参加後にユーロ・円の下落につられ徐々に値を下げ0.9960ドルとなった。その後は、ユーロ買いに転じ17時時点では0.9987ドルだった。

ユーロ・円は、朝方は大きな動きが出なかったものの、昼過ぎに米ドル・円で円買いの動きが強まるとこの日の安値143.02円までユーロが上荒れた。その後、小幅に値を戻し17時時点では143.12円で取引されている。

債券
 国債先物・22年12月限 148.72 (-0.37)
 10年長期金利 0.250%(+0.010)

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アナリストプロフィール

Noriko Sasaki

投資運用歴25年。日系銀行、シティバンク、日興シティ信託銀行の勤務や、ITベンチャー企業でのIR・広報などを経て、金融に強みを持つライターとして活躍。
これまでのキャリアで培った金融の知識と、企業経営の視点、ニュースを複合的に織り交ぜたマーケット分析を得意とする。


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