USDJPY CPIの結果受け32年ぶりの高値に上昇

2022/10/14  7:41  JST投稿

【米国】

為替(10月14日6時00分)
 米ドル円(USDJPY)    147.20-147.24 (円)
 ユーロ円(EURJPY)    143.81-143.91 (円)
 ユーロ米ドル(EURUSD) 0.9776-0.9778 (米ドル)
 ポンド円(GBPJPY)    166.70-166.90 (円)
 ポンド米ドル(GBPUSD) 1.1325-1.1133 (米ドル)

10月13日のニューヨーク外国為替市場では、9月米消費者物価指数(CPI、前年比、結果:8.2%、予想:8.1%、実績:8.3%)の影響が大きかった。伸び率は40年半ぶりの大きさとなった6月(9.1%)から3ヵ月連続で縮小したが、高水準で推移している。一方で、変動の大きい食品・エネルギー除くコア指数(前年比、結果:6.6%、予想:6.5%、実績:6.3%)は2カ月連続で上昇し、1982年8月以来、40年1カ月ぶりの伸び率を記録した。家賃を筆頭にサービス価格が上昇しており、高インフレの状況が続いていることが示された。

この結果を受け、11月1、2日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.75%の利上げ観測が織り込まれた上、1.00%の利上げ観測も浮上した。さらに、米長期金利が一時4.075%と2008年10月以来、14年ぶりの高水準に急激に上昇している。その後、3.894%に低下する場面があった。

金融政策の影響を受けやすい2年債と10年債(長期金利)の利回りは、70日連続で逆転(逆イールド)しており、終値ベースでは2年債が4.466%、10年債が3.95%だった。

また、ブルームバーグは英当局者らが内部でトラス首相の大型減税計画をどのように方向転換すべきか協議していると報じ、英国のクワーテング財務相はこれを否定している。

米ドル・円(USDJPY)は、9月CPIの予想を上回る結果に、FRBの利上げ観測が強まり長期金利が急激に上昇し米ドル買いが強まった。上値抵抗線(レジスタンス)の 1998年8月の高値147.66円を超え、1990年8月以来、32年2カ月ぶりの高値146.67円を付けた。しかし、日本の円買い介入への警戒が強く、利益確定につながりわずか数分で146.50円の安値に急落したが、日米金利差が意識されすぐに買い戻され終値は147.12円となった。

ユーロ・米ドル(EURUSD)は、欧州時間に米長期金利の低下やトラス政権が減税案の転換を検討との報道からポンド買いが強まり0.9753ドルまで値を上げた。しかし、CPIが予想を上回り長期金利が上昇すると米ドル買いが強まった。この日の安値0.9634を付けたが、株価の上昇につられた投資家心理の上向きから堅調に値を上げると、この日の高値0.9806ドルとなり0.9776ドルで終えている。

ユーロ・円(EURJPY)では、朝方はCPIが予想を上回るとリスク回避の円買いが強まり、この日の安値141.78円を付けた。その後、株価の上昇から投資家心理が上向くと144.09円まで上昇し、143.94円で終えている。

ポンド・米ドル(GBPUSD)は1.1329ドルから始まり、ポンド売りが優勢だったがトラス政権が減税計画の見直しを図っているとの報道から投資家心理が上向き買い戻された。1.1337ポンドまで上昇後、堅調に推移し、1.1318ドルで終えている。

株式
 NYダウ平均  USD 30,038.72 +827.87(+2.83%)
 NASDAQ総合  USD 10,649.152   +232.053 (+2.22%)
 S&P500      USD  3,669.91  +92.88(+2.59%) 

10月13日の米株式市場のダウ工業株30種平均は前日の終値を大幅に上回った。朝方はCPI(米消費者物価指数)が市場予想を上回り、売りが優勢となり500ドル以上値を下げ2020年11月以来の安値を付けた。しかし、FRBの積極的な利上げ継続観測が強まり上昇した長期金利が徐々に低下すると、幅広い銘柄に買いが入り持ち直した。さらに、決算発表を控え、好決算が見込まれる銘柄が買われたこともプラスに作用し3指数揃って上昇し終えている。

債券
米国債10年 3.95%(+0.048)

商品
 NY原油(WTI) 1バレル=USD 89.11 +1.84(+2.11%)(11月渡し)
 NY金(COMEX) 1オンス=USD 1,677.00 -0.50(-0.03%)(12月渡し)
 

【日本】CPIの発表控え、様子見の姿勢強まる

為替(17時)
10月13日の東京外国為替市場では、9月米消費者物価指数(CPI)の発表を控え、様子見の姿勢が強まったものの米ドルは対円で堅調に推移している。

米ドル・円は、CPIの結果を見極めたいとの思惑から、ほぼ横ばいで推移した。日本の円買い介入への警戒も強く、146.80円を挟んだ値動きが続き17時時点では146.83円だった。

ユーロ・米ドルも、CPIの発表を控え様子見が強く、0.97ドルを挟んだ横ばいで推移し、17時時点では0.9706ドルとなった。

ユーロ・円でも、様子見の姿勢が強まり142.50円付近の横ばいで推移した。方向性が出ず、17時時点では142.51円で取引されている。

債券
 国債先物・22年12月限  148.35 (-0.06)
 10年長期金利  0.245%(-0.005)

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アナリストプロフィール

Noriko Sasaki

投資運用歴25年。日系銀行、シティバンク、日興シティ信託銀行の勤務や、ITベンチャー企業でのIR・広報などを経て、金融に強みを持つライターとして活躍。
これまでのキャリアで培った金融の知識と、企業経営の視点、ニュースを複合的に織り交ぜたマーケット分析を得意とする。


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