2022/11/15 7:43 JST投稿
【米国】
為替(11月15日6時00分)
米ドル円(USDJPY) 139.72-139.73 (円)
ユーロ円(EURJPY) 144.35-144.35 (円)
ユーロ米ドル(EURUSD) 1.0330-1.0330 (米ドル)
ポンド円(GBPJPY) 164.26-164.29 (円)
ポンド米ドル(GBPUSD) 1.1755-1.1757 (米ドル)
11月14日のニューヨーク外国為替市場では、金融高官の発言が左右した。日本時間の朝方に報じられたウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事の利上げ停止には長期間要するとの発言から一転して、ブレイナード副議長からはハト派の発言が出ている。
ブレイナード副議長は、「利上げペースを鈍化させることが近いうちにおそらく適切になると思うが、本当に強調すべきことは、われわれにはさらにやるべきことがあるということだ」と述べている。
金融政策の影響を受けやすい2年債と10年債(長期金利)の利回りは、90日連続で逆転(逆イールド)しており、終値ベースでは2年債が4.399%、10年債が3.863%だった。
米ドル・円(USDJPY)は、ウォラー理事のタカ派的な発言から米ドル買いが強まり、早朝にこの日の高値140.80円を付けた。その後、ブレイナードFRB副議長のハト派的な発言が出ると一転して139.65円まで値を下げ、139.89円で終えた。一方で長期金利の上昇も下値の支えとなっている。
ユーロ・米ドル(EURUSD)は、欧州中央銀行(ECB)のパネッタ専務理事の発言が嫌気された。朝方にパネッタ専務理事は「ECBは利上げを継続しなければならないが、過度な引き締めは生産能力を破壊し景気後退を深刻化させる可能性があるため避ける必要がある」と述べた。この発言からユーロ売りが強まり、この日の安値1.0272ドルを付けた。その後はブレイナードFRB副議長のハト派的な発言から米ドル売りが強まると徐々に値を上げ終値は1.0327ドルとなった。
ユーロ・円(EURJPY)は、早朝はユーロ・米ドルの下落につられて値を下げたが、欧州株価の上昇からリスクオンの姿勢が強まった。徐々に値を上げ、この日の高値145.24円を付け、終値は144.48円だった。
株式
NYダウ平均 USD 33,536.70 -211.16(-0.62%)
NASDAQ総合 USD 11,196.220 -127.111 (-1.12%)
S&P500 USD 3,957.25 -35.68(-0.89%)
11月14日の米株式市場のダウ工業株30種平均は3日ぶりに前日の終値を下回った。前日までの2日間で大幅に値を上げた反動から利益を確定させる動き動きが優勢だった。FRBのブレイナード副議長の利上げペースの減速を示唆する発言がプラスに作用しディフェンシブ株が買われたが、再び売りに転じ前日の終値を下回り終えている。
債券
米国債10年 3.863%(+0.034)
商品
NY原油(WTI) 1バレル=USD 85.87 -3.09(-3.47%)(12月渡し)
NY金(COMEX) 1オンス=USD 1,776.90 +7.50(+0.42%)(12月渡し)
【日本】FRBウォラー理事のタカ派発言から米ドル買い優勢
為替(17時)
11月14日の東京外国為替市場では、朝方の米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事のタカ派的な発言から投資家心理が上向いた。今週は米金融高官の発言が続き、タカ派的な発言が続くものとみられる。
ウォラー理事は、「先週発表された10月の米消費者物価指数(CPI)の上昇率が鈍化したことは良いニュースだが一時点のデータに過ぎず、利上げを停止するための道のりは長い」との認識を示した。
米ドル・円では、朝方にウォラー理事のタカ派的な発言から米ドルが買われ、この日の高値139.94円まで上昇した。その後は、反動から139円付近に値を下げるも、小幅に買い戻され17時時点では139.50円となった。
ユーロ・米ドルは、米ドル・円の動きにつられ、朝方は米ドル買いが強まり値を下げたが、徐々に買い戻されたものの再び値を下げた。この日の安値1.0298ドルまで値を下げた後は、買戻しが入り、17時時点では1.0327ドルだった。
ユーロ・円では、ユーロ・米ドルの動きにつられ朝方は小幅に上昇し、この日の高値まで値を上げ144.43円を付けたが、反動で売られ143円半ばに値を下げた。その後は持ち直し徐々に値を上げ、17時時点では144.07円で取引されている。
債券
国債先物・22年12月限 149.26 (-0.22)
10年長期金利 0.240%(+0.005)
【マーケットアナリティクス】米ドル円は急落後、重要な下値支持線に合流(11月14日)
米ドル・円は10月末の新たな高値を更新して以来、1300ピップス以上下落した。
米ドルにとっては、日銀の介入や直近のCPI鈍化というネガティブな情報があった。世界中の多くの人がインフレ率の低下、もしくは上昇の停止を望んでおり、米ドルにとってはネガティブな情報にしかなり得ない。
米ドル・円の決定的な反転により、先週は2つのテクニカルな成功をもたらした。
1つ目は木曜日に145円(オレンジ色)の水平サポート(下値支持線)を抜け、2つ目は金曜日に中期上昇トレンドライン(3月以降の高値を結んだもの)を抜けたことだ。
この下落により、7月の高値で設定された非常に重要なサポートである139円(緑)に突入した。ここが今日の調整のスタート地点であり、売り手が少し後退し、利益を得ることができる場所だ。
今、強気(ブル)のメイントレンドに戻ることは、考えにくく反転はかなり強力だ。
私見では、長期的なセンチメントは弱気(ベア)に切り替わったと思われる。今のところ、短期的な強気修正が可能だが、さらに下降すると139円のサポートを破り、フィボナッチ比率は38.2%となった。これは、4、5、6、8月の重要なレベル130.5円(黄色)に向かってさらに下落する可能性を示唆していると思われる。
米ドル・円、デイリーチャート 11月14日(CET・中央ヨーロッパ時間)
引用元: “USDJPY Docks on a Crucial Support After Falling off a Cliff” (2022年11月14日, AXIORY Global Market News)
追記:11月15日、日本時間6:00の米ドル・円は139.72-139.73円で取引されている