2022/11/16 7:50 JST投稿
【米国】
為替(11月16日6時00分)
米ドル円(USDJPY) 139.21-139.22 (円)
ユーロ円(EURJPY) 144.12-144.13 (円)
ユーロ米ドル(EURUSD) 1.0352-1.0353 (米ドル)
ポンド円(GBPJPY) 165.13-165.14 (円)
ポンド米ドル(GBPUSD) 1.1862-1.1862 (米ドル)
11月15日のニューヨーク外国為替市場では、10月米生産者物価指数(PPI)が前年比での伸びが市場の予想以上に鈍化し、インフレ圧力の緩和が示され米ドル売りが優勢となった。前月比のPPI(結果:0.2%、予想:0.4%、前回:0.4%)、食品やエネルギーを除く前月比のコア指数(結果:0.0%、予想:0.4%、前回:0.3%)となっている。なお、その後発表された11月ニューヨーク連銀製造業景況指数(結果:4.5、予想:-5.8、前回:-9.1)は良好な結果となった。
また、11月独ZEW景況感指数(結果:-36.7、予想:-52.2、前回:-59.2)が予想以上に改善し、好感され投資家心理が上向きユーロが買われた。
金融政策の影響を受けやすい2年債と10年債(長期金利)の利回りは、91日連続で逆転(逆イールド)しており、終値ベースでは2年債が4.345%、10年債が3.777%だった。
米ドル・円(USDJPY)は、朝方に発表されたPPIでインフレピーク観測が強まると米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを減速するとの見方が強まり、米ドルが売られた。急激に値を下げ、8月29日以来の安値137.68円まで値を下げた。その後、長期金利の低下が抑制されると、買戻しや11月ニューヨーク連銀製造業景況指数の良好な結果から投資家心理が上向き139.69円まで値を戻し、終値は139.28円となっている。
ユーロ・米ドル(EURUSD)は、11月独ZEW景況感指数の良好な結果を受け欧州時間からユーロ買いが優勢だった。朝方のPPIを受けた米ドル売りが加速すると、さらにユーロ買いが増し7月1日以来の高値1.0479ドルまで値を上げた。しかし、北大西洋条約機構(NATO)加盟国のポーランドにロシアのミサイルが着弾し死者が出たとの報道から地政学リスクが意識されユーロ売りに転じている。日本時間の安値1.0312ドルを超え、1.0280ドルまで売られると買戻しが入り、終値は1.0349ドルだった。
ユーロ・円(EURJPY)は、良好な経済指標から値を上げていたが、地政学リスクが意識されると大幅に値を下げた。この日の安値143.35円まで売られた後は、小幅に値を戻し144.15円で終えている。
株式
NYダウ平均 USD 33,592.92 +56.22(+0.16%)
NASDAQ総合 USD 11,358.410 +162.190 (+1.44%)
S&P500 USD 3,991.73 +34.48(+0.87%)
11月15日の米株式市場のダウ工業株30種平均は前日の終値を上回った。朝方に米PPIでインフレのピークアウトが改めて示され、長期金利低下が好感され投資家心理が上向いた。前日の終値を450ドルほど上回っていたが、利益確定売りが優勢となり徐々に値を押し下げた。さらに、ロシアのミサイルが北大西洋条約機構(NATO)加盟国のポーランドに着弾し死者が出たとの報道から、地政学リスクが意識されると、前日の終値を割り込む場面も出ている。その後は、再び買いに転じ、前日の終値を小幅に上回り終えた。
債券
米国債10年 3.777%(-0.09)
商品
NY原油(WTI) 1バレル=USD 86.92 +1.05(+1.22%)(12月渡し)
NY金(COMEX) 1オンス=USD 1,776.80 -0.10(-0.01%)(12月渡し)
【日本】PPI発表控え上値は重い
為替(17時)
11月15日の東京外国為替市場では、決済に向けた需要から堅調に推移するも、米卸売物価指数(PPI)の発表を控え上昇が抑制された。時間外の米長期金利の低下も影響が大きかった。
米ドル・円では、午前中は輸入の決済に向けた米ドル買いが優勢となり、この日の高値140.62円まで値を伸ばした。その後、小幅に売られていたところで欧州勢が参加し、時間外の米長期金利の低下から、この日の安値139.18円まで売られ、17時時点では139.33円となった。
ユーロ・米ドルは、欧州勢参加までは様子見の姿勢が強く動きが出なかった。その後、米ドルの下落につられると値を上げ8月10日高値の1.0368ドルを超えるとさらにユーロ買いが加速し、7月5日以来の高値1.0418ドルまで値を上げた。17時時点では1.0407ドルで取引されている。
ユーロ・円では、ユーロ・米ドルの上昇から小幅に上昇を続けた。この日の高値145.11円まで値を上げたが、小幅に売りが出て17時時点では145.01円だった。
債券
国債先物・22年12月限 149.43 (+0.17)
10年長期金利 0.240%(変化なし)
【マーケットアナリティクス】AUDUSDは、格好の弱気な上値抵抗線を発見(11月15日)
今日のマクロ経済指標に最も影響を受けた1つが、豪ドル・米ドル(AUDUSD)だ。豪ドル、米ドル双方にとって重要なイベントがあった。まず、オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)の前回会合の議事録公表された。0.25%または0.50%の引き上げ(最終的には0.25%に決定)や、今後の展望(さらなる引き上げもしくは引き締めを実施の場合のサイクル)に関する議論があった。サイクルの一時停止もしくは0.50%の引き上げの可能性を議論し、小幅な引き上げの方が優勢だった。
その後、海の反対側では、予想を上回るニューヨーク連銀製造業景気指数(予想の-6.1に対して4.5)と小幅な米生産者物価指数(PPI、前月比予想の0.4に対して0.2)が発表された。当初、このデータを受け米ドルが弱含み、AUDUSDは急騰したが、しばらくすると相場は反転し、チャート上では非常に興味深いテクニカルな状況を作り出している。
現在、日足チャート上に弱気の反転パターンの実体が短くヒゲが実体の2倍以上となる流れ星(黄色)を形成している。この現象はランダムな場所ではなく、フィボナッチ比率38.2%と主要な下降トレンドライン(緑)の組み合わせに存在する。これに加え、7月から安値の状況におかれている。この状況が終盤まで続けば、中期的な大きな売りシグナルとなるだろう。
一方、フィボナッチ比率38.2%より上で終了した場合は、非常に心強い買いシグナルとなる。私見では、現在、中期的な大きな売りシグナルとなる確率がやや高い。
豪ドル・米ドル、デイリーチャート 11月15日(CET・中央ヨーロッパ時間)
引用元: “AUDUSD Finds a Good-Looking Bearish Resistance” (2022年11月15日, AXIORY Global Market News)
追記:11月16日、日本時間6:00の豪ドル・米ドルは0.6764-0.6765米ドルで取引されている