機関投資家の休暇前倒しや金利低下が重しに

2022/11/23  7:47  JST投稿

【米国】

為替(11月23日6時01分)
 米ドル円(USDJPY)    141.22-141.23 (円)
 ユーロ円(EURJPY)    145.50-145.50 (円)
 ユーロ米ドル(EURUSD) 1.0302-1.0302 (米ドル)
 ポンド円(GBPJPY)    167.89-167.91 (円)
 ポンド米ドル(GBPUSD) 1.1889-1.1889 (米ドル)

11月22日のニューヨーク外国為替市場は、24日の感謝祭を前に前倒しで休暇に入った機関投資家も多く大きな動きは出にくい状況だった。また、前日の午後にクリーブランド連銀のメスター総裁が「利上げペースを減速させることは理にかなっている」との認識を示し、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ幅が0.5%に抑制されるとの観測が強まり長期金利が低下した影響も強かった。

金融政策の影響を受けやすい2年債と10年債(長期金利)の利回りは、96日連続で逆転(逆イールド)しており、終値ベースでは2年債が4.523%、10年債が3.758%だった。

この日、経済指標の発表が少ない中、11月リッチモンド連銀製造業景気指数(結果:-9、予想:-8、前回:-10)は予想を下回り、投資家心理に影を落とした。

米ドル・円(USDJPY)は参加者が少ない中、長期金利の低下が重しだった。さらに弱い経済指標も影響し、上値は限定的で上がりづらく小幅な動きに留まった。141円前半の動きに終始し、141.23円で終えている。

ユーロ・米ドル(EURUSD)は、ユーロ圏消費者信頼感(結果:-23.9、予想:-26.0、前回:-27.6)の市場予想を上回る結果が支えとなり値を上げた。オーストリア中銀ホルツマン総裁による「コアインフレが低下しつつある兆候は見られない」とのタカ派的な発言も後押しとなった上、米長期金利の低下による米ドル売りもユーロ買いを推し進め、この日の高値1.0308ドルまで値を上げた。その後は小幅に値を下げるも堅調で、終値は1.0304ドルとなった。

ユーロ・円(EURJPY)は、朝方は米ドル・円の下落につられた売りが出て、この日の安値144.89円を付けたが、ユーロ・米ドルの上昇から徐々に値を上げ終値は145.53円だった。

株式
 NYダウ平均  USD 34,098.10 +397.82(+1.18%)
 NASDAQ総合  USD 11,174.407   +149.896 (+1.35%)
 S&P500      USD  4,003.58  +53.64(+1.35%) 

11月22日の米株式市場のダウ工業株30種平均は前日の終値を大幅に上回り、8月中旬以来、3ヵ月ぶりの高値水準に戻した。長期金利の低下が投資家心理を上向かせ幅広い銘柄が買われている。一方で、翌日の感謝祭を前倒しした機関投資家も多く、取引量が少ない中で買われたことも価格を押し上げる要因だった。また、この日発表された小売企業の予想を上回る結果も後押しとなり、年末商戦への期待が高まり消費関連株も買われ3指数揃って値を上げ終えている。

債券
 米国債10年 3.758%(-0.069)

商品
 NY原油(WTI) 1バレル=USD 80.95 +0.91(+1.14%)(1月渡し)
 NY金(COMEX) 1オンス=USD 1,754.80 +0.20(+0.01%)(12月渡し)
 

【日本】米長期金利低下や祝日控え小動き

為替(17時)
11月22日の東京外国為替市場では、時間外の米長期金利の低下や勤労感謝の日の祝日を前に、機関投資家の資産の調整の動きが目立った。この日は主要な経済指標もなく、米国も24日の感謝祭を控えていることから大きな動きが出にくい状況だった。また、中国国家衛生健康委員会がゼロコロナ政策の堅持を強調し、投資家心理を冷え込ませている。

米ドル・円は朝方に決済に向けた実需の買いが入り、この日の高値142.24円を付けたが、時間外の長期金利の低下や中国のゼロコロナ政策継続による投資家心理の冷え込みから、この日の安値まで141.64円値を下げた。その後は小幅に買い戻され17時時点では141.81円となった。

ユーロ・米ドルは、米長期金利の低下を受けユーロが買い戻され小幅に値を上げ、この日の高値1.0268ドルを付けた。その後は、小幅に下げるも買戻しが入り17時時点では1.0265ドルだった。

ユーロ・円は、ユーロ・米ドルでユーロ買いが優勢だった影響から小幅に上昇した。朝方にこの日の高値145.71円まで値を上げ、17時時点では145.58円で取引されている。

債券
 国債先物・22年12月限  149.34 (-0.07)
 10年長期金利  0.240%(変化なし)
 

【マーケットアナリティクス】非常に弱気な価格変動を見せるNZDCHF(11月22日)

この日、主要な経済指標の発表が無いため、主な指数や通貨はほぼ横ばいで推移しており、本稿執筆時点では穏やかな一日となっている。そのため、適切な取引ができる機会を探したいところだ。そんな中、ニュージーランドドル・スイスフラン(NZDCHF)で非常に有望な組み合わせを発見した。この値動きは、非常に有望だと思われる。

NZDCHFは明確な下降トレンドにあり、直近では主要な下降トレンドライン(青色)を試し、尊重したことから弱気(ベア)心理が働いていることが分かる。また、フィボナッチ比率が38.2%と夏場の重要なサポートであった0.59の上値抵抗線(レジスタンス、オレンジ)から急落し小幅に反発(バウンス)している。

現在、価格は1本のローソクのみで構成される流れ星を描いており、これは追加要因になりそうだ。上値抵抗線(レジスタンス)の跳ね返りだけでは物足りないという方は、サポートのブレイクアウトを待ちたいのかもしれない。この場合、緑色の中期上昇トレンドラインが重要となり、その下を1日終えた場合は、買い手にとっては決定的な売りシグナルとなるはずだ。

NZDCHF with a great bearish price action

ニュージーランドドル・スイスフラン、デイリーチャート 11月22日(CET・中央ヨーロッパ時間)
 
引用元: “NZDCHF with a great bearish price action” (2022年11月22日, AXIORY Global Market News)    
 
追記:11月23日、日本時間6:08のニュージーランドドル・スイスフランは0.5855-0.5870スイスフランで取引されている

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アナリストプロフィール

Noriko Sasaki

投資運用歴25年。日系銀行、シティバンク、日興シティ信託銀行の勤務や、ITベンチャー企業でのIR・広報などを経て、金融に強みを持つライターとして活躍。
これまでのキャリアで培った金融の知識と、企業経営の視点、ニュースを複合的に織り交ぜたマーケット分析を得意とする。


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