2022/11/29 7:34 JST投稿
【米国】
為替(11月29日6時15分)
米ドル円(USDJPY) 138.88-138.88 (円)
ユーロ円(EURJPY) 143.60-143.60 (円)
ユーロ米ドル(EURUSD) 1.0340-1.0340 (米ドル)
ポンド円(GBPJPY) 166.03-166.04 (円)
ポンド米ドル(GBPUSD) 1.1954-1.1955 (米ドル)
11月28日のニューヨーク外国為替市場では中国で異例のゼロコロナ政策に対する抗議活動が発生し、政権批判にまで発展している流れを受けリスクオフの円買いが強まったが、米金融高官のタカ派的な発言から投資家心理が上向いた。
まず、セントルイス連銀のブラード総裁は米金融当局がインフレ抑制のために来年、一段と積極的に利上げを行う必要が生じる可能性を金融市場が過小評価していると指摘した。「(政策金利が)経済に制約的になる道のりはまだ長い」と利上げがまだ続くことを示唆し牽制した。さらに、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、「インフレ率はあまりにも高い。インフレが高止まりしていることで米経済が潜在能力を完全に発揮する能力が損なわれている」と指摘。インフレ低下進展の兆しが見られるがインフレ率を米連邦準備理事会(FRB)の目標に戻すため、一段の措置が必要との考えを示している。
金融政策の影響を受けやすい2年債と10年債(長期金利)の利回りは、99日連続で逆転(逆イールド)しており、終値ベースでは2年債が4.444%、10年債が3.679%だった。
また、欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は欧州議会の公聴会で「ユーロ圏のインフレが既にピークを付けていたとしたら驚きだ」と述べ、利上げ終了が近づいていないことを示唆した。
米ドル・円(USDJPY)は、日本時間に異例な中国での政権批判が発生した動きからリスクオフの姿勢が強まり値を下げていた上、長期金利が低下しこの日の安値137.50円を付けた。その後は、買戻しや金融高官のタカ派的な発言が支えとなり139.01円まで値を戻し、終値は138.95円となった。
ユーロ・米ドル(EURUSD)は、米長期金利の低下やリスクオフの姿勢から徐々に値を下げた。ラガルド総裁の発言から小幅に値を戻すも限定的でこの日の安値1.0331ドルまで下げ、1.0340ドルで終えている。
ユーロ・円(EURJPY)は、日本時間にリスクオフの円買いが強まった反動から買戻しが入り、この日の高値145.01円まで値を上げた。その後は、再びリスクオフの姿勢が強まり徐々に値を下げ143.49円となり、終値は143.66円だった。
株式
NYダウ平均 USD 33,849.46 -497.57(-1.44%)
NASDAQ総合 USD 11,049.499 -176.857 (-1.57%)
S&P500 USD 3,963.94 -62.18(-1.54%)
11月28日の米株式市場のダウ工業株30種平均は前日の終値を4日ぶりに連続で下回った。中国で発生した異例のゼロコロナ政策への抗議活動がさらなる景気悪化を招くとの観測が強まり、景気敏感株を筆頭に幅広い銘柄が売られた。金融高官のタカ派的な金融引き締めの長期化を示唆する発言も影響し、3指数揃って値を下げ終えた。
債券
米国債10年 3.679%(-0.023)
商品
NY原油(WTI) 1バレル=USD 77.24 +0.96(+1.26%)(1月渡し)
NY金(COMEX) 1オンス=USD 1,755.30 -13.50(-0.76%)(2月渡し)
【日本】中国抗議活動受けリスクオフの円買いに
為替(17時)
11月28日の東京外国為替市場は、中国のゼロコロナ政策に対する抗議活動が各地で発生している動きからリスク回避のリスクオフの動きが強まった。時間外の米長期金利の低下もあり、円買いが強まっている。
米ドル・円は、朝方にこの日の高値139.47円を付けたが、中国で異例な抗議活動が発生した動きを受けリスクオフの円買いが強まった。米長期金利の低下も足かせとなり、この日の安値137.80円まで値を下げ、17時時点では138.31円となった。
ユーロ・米ドルは、米ドル・円の低下を受け徐々に値を上げた。この日の高値1.0403ドルまで上昇し、17時時点では1.0374ドルだった。
ユーロ・円は、投資家心理が弱まりリスクオフの円買いが出た。徐々に値を下げ、この日の安値143.05円まで安くなったが、欧州勢が参加すると徐々に買い戻され17時時点では143.49円で取引されている。
債券
国債先物・22年12月限 149.02 (+0.05)
10年長期金利 0.250%(変化なし)
【マーケットアナリティクス】EURGBPは、重要な長期的サポートで戦う(11月28日)
欧州時間後半にラガルドECB総裁のハト派的な発言に端を発し、ユーロが大きく反転した。この反転は、本日の注目すべきユーロ・ポンド(EURGBP)のチャート上で非常に興味深い状況が起こっており、非常に強い技術的な意味を持つ可能性がある。
EURGBPは先週、0.858(青色)の重要な水平方向の下値支持線(サポート)上で推移し、2022年8月以来の大きな反転から買い手を守っている。アジアセッションの終わりには、価格が大きく上昇し、11月14日以降の下値を結んだ短期下降トレンドライン(緑)の上に価格を引き寄せた。これは強力な買いシグナルとなり得たが、出現している反転は強気(ブル)のシナリオに疑問を投げかけている。
今、買い手を脅かしているのは、偽の強気ブレイクアウト(オレンジ色)の可能性だ。同価格が日足チャートの安値に近い位置で取引を終えた場合、適切な中期売りシグナルが点灯し、0.858のサポートを再度試すことになるだろう。このレベルへの圧力が高まると、需要全体にとって非常に悲惨な結果をもたらすブレイクアウトにつながる可能性がある。0.858を割り込んだ場合、長期的には究極の売りシグナルとなる。そのため、上値に留まる限り、買い手はまだ希望を持つことができるだろう。
ユーロ・ポンド、デイリーチャート 11月28日(CET・中央ヨーロッパ時間)
引用元: “EURGBP fights on a key long-term support” (2022年11月28日, AXIORY Global Market News)
追記:11月29日、日本時間6:15のユーロ・ポンドは0.8648-0.8649ポンドで取引されている