USD 良好な経済指標で上昇も長期金利低下が重し

2022/12/23 7:48  JST投稿

【米国】

為替(12月23日6時00分)
 米ドル円(USDJPY) 132.38-132.39 (円)
 ユーロ円(EURJPY) 140.30-140.31 (円)
 ユーロ米ドル(EURUSD) 1.0597-1.0598 (米ドル)
 ポンド円(GBPJPY) 159.37-159.40 (円)
 ポンド米ドル(GBPUSD) 1.2040-1.2041 (米ドル)

12月22日のニューヨーク外国為替市場では、朝方に発表された経済指標で良好な結果が示されたことがプラスに作用した。7-9月(第3四半期)の米実質国内総生産(GDP確定値、前期比、結果:3.2%、予想:2.9%、前回:2.9%)では、個人消費の上昇から上方修正されている。一方で新規失業保険申請件数(結果:21.6万件、予想:22.2万件、前回:21.4万件)が小幅な増加しており、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ継続観測が強まった。

金融政策の影響を受けやすい2年債と10年債(長期金利)の利回りは、117日連続で逆転(逆イールド)しており、終値ベースでは2年債が4.28%、10年債が3.686%だった。

米ドル・円(USDJPY)は、朝方に発表された良好な経済指標から131.91円から高値132.72円まで値を上げた。しかしながら、長期金利の低下を受けると徐々に値を下げ、132.17円付近まで低下すると132.40円付近の横ばいで推移し、終値は132.35円だった。

ユーロ・米ドル(EURUSD)は、英第3四半期GDP(前年比、結果:1.9%、予想:2.4%、前回:2.4%)の確報値が下方修正され景気悪化懸念が強まり、投資家心理が冷え込んだ。英国の前期比成長率は主要7カ国(G7)で最低の水準となっており、厳しい状況が示されている。徐々にユーロが売られ、安値1.0573ドルまで値を下げた。その後は小幅に値を戻し、終値は1.0596ドルとなっている。なお、ポンドは、対ドルで1.2063ドルから1.1993ドルまで下落した。

ユーロ・円(EURJPY)は、ユーロ・米ドルの下落につられ、徐々に値を下げ140.55円から140.04円まで値を下げた。その後、小幅に値を戻し140.22円で終えている。

株式
 NYダウ平均 USD 33,027.49 -348.99(-1.04%)
 NASDAQ総合  USD 10,476.119   -233.251 (-2.17%)
 S&P500     USD  3,822.39 -56.05(-1.44%)

12月22日の米株式市場のダウ工業株30種平均は3日ぶりに終値を下回った。個人中心の取引で値動きが出やすい状況となっている。前日までの上昇から反動で利益確定売りが出た上、クリスマス前の資産整理の動きも出た影響が強かった。また、朝方発表の週間の米新規失業保険申請件数は小幅増となりFRBの利上げ継続への懸念が強まり、売りが優勢となった影響も大きかった。

債券
 米国債10年 3.686%(+0.002)

商品
 NY原油(WTI) 1バレル=USD 77.49 -0.80(-1.02%)(2月渡し)
 NY金(COMEX) 1オンス=USD 1,795.30 -30.10(-1.65%)(2月渡し)
 

【日本】米長期金利低下が重しに

為替(17時)
12月22日の東京外国為替市場は、年末の決済に向けた動きや時間外の米長期金利の小幅な低下の動きに連動した。足元では、日銀の予想外な利上げを受け、さらなる政策変更への懸念も強まっている。

米ドル・円は、朝方は決済に向けた買いが入り高値132.48円を付けたが、米長期金利の低下から米ドル売りにつながり安値131.65円まで売りが進んだ。その後は、株価の上昇から投資家心理が上向き小幅に値を戻し、17時時点では131.95円となった。

ユーロ・米ドルは、米ドル・円の低下から徐々に値を上げ高値1.0650ドルまで値を伸ばした。その後は小幅な売りが入り、17時時点では1.0639ドルだった。

ユーロ・円は、朝方は決済に向けた買いが小幅に入るも、米ドル・円の下落につられ安値139.96円を付けた。その後は、買戻しにより値を戻し17時時点では140.39円で取引されている。

債券
 国債先物・23年3月限 146.25  (+0.49)
 10年長期金利 0.390%(-0.090)
 

【マーケットアナリティクス】EURAUDは間もなく1.568を最も近いサポートとして試す必要がある(12月22日)

木曜日、メジャー通貨の中で最も強い通貨はオーストラリアドルだ。ファンダメンタルズの観点からは、この動きをサポートするようなものは得られず、少し疑わざるを得ない状況だ。本日の分析では、長期上昇トレンドにあり、現在重要な下値支持線(サポート)を目指しているユーロ・豪ドル(EURAUD)の状況を確認したい。

EURAUDは長期間テクニカルな動きが強く、この状況を取り上げたい。3月から10月にかけ、このペアは巨大なダブルボトムを形成し、1.53の上値抵抗線(レジスタンス、オレンジ色)をブレイクアウトした後、適切な長期の買いシグナルを与えた。しかし、この相場は続かず、ほぼ3ヶ月間、このサポートと1.568(黄)の新しいレジスタンスの間にある長方形(緑)の中に留まった。ついに、12月15日に10月に開始した動きが継続することが示され、レジスタンスを破り大幅に上昇した。これは、新たな買いシグナルとなっている。

この2日間、この動きを弱気に修正する動きが出た。これは、想定内でブレイクしたレジスタンスがサポートとしてテストされており、基本シナリオだ。現在の下落は、1.568付近をサポートとして試しているだけで、上昇後、価格は上昇を続けるものと思われる。

一方、黄色のエリアを下回ると、強い売りシグナルとなる。なぜなら、過去数日間の上昇はすべて偽物であり、おそらくすべての買い手がロングポジションを放棄し、価格をさらに下落させることを意味するだろう。

 ユーロ・豪ドル、デイリーチャート 12月22日(CET・中央ヨーロッパ時間)

引用元: “EURAUD should soon test the 1.568 as the closest support” (2022年12月22日, AXIORY Global Market News)
     
追記:12月23日、日本時間6:00のユーロ・豪ドルは1.5889-1.5892豪ドルで取引されている


マーケットニュースは、12月26日から年末年始にかけお休みとなります。2023年にリニューアルを実施し、バージョンアップした上で皆様にお届けいたします。今後の展開にご期待ください。

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アナリストプロフィール

Noriko Sasaki

投資運用歴25年。日系銀行、シティバンク、日興シティ信託銀行の勤務や、ITベンチャー企業でのIR・広報などを経て、金融に強みを持つライターとして活躍。
これまでのキャリアで培った金融の知識と、企業経営の視点、ニュースを複合的に織り交ぜたマーケット分析を得意とする。


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