米地銀SVB破綻を受け米長期金利が急低下、米ドル売り広がる

【米国】

為替(2023年3月11日  6時00分)
米ドル円          USD/JPY  134.85  (円)
ユーロ米ドル   EUR/USD  1.0637  (米ドル)
ユーロ円          EUR/JPY   143.45  (円)
ポンド円          GBP/JPY   162.52  (円)
ポンド米ドル   GBP/USD  1.2031  (米ドル)
 
3月10日のニューヨーク外国為替市場では、米金融セクターでの信用不安を受けて米ドルが売られる展開となった。FDIC(米連邦預金保険公社)はこの日、米シリコンバレーを中心に事業を展開していたSVBファイナンシャル・グループの傘下銀行が、手元流動性不足の問題から経営破綻したことを発表。市場では、金融不安の高まりからFRB(米連邦準備理事会)が利上げのペースを緩めるとの見方が強まり、米金利が大幅に低下した。これを受けて急速に米ドルの売りが進行した。なお、同日発表された非農業部門雇用者数(NFP)(前月比、前回517千人、予想223千人、結果311千人)は市場予想を上回った一方、失業率は3.6%に悪化した。
 
債券市場では、金融政策の影響を受けやすい2年債の利回りが10年債(長期金利)の利回りを上回る現象(逆イールド)が継続しており、2年債が4.59%、10年債が3.70%となっている。
 
米ドル円は136.77円で取引を開始。金融システムへの不安が広がると、金利低下を伴って米ドルは一時134.12円まで大幅に下落。その後やや反発したものの、134.86円で取引を終えた。
 
ユーロドルは1.0589ドルで始まり。米ドル売りを背景に一時は1.0701ドルまで上昇した。その後やや押し戻されたものの、1.0637ドルで引けた。ポンドは、対米ドルで1.2031ドル近辺での取引となっている。
 
ユーロ円は144.83円で取引を開始。米雇用統計や金融システムへの不安を背景に乱高下し、一時は143.35円まで下落した。そのまま軟調に推移し、143.45円で取引を終えた。
 
株式
NYダウ平均     USD  31,909.64   -345.22 (-1.07%)
NASDAQ総合  USD  11,138.89   -199.46 (-1.76%)
S&P500           USD   3,861.59    -56.73 (-1.45%)
 
3月10日の米株式市場のダウ工業株30種平均は続落となった。JVBフィナンシャルグループの経営破綻を受け、市場では金融システムへの波及を警戒する見方が台頭。株式相場の重石となった。個別では、建機大手キャタピラーやJVBフィナンシャルの増資で主幹事を務めたゴールドマンサックスなどの下落が目立った一方、大手銀行JPモルガン・チェースや半導体大手インテルは逆行高となった。
 
債券・商品先物
米国債10年                   3.7035%  (-0.206)
NY原油(WTI)   USD/バレル     76.68  (+1.42%)
NY金(COMEX)  USD/オンス  1,867.20  (+1.75%)
 
 

【日本】 米雇用統計を控えて売り買いが交錯する展開

 
為替(17時)
3月10日の東京外国為替市場では、米雇用統計を控えて方向感のない展開となった。この日、日銀は金融政策決定会合で現行の緩和的な金融政策の継続を決定。一時は円売りが進む場面も見られたが、長くは続かなかった。また、退任する予定の黒田東彦氏が最後の会見を行ったが、発言内容は概ね想定された通りであり、こちらも特に取引の材料とはならなかった。
 
米ドル円は136.14円で取引を開始。一時は136.97円まで上昇したが、夕方にかけては押し戻され、136.43円で取引を終えた。
 
ユーロドルは1.0581ドルで始まると、ほぼ横ばいの展開が続いた。この日は高値1.0607ドルと安値1.0579ドルの間での取引に終始し、1.0594ドルで引けた。
 
ユーロ円は144.01円で取引を開始。取引時間前半には一時144.99円まで急速に上昇した。ただ、夕方にかけては急速に押し戻され、144.54円で取引を終えた。
 
 
債券
10年長期金利 0.403% (-0.096)
 

【注目の市場イベント】
3月14日:米消費者物価指数(CPI)(前年比)
3月15日:米小売売上高(前月比)
3月16日:ECB(欧州中央銀行)理事会、ラガルド総裁が会見
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