【今週のハイライト】ウクライナ・ロシアの戦闘激化への懸念や、ECBの追加利下げの思惑から欧州通貨安が進んだ

為替(2024年11月22日  6時00分)
米ドル円          USD/JPY   154.50 (円)
ユーロ米ドル   EUR/USD  1.0479  (米ドル)
ユーロ円          EUR/JPY   161.90   (円)
ポンド円          GBP/JPY   194.60  (円)
ポンド米ドル   GBP/USD  1.2596  (米ドル)

米ドル円
18日(月)は、10時から予定されている植田日銀総裁の講演を前に、追加利上げへの警戒感もある中で153.82円まで弱含んだ。ただ植田日銀総裁の講演が警戒されたほどタカ派ではないと受け止められると、155.13円までドル高円安が進行した。ただ、155円台には売り意欲が強く、徐々に上値を切り下げていき15時台には154.29円まで売り戻された。その後は手掛かり材料にかける中で、154.50円前後でもみ合いとなった。米10年債利回りが4.47%台まで上昇幅を拡大する中で、一時155.35円まで高値を更新した。全般で手掛かり材料に欠ける中で米金利動向をにらんだ展開となった。その後は買いが一巡すると、米10年債利回りが上昇幅を縮小したことなどが相場の重しとなり、徐々に上値を切り下げていった。28時台には154.56円まで下押した。

19日(火)は、トランプ・トレードによる米10年債利回りの上昇が一服したことや、日銀が12月会合で追加利上げに踏み切る可能性が残されている中で、上値が重たい展開が続いた。加藤財務相の発言が伝わるとドル売り円買いが進み、12時過ぎには153.94円まで下押した。後場に入ると日経平均株価が一時300円近く上昇したことも支えに円売りが進み154.65円まで上値を伸ばした。ウクライナ情勢の緊迫化に伴い一時4.34%台まで低下していた米10年債利回りが4.37%台まで低下幅を縮小させたことで、154.20円まで買い戻された。ただ、ロシアのプーチン大統領が各ドクトリンの改定を承認し、核兵器の使用基準を緩和したと伝わるとリスク回避の円買いが進み153.40円まで値を下げた。ただ欧州時間に付けた153.27円の安値が目先のサポートとして意識されると154.79円まで買い戻された。

20日(水)は、ウクライナ・ロシアの地政学リスクへの警戒感が後退したことで、リスク・オフの円買いが緩み、円売り・ドル買いが進行した。10時台には154.95円まで上値を伸ばしたが、155円台乗せに失敗すると日経平均株価がマイナス圏に沈み下げ幅を拡大したことも重しとなり154.69円まで下押した。その後は、日経平均株価が下げ幅を縮小したことや、米10年債利回りが4.42%台まで上昇したことで、強含みした。ロシアとウクライナを巡る一連の報道をきっかけにリスク・オフの円買い・ドル売りが先行すると24時台には155.05円付近まで値を下げた。ただ、対ユーロでドル買いが進んだ影響を受けたため下押しは限定的だった。ただ、上値の重さも残り引けにかけてはもみ合いとなった。

21日(木)は、日経平均株価が一時350円超安となり、節目の3万8,000円台を割り込んだ動きが嫌気され、154.87円まで下押した。その後は155円を挟んでの揉み合いが続いた。後場になると日経平均株価が一時400円前後下落した事を眺め、上値が重たい状態が続いたが、日本株売りが一服すると155.25円まで買い戻された。ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁が「金利はさらに低下する可能性がある」「ディスインフレは続くだろう」と発言したことで、154.55円まで下押した。低下していた米10年債利回りが下げ幅を縮小したこともあり、154.71円まで買い戻された。しかし、ウクライナとロシアの戦闘激化に対する警戒感は強く、欧米債は再び買いが優勢となったことで、153.90円まで下値を広げた。その後はマイナスに転じていたNYダウ平均が400ドル以上の上昇となるなど、米株相場の底堅さを確認すると、リスク・オフの円買いは後退し154.69円まで買い戻された。

ユーロドル
18日(月)は、ドル円のドル売りを支えに1.0550ドルまでわずかに上値を伸ばした。ただ円中心の相場となり、動意が薄い中で徐々に上値を切り下げ、13時前には1.0530ドルまで下押した。その後は、徐々に買い戻されていたが1.05ドル台前半でのもみ合いに終始した。20時台に1.0532ドルまで下押したが、東京時間安値の1.0530ドルが目先のサポートとして意識されると買戻しが優勢となった。その後は米10年債利回りが上昇幅を縮小したことなどを背景に、ドル売りが優勢となり強含んだ。28時過ぎには1.0606ドルまで上昇し、先週末高値を上抜けた。

19日(火)は、小幅なレンジでの推移で始まったが、12時過ぎには1.0600ドルをわずかに上抜けたが、節目がレジスタンスとして意識され上値が抑えられた。その後は1.0582ドルまで下押した。その後は1.0596ドルまで買い戻されたが、独10年債利回りが窓を開けて低下して始まった事でユーロが売られ1.0574ドルまで下押したが、更なる下げとなる材料はなく下げ渋った。欧州時間序盤では売りが優勢となっていたものの独長期金利の低下幅縮小に伴い買戻しが優勢となり、一時1.0600ドルまで上値を伸ばした。もっとも東京時間高値が目先のレジスタンスとして意識されたことや米10年債利回りの回復もあり、上値は重たく伸び悩んだ。その後は小幅なレンジでのもみ合いに終始した。

20日(水)は、東京市場オープン直後に1.0609ドルまで上値を伸ばしたが、引き続き1.06ドル台の上値は重たく上値が抑えられた。ドル円が上昇していることで、ドル買いの勢いが強まり1.0582ドルまで下押した。一時1.0595ドルまで買い戻されたが、米10年債利回りの上昇を背景に17時までに1.0576ドルまで下げ幅を拡大した。米10年債利回りの上昇やウクライナとロシアを巡る報道をきっかけに、リスク・オフのユーロ売り・ドル買いが活発化すると、前日安値の1.0522ドルを下抜けて1.0506ドルまで下押した。ただ、14日に付けた年初来安値の1.0497ドルがサポートとして意識されると下げ渋り、1.0542ドルまで買い戻された。

21日(木)は、14日安値の1.0497ドルが目先のサポートとして意識されているん中で、ドル円が売られていることで、ユーロドルはじり高に推移した。13時過ぎには1.0554の日通し高値を付けた。その後はロシア・ウクライナを巡る情勢悪化を嫌気したユーロ売りが優勢となり、1.0529ドルまで下押した。米10年債利回りの低下に伴うユーロ買い・ドル売りが進み、1.0544ドルまで小幅に上昇した。ただユーロ圏経済の先行き懸念からECBが12月に追加利下げを決めるとの見方が根強くユーロ売りが出やすい地合いであることもあり、26時までに1.0461まで急落した。その後売りが一服すると、1.0488ドルまで下げ渋った。

ユーロ円
18日(月)は、ドル円同様に植田日銀総裁の発言への警戒感から、162.25円まで円買いが進行したが、植田日銀総裁の発言に積極的な利上げ姿勢は見られず、163.49円まで上値を伸ばした。ただドル円が失速すると13時過ぎには162.70円まで売り戻された。日経平均株価が軟調に推移していることも相場の重しとなった。欧州勢参入後には163.19円まで上値を伸ばしたが、積極的に上値を伸ばす展開とはならなかった。

19日(火)は、前日に高値圏で引けたクロス円は利益確定目的の売りも入り、円買いが先行した。12時過ぎには163.09円まで下押したが、節目の163円がサポートとして意識されると下げ渋った。日経平均株価の上昇を支えに163.69円まで上値を伸ばしたが、独10年債利回りの低下で、ユーロドルが下げていることが相場の重しとなり、伸び悩んだ。

20日(水)は、ウクライナ情勢を巡る警戒感が後退したことや、ドル円・ユーロドルが上昇していることを支えに、164.28円まで上値を伸ばした。ただ、日経平均株価が200円超安までマイナス幅を拡大したことで、164円台前半でもみ合いとなった。15時台になるとドル円の上昇につられ上値を伸ばし、164.7の日通し高値を付けた。

21日(木)は、ユーロドルのこう着が続く中でドル円の下落に連れて163.34円まで下押した。軟調な日経平均株価を眺めながら163円台半ばまで戻りの鈍い展開が続いた。15時前には163.76円まで買戻しが進んだが、ニューヨーク連銀総裁の発言が伝わると、ドル円に連れて弱含んだ。16時台には162.85円まで下押した。

11月18日 9時00分 ~11月22日 6時00分までのレンジ幅
米ドル円 USD/JPY 153.27~155.88(円)
ユーロドル EUR/USD   1.0461~1.0609(ドル)
ユーロ円 EUR/JPY 161.47~164.74(円)
ポンドドル GBP/USD   1.2575~1.2714(ドル)
ポンド円 GBP/JPY 193.54~197.77(円)

株式
18日(月)は、前日にパウエルFRB議長が利下げを急がない姿勢を示すと、FRBによる利下げが市場予想よりも緩やかになるとの見方が強まり売りが広がった。週の初めに史上最高値を更新した後だけにポジション調整目的の売りも出やすかった。米ハイテク株比率が高いナスダックでは、決算内容が嫌気された半導体製造装置のアプライド。マテリアルズが9%超下落した。

19日(火)は、ウクライナとロシアの地政学的リスクの高まりを背景に売りが先行すると、NYダウ平均は一時450ドル超下落した。ただ、ラブロフ外相が「核戦争が起きないというのがロシアの立場だ」と発言したことから、リスク回避の動きは続かずに下げ渋った。またIAEAは「イランが核兵器に近いウランの生産停止に合意した」と明らかにしたことも安心材料となった。

20日(水)は、ウクライナ軍の英国製ミサイルでのロシア領内攻撃の報道が伝わると、ウクライナとロシアをめぐる緊張感が高まり売りが先行した。ただ、ユナイテッドヘルス・グループやアムジェンなどのディフェンシブ株の一角に買いが入ると持ち直した。

21日(木)は、ウクライナ・ロシアの戦闘激化への懸念から売りが強まるとNYダウ平均は下げに転じる場面もあった。ただ、米経済の底堅さを背景に景気敏感株に買いが集まると上昇に転じた。前日にエヌビディアが四半期決算の内容を無事にこなしたことで、幅広い銘柄に買いが集まり、NYダウ平均は一時610ドル超上昇した。

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