【今週のハイライト】欧州中央銀行(ECB)の利下げ開始観測が高まり、欧州通貨売りが優勢となった

為替(2024年4月19日 6時00分)
米ドル円      USD/JPY  154.62  (円)
ユーロ米ドル  EUR/USD  1.0644 (米ドル)
ユーロ円         EUR/JPY   164.56 (円)
ポンド円         GBP/JPY   192.18  (円)
ポンド米ドル  GBP/USD  1.2430  (米ドル)

米ドル円
15日(月)は、前週までの米国の強い経済指標の結果を受けて日米の金利差を意識したドル買いが優勢で堅調な地合いを維持した。ニューヨーク時間には米小売売上高の強い結果を受けて全般ドル買いが先行した。米10年債利回りも一時4.661%と昨年11月以来の高水準を記録したことも相場を下支えした。なお中東情勢の緊迫化もあり、伸び悩む場面もあったが、154.2円台を維持したまま引けた。
16日(火)は、午前中は前日高値を前に値幅が少ない揉み合いが続いたが、欧州勢が参入し始めると、前日高値の151.44円を上抜けて154.60円まで上値を伸ばした。ジェファーソンFRB副議長が「物価上昇圧力が根強く続いた場合は、より長期間の高金利維持が正当化される」などと発言すると、米10年債利回りの上昇とともにドル買いが先行した。ただ155円の節目がレジスタンスとして意識されると失速し、一時153.88円まで日通し安値を更新したが、パウエルFRB議長が利下げの時期が後ろ倒しになることを示唆するとドル買いが強まり、154.62円で引けた。
17日(水)は、15時に英消費者物価指数が予想を上回ると、欧州通貨を中心にドル売りの流れが出た。それにつられてドル円も下落したが154.45円までで底値は固く、その後は154.63円まで買い戻された。ただ155円を目前に日本当局による為替介入への警戒感が高まる中で、米10年債利回りの低下に伴う売りが出た。日米韓の財務相会合が開かれたことで、より警戒感が高まり、相場を押し下げたことで一時154.15円まで安値を押し下げた。
18日(木)は、米10年債利回りの低下に合わせてドル売り円買いが進み153.95円まで安値を押し下げたが、16日の安値153.88がサポートとして意識されたこともあり、再びドル買いが進行した。フィラデルフィア連銀製造業景気指数が予想を大きく上回り全般でドル買いが先行した。米10年債利回りが4.65%台まで上昇したことも相場を下支えした。しかし、日本当局による為替介入への警戒感も高く、前日高値の154.79円を前に上値は重くなり、154.62円で引けた。

ユーロドル
15日(月)は、ユーロ円の買いなどが支えとなり15時半前に1.0665ドルまで上値を広げたが、積極的に上値を仕掛ける勢いはなく、1.06ドル半ばで揉み合いが続いた。ECBの利下げ開始時期が近付いているという観測が高まる一方で、FRBの利下げ開始は後ずれする観測が高まっており、欧米の金利差拡大への思惑から、ユーロ売りドル買いが出やすくなった。コメ小売売上高の強い結果を受けて、1.0620ドルと昨年11月3日以来の安値を付けた。
16日(火)は、下値を試す動きが何度かあったものの底堅く揉み合いが続いた。欧州勢参入に伴い、ドル買いに勢いがついたが、1.0602ドルまで下押した後は1.0600ドルに観測される買いオーダーを割り込めず1.0622ドルまで買い戻されて引けた。独ZEW景況感指数が予想を上回ったことを受けて、ユーロ買いドル売りが先行しすると、1.0653ドルまで日通し高値を更新した。しかし買いが一巡後は徐々に高値を切り下げ、パウエルFRB議長の発言が相場の重しとなり、再びドル買いが進行し1.0601ドルの日通し安値を付けた。
17日(水)は、午後からドル買いが進行し1.0600ドルを試す動きもあったが底値は固く買い戻された。その後米10年債利回りが4.64%台まで低下したことや、経済指標の発表後にポンドに対してドルが売られると、ユーロドルも小幅ながらも強含んだ。ニューヨーク時間には、米10年債利回りの低下を手掛かりにユーロ買いドル売りが先行した。一時前日高値の1.0654ドルを前に伸び悩んだものの、米20年債入札後に米金利が低下幅を広げると、全般でドル売り優勢となり1.0679ドルの日通し高値を付けた。
18日(木)は、前日の強含みの流れを引き継ぎ堅調な地合いを見せた。1.0664ドルの底値が堅いことを確認すると上昇し、欧州勢の参入に合わせて上値を1.0690ドルまで広げたが、ECBが6月にも利下げに動くとの見方が強まる一方で、FRBによる利下げ開始時期は想定より後ずれするとの観測が高まっており、欧米の金利差拡大への思惑からユーロ売り・ドル買いが出やすくなり、1.0641ドルまで安値を押し下げ日通し安値を更新した。

ユーロ円
15日(月)は、底堅く堅調に推移している。米株先物が堅調地合いを維持していることもあり、下押しも限られた中で、164.43円まで上値を伸ばした。前週金曜日には中東情勢悪化の懸念が高まりユーロが売られる展開となったが、強はそのショートカバーとなり金曜日の下げを取り戻す形となり、引けにかけては163.85円前後でもみ合った。
16日(火)は、午前中は揉み合ったが午後からは、下値の堅さを確認し堅調に推移し、164.67円まで上値を伸ばした。しかし買いが一巡すると、ドル円の下落につられて163.76円まで下落したが、163.72円がサポートとして意識されており、反発上昇した。その後は164.3円前後で揉み合いが続いた。
17日(水)は、正午から15時頃にかけて弱含んだが、ダウ先物がプラス圏を回復したことや、欧州株式市場も反発していることで反発上昇し、164.36円まで買い戻された。英消費者物価指数が市場予想を上回ったことも相場を下支えした。その後ニューヨーク時間にも押し目を付けるものの底値は固く164.81円の日通し高値をつけて引けた。
18日(木)は、午前中に164.35円まで安値を押し下げたが、その後はユーロドルの上昇に合わせて、ユーロが買われ164.95円まで上値を伸ばし日通し高値を付けた。その後は、日本当局による為替介入への警戒感も高まりユーロ売り円買いの流れとなり、164.60円前後で揉み合いが続いた。

4月15日 9時00分 ~4月19日 6時00分までのレンジ幅
米ドル円  USD/JPY 153.28~154.78(円)
ユーロドル EUR/USD   1.0601~1.0690(ドル)
ユーロ円  EUR/JPY 163.17~164.95(円)
ポンドドル GBP/USD   1.2405~1.2484(ドル)
ポンド円  GBP/JPY  190.88~192.83(円)

株式
15日(月)は、米小売売上高が予想を上回る結果となったことで、米10年債利回りが4.661%台と大幅に上昇したことで、株式の相対的割高感が意識されて売りが優勢となった。イスラエルがイランへの報復の構えを見せると、NYダウ平均は一時320ドル超下げた。テスラは「世界の従業員の10%を削減する計画」と伝わると5%超急落した。
16日(火)は、NYダウ平均は6日連続で下落し約3か月ぶりの安値を付けた後だけに、短期的な戻りを意識した買いが入った。好決算を発表したユナイテッドヘルス・グループが5.2%近く上昇した。その半面で、米10年債利回りの上昇や中東情勢の緊迫化が投資家心理を冷やし上値を抑えた。
17日(水)は、決算内容が嫌気されたトラベラーズが売られた。またオランダの半導体大手ASMLホールディングが発表した決算もさえない内容となり、売りが出やすくなったため相場の重しとなった。ただ、下落相場が続いた後だけに値ごろ感から買いも入りやすかったため下値は限定的だった。
18日(木)は、ユナイテッドヘルス・グループやトラベラーズなどのディフェンシブ株が買われ、相場を下支えした。その半面で、利下げ時期の後退観測が高まったことや、米10年債利回りの上昇が嫌気され、セールスフォースやマイクロソフトなどには、売りが出た。またアナリストが投資判断を効下げたテスラが3%超下落した。

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