【今週のハイライト】米10年債利回りの低下を受けて全般でドル買いが優勢となった

為替(2024年5月17日 6時00分)
米ドル円       USD/JPY  155.35  (円)
ユーロ米ドル  EUR/USD  1.0866 (米ドル)
ユーロ円         EUR/JPY   168.83 (円)
ポンド円         GBP/JPY   196.83  (円)
ポンド米ドル  GBP/USD  1.2669  (米ドル)

米ドル円
13日(月)は、東京市場オープンから堅調に推移し155.95円まで上値を伸ばしたが、日銀が国債買い入れオペを前回から減額したことに伴い、新発10年債利回りが0.930%まで上昇し、155.50円まで下押した。もっとも下値では、押し目を拾いたい向きが多くすぐに買い戻された。NY連銀が公表した4月消費者調査で1年後の期待インフレ率が前月から0.3%上昇したことで、一転してドル買いが優勢となった。合わせてイエレン財務長官の発言も円売りを加速させ、156.25円まで上値を伸ばした。
14日(火)、東京オープンから堅調に推移し11時台には156.49円まで上値を伸ばした。その後は買いが一服し押し戻されるも、下値は限定的だった。本邦10年債利回りは足元で0.96%付近で高止まりとなっているが、市場の反応は限定的だった。15時台には、午前中の高値を上抜け156.54円まで上値を伸ばした。米生産者物価指数の上振れをきっかけに円売り・ドル買いが進行し、156.77円の高値を付けた。ただ米10年債利回りが上昇幅を縮小したことも相場の重しとなり、すぐに156.22円まで下押した。ただイエレン財務長官の為替介入へのけん制発言で、日本当局による為替介入への警戒感は薄れており、下値も限定的で156.41円で引けた。
15日(水)は、時間外の米10年債利回りが小幅に低下する中で、徐々に高値・安値を切り下げながら軟調に推移した。欧州勢が参入してくると、ドル売りが優勢となり155.96円まで下落した。もっとも、156円割れでは押し目買いが入りやすくなり、156.12円まで切り返して引けた。米CPIの鈍化や小売売上高の下振れを受けて、インフレ圧力や消費の落着きが意識されると米利下げ観測が高まり、米10年債利回りの低下とともにドル売りが進行した。米経済指標発表後は、154.75円まで下押したがすぐに買い戻され155.80円まで切り返した。ただ利下げ開始への期待も高まる中で、再び154.69円まで下押し日通し安値を付けた。
16日(木)は、時間外の米10年債利回りが4.32%台まで低下したことを受けて、ドル売り円買いが進行したが、その後はショートカバーの展開となり反発上昇した。。3日安値の153.05%から14日高値156.77円に引いたフィボナッチの61.8%が153.74円となっていることも意識され相場を下支えした。東京市場では一時153.59円まで値を下げたものの、欧州・ニューヨーク市場ではドルの買戻しが優勢となった。4月米住宅着工件数や米新規失業保険申請件数は予想よりも弱い内容となったが、4月輸入物価指数が予想を上回ると、ドルを買い戻す動きが強くなった。

ユーロドル
13日(月)小幅な値動きでもみ合いが続いた。何度か下値を試す動きもあったが底堅く、独10年債利回りが2.49%台から2.515%まで持ち直したことで小幅ながらも一時1.0775ドルまで買われた。米10年債利回りが低下したことも後押しとなり、前週末の高値1.0790ドルを上抜けて一時1.0806ドルの日通し高値を付けた。ただ米消費者のインフレ期待が1年先と5年先で上昇したことがわかると、米10年債利回りが低下幅を縮小し全般でドル高が優勢となった。
14日(火)は、手掛かりとなるような材料が乏しい中でドル円とユーロ円の堅調な推移に挟まれ方向感のなく小幅な値動きで推移した。15時台にはサポートされていた1.0784ドルを下抜けたがすぐに買い戻された。4月米生産者物価指数が前月比で予想を上回ると、米10年債利回りの上昇とともにドル買いが先行し1.0766ドルまで安値を押し下げ、日通し安値を付けた。ただ3月分の数値が下方修正されたこともあり、10年債利回りの上昇幅が縮小し、ドル買いも一時的となった。
15日(水)は、米10年債利回りの低下を支えに小幅ながらも堅調に推移した。欧州勢がドル売りで参入すると、16時台には1.0832ドルの日通し高値を付けた。もっともニューヨーク時間の米消費者物価指数と米小売売上高の発表を前に積極的な取引は控えられる展開となっている。ニューヨーク時間には、米PPIや米小売売上高が予想よりも下振れしたことを受けて、FRBの利下げ開始先送りになるという観測が後退すると、全般でドル売りが優勢となり、1.0869ドルまで上値を伸ばした。その後はすぐに売り戻されるも一時的で、引け前には1.0886ドルまで上昇し日通し高値を付けた。
16日(木)は、午前中仲値にかけて上昇し1.0895ドルの日通し高値を付けたが、米10年債利回りが上昇を始めると、徐々にドル買いが優勢となった。前日の上昇に対する調整売りも入り、引けまでに1.0874ドルまで安値を押し下げた。前日の4月米消費者物価指数(CPI)の結果を受けて、米インフレが再加速するとの懸念は薄れているものの、米10年債利回りの上昇に伴うユーロ売りドル買いが先行し、1.0854ドルまで値を下げ日通し安値を付けた。その後は1.0875ドルまで下げ渋る場面もあったが、戻りは限定的だった。

ユーロ円
13日(月)は、10時台に日銀が国債買い入れ額を減額させたことで167.51円まで下押したが、底値は固く買い戻された。独10年債利回りが2.515%まで持ち直したことで、ユーロ買いが優勢となった。ニューヨーク時間にも東京時間からの上昇を引き継ぎ、168.65円まで上値を伸ばし日通し高値を付けた。
14日(火)は小幅ながらも堅調に推移した。後場に入ると日経平均がプラス圏に切り返したのをながめ、168.86円まで上値を伸ばし日通し高値を付けた。しかし買いが一巡すると押し戻された。ただ米4月生産者物価指数が予想を上回ると、ドル円の上昇につられて上昇し、169.35円の日通し高値を付けた。
15日(水)は、前中に前日高値の169.35円をわずかに上抜け169.40円の日通し高値を付けたが、買いは続かず押し戻された。欧州勢が参入してくるとドル売りが優勢となりドル円が下落したのにつれて、ユーロ円も下落し168.02円まで安値を押し下げた。その後はショートカバーが入り168.84円まで切り返したが揉み合い168.55円で引けた。
16日(木)は、ドル円の下落に合わせて売りでスタートし、仲値にかけて167.32円の安値を付けた。ただ、その後は米10年債利回りの低下幅の縮小に伴いドル円が上昇した。それにつられる形で上値を伸ばし、168.89円の日通し高値を付けた。その後は、揉み合いが続き168.85円で引けた。

5月13日 9時00分 ~5月17日 6時00分までのレンジ幅
米ドル円  USD/JPY 153.60~156.78(円)
ユーロドル EUR/USD   1.0765~1.0894(ドル)
ユーロ円  EUR/JPY 167.32~169.39(円)
ポンドドル GBP/USD   1.2509~1.2700(ドル)
ポンド円  GBP/JPY  194.72~197.08(円)

株式
13日(月)は、NYダウ平均が9営業日ぶりに反落した。前週末までに8日続伸していたこともあり、利益確定目的などの売りが優勢となった。NY連銀が公表した、4月消費者期待インフレが前回から上昇したことも相場の重しとなった。
14日(火)は、4月米生産者物価指数が予想を上回ったものの、3月分の数値が下方修正されたことを受けて、物価の上振れへの過度な警戒感は薄れた。ナスダック総合では、米10年債利回りが低下したことで、高PERのハイテク株に買いが入り、史上最高値の16,538ドルに迫った。
15日(水)は、4月米消費者物価指数の鈍化や米小売売上高の下振れを受けて、FRBによる利下げ開始が先送りになるとの懸念が後退すると、買いが優勢となった。米10年債利回りが低下し、株式の相対的な割高感が薄れたことも、相場を下支えした。NYダウ平均やS&P500で史上最高値を更新した。
16日(木)は、NYダウ平均の買いが先行し初の4万ドル台を達成したものの、短期的な相場の過熱感が意識されると徐々に持ち高の調整売りが入り、上値が抑えられた。ハイテク株比率の高いナスダックでは、連日で史上最高値を更新していたこともあり利益確定目的の売りが出やすくなった。

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