【今週のハイライト】日本当局による円買い介入が実施された可能性が高まり円買いが優勢となった

為替(2024年5月3日 6時00分)
米ドル円     USD/JPY  153.61  (円)
ユーロ米ドル  EUR/USD  1.0724 (米ドル)
ユーロ円         EUR/JPY   164.72 (円)
ポンド円         GBP/JPY   192.50  (円)
ポンド米ドル  GBP/USD  1.2533  (米ドル)
 
米ドル円
29日(月)は、朝から堅調な伸びを見せ一時160.21円まで上値を伸ばした。ただ午後1時台には、急激にドル売り円買いが進行し155.05円まで安値を押し下げた。この動きに対して神田財務官は「為替介入について申し上げることはない」と発言した。その後は157.23円まで持ち直したが、16時頃からは再び下げ足を速め始め154.51円まで安値を押し下げた。ただ日通し安値である154.52円を下抜けることはできず買い戻され、156.33円で引けた。
30日(火)は、底値が堅いが上値への警戒感も強いことから156.7円~156.8円台で揉み合いが続いた。16時台には156.47円まで安値を押し下げる場面もあったがすぐに買い戻され、156.87円で引けた。米雇用コスト指数が予想を上回ったことで、FRBの利下げ開始時期が後ずれするとの観測が一段と高まり、じり高となった。米10年債利回りが4.68%台に上昇していることも相場を下支えした。
1日(水)は、午前中から底堅い動きが継続し16時過ぎには、157.98円まで上値を伸ばした。もっとも節目となる158円には届かず、その後は持ち高調整の売りに押される形となった。大きく動いた29日の高値安値にあてたフィボナッチでは、61.8%と158円が重なることも意識されていると考えられる。FOMCにて政策金利を据え置くことが決定され、米10年債利回りが4.58%まで下落したことを受けドル売り円買いの流れが強くなった。またパウエルFRB議長が「利上げの可能性は低い」と発言したことを受けて、引けにかけてはストップロスを巻き込みながら153.00円まで安値を押し下げた。
2日(木)は、オープンから堅調な上昇を見せ156.28円まで上昇したが、本邦4連休を前に手控えムードが広がる中で、売りが持ち込まれると急ピッチで値を下げ155.16円まで安値を押し下げた。もっともドル売りは続かず、売りが一巡すると155.55円まで持ち直した。ただ米10年債利回りが4.56%台まで低下したことも相場の重しとなり、153.05円まで安値を押し下げた。ただ1日の安値153.00円がサポートとして意識されると下げ渋った。
 
ユーロドル
29日(月)は、円相場が中心となりドル円とユーロ円に挟まれる形となった。そんな中で1.0733ドルまで上値を伸ばしたが、上値は重く押し戻され1.0708ドルまで安値を押し下げた。ECBの利下げ開始時期が近づいているという観測が高まる中で、独消費者物価指数(予想:0.6%、結果:0.5%)が予想を下回ったことで、一時1.0690まで安値を押し下げた。ただ、週明け早朝取引でつけた1.0684ドルが目先のサポートとして意識されると買戻しが入り、1.0729ドルまで上値を伸ばした。
30日(火)は、朝からドル高傾向にあり1.0693ドルまでじり安となったが、1.0690ドルがサポートそして意識されており、下げ渋った。欧州勢が参入してくると1.0735ドルまで上値を伸ばしたが、米10年債利回りの上昇を受けて全般でドル高が優勢となった。一時1.0689ドルと日通し安値をわずかに更新したが買い戻され、1.0719ドルまで上昇した。もっとも戻りは鈍く再びドル買いが優勢となり、1.0664ドルまで安値を押し下げ日通し安値を付けた。
1日(水)は、じり安となり16時手前には1.0649ドルの日通し安値を付けた。もっとも欧州主要国ではレーバーデーで休場となっている国が多いため動意は薄かった。16時以降は米10年債利回りが低下したことを受けドル売りが優勢となったが、戻しは1.0611ドルまでと勢いはなかった。ADP全米雇用統計は予想を上回ったものの、ISM製造業景況指数やJOLTS求人件数は予想より弱い結果となったことを受けて、全般ドル売りが先行した。FOMCやパウエルFRB議長の発言を受けて米10年債利回りが低下すると、ドル売りが加速し1.0732ドルの日通し高値を付けた。
2日(木)は、東京市場の動意が薄い中で揉み合いが続いたが、米10年債利回りが低下したことなどを受け、1.0728ドルまで上値を伸ばし日通し高値を付けた。ただ買いの勢いは続かず一巡後は、売り戻された。米単位労働コストや米新規失業保険件数などが予想を上回ると、ドル買いが先行し1.0674ドルまで安値を押し下げた。ただ前日の安値1.0650ドルが目先のサポートとして意識されると、一転して1.0730ドルまで買戻しが入り日通し高値を付けた。
 
ユーロ円
29日(月)は、午前中は順調に上値を伸ばし171.58円の高値を付けたが、ドル円に引きずられる形で下値を広げ166.35円の安値を付けた。売りが一巡した後は168.55円まで戻したが、16時台には165.64円まで下げ幅を拡大し日通し安値を付けた。しかし売りが一巡すると買戻しが入り167.98円まで上値を伸ばしたが、上値は重く揉み合いが続き167.56円で引けた。
30日(火)は、オープンとともに上昇し168.03円の日通し高値を付けたが、日本当局による為替介入への警戒感が高まっている中で、上値も重たい状態が続いている。16時台にはドル円が売られる動きに合わせて、167.40ドルまで下げるもすぐに買い戻されて168.60円まで上値を伸ばし日通し高値を付けた。しかしその後は上値が重く揉み合いが続いた。
1日(水)は、午前中はもみ合いが続いていたが、16時台に米10年債利回りが低下しユーロドルが上昇したのにつれて、上値を更新し168.66円の日通し高値を付けた。その後はFOMCの政策金利維持の発表とパウエルFRB議長の発言を受けて、ドル円が大幅に下落した。それにつられる形でユーロ売り円買いが進行し、引けにかけて164.03円の日通し安値を付けた。
2日(木)は、午前中は堅調に推移したが上値は重たい。ユーロドルで揉み合いが続く中で、ドル円の下落につられて下落し、166.49円まで値を下げた。売りが一巡後は166.67ドルまで戻すも勢いはなく、164.22円まで安値を押し下げた。ただ前日の安値164.03円が目先のサポートとして意識されると、下げ渋り165.02円まで買い戻された。
 
4月29日 9時00分 ~5月3日 6時00分までのレンジ幅
米ドル円  USD/JPY 153.00~160.21(円)
ユーロドル EUR/USD   1.0649~1.0735(ドル)
ユーロ円  EUR/JPY 164.04~171.58(円)
ポンドドル GBP/USD   1.2466~1.2569(ドル)
ポンド円  GBP/JPY  191.78~200.54(円)
 
株式
29日(月)は、アナリストが投資判断を引き上げたアップルが上昇すると、投資家心理が改善し買いが優勢となった。米10年債利回りの低下により株式の相対的な割高感も薄れたことで、相場を下支えした。また中国で運転支援機能の「フルセルフドライビング」実用化への期待が高まったテスラが15%超上昇した。
30日(火)は、米雇用コスト指数が予想を上回ったことで、FRBの利下げ開始時期が後ずれするとの観測が高まり、株売りが広がった。米10年債利回りが上昇したことで、株式の相対的な割高感が意識されたことも相場の重しとなった。
1日(水)は、パウエルFRB議長がFOMC後の会見で「次の行動がインフレになる可能性は低い」と発言したことで、投資家の警戒感が薄れ、NYダウ平均では一時500ドル超上昇した。ただ引けにかけては、売りが優勢となりこの日の上昇分を全戻しするような形となった。決算内容が嫌気されたアドバンスト・マイクロ・デバイセズでは9%近く急落した。
2日(木)は、前日のパウエルFRB議長が「利下げの確信を得るには時間がかかる」としたものの「次の行動が利下げになる可能性は低い」との発言から、安心感が広がり買いが入りやすくなった。米10年債利回りが低下したことで、株式の相対的な割高感が薄れたことも相場を下支えした。
 
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