【今週のハイライト】米経済指標の弱さが目立ちはじめ、FRBの利下げへの期待が高まったものの、依然としてドル高が優勢

為替(2024年6月21日  6時00分)
米ドル円          USD/JPY   158.93  (円)
ユーロ米ドル   EUR/USD  1.0701  (米ドル)
ユーロ円          EUR/JPY   170.08   (円)
ポンド円          GBP/JPY   201.15  (円)
ポンド米ドル   GBP/USD  1.2656  (米ドル)

 
米ドル円
17日(月)は、午前中から揉み合いが続く展開となった。午後になって値動きが一段と細り、157.40円前後でのもみ合いが続いた。先週末に日米の金融政策発表のイベントを終えて、ドル高・円安の地合いは変わらないものの、日経平均株価の大幅安などもあり一時157.15円まで安値を押し下げる場面もあった。6月ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想-10.5、結果:-6.0)が、予想を上回る結果となると、米10年債利回りの上昇とともに円売り・ドル買いが先行した。23時台には、157.96円の日通し高値をつけた。ただ、米10年債利回りが上昇幅を縮めると伸び悩み、徐々に上値が重たくなった。
18日(火)は、時間外の米10年債利回りが一時4.26%前後へ低下する動きに合わせて、157.52円まで下落した。もっとも米10年債利回りが下げ幅を縮小すると徐々に地合いを強めていった。クロス円が全般円安に振れたことも支えとなり、支えに158円台まで回復した。米小売売上高の予想下振れをきっかけに全般ドル売り優勢になると、157.62円まで下押したものの、ユーロ円などのクロス円の上昇につられて買いが入ると、158円台まで持ち直した。ただ、米10年債利回りが低下する中で戻りは限定的だった。
19日(水)は、東京仲値決めまでは売りが優勢だったが、徐々に買い戻された。欧州勢が参入してくると再び円買いが優勢となり、157.60円まで下値を広げた。ただ、積極的に売りを促すような材料が伝わったわけではなく、前日安値の157.52円手前では売りも一服し、157.77円まで下げ渋った。日本時間の夕刻に一時157.61円の日通し安値を付けたものの、前日の目安157.52円が目先のサポートとして意識されると徐々に買戻しが優勢となった。米国市場が休場という事もあり、市場参加者は少なかったが、引け前には158.12円と日通し高値を更新した。
20日(木)は、底堅く推移した。昨日まで5日連続で下値を切り上げ下値の堅さが目立つが、積極的に買い進めるような材料も乏しく14日の高値158.26円を前に伸び悩んだ。スイスフラン円の大幅下落も重しとなったが引けにかけては、158.28円まで上値を伸ばした。前週分の米新規失業保険申請件数や6月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数、5月米住宅着工件数など、この日発表の経済指標が総じて弱い内容だったことがわかると一時158.25円付近までよわ含んだものの、米10年債利回りが4.22%から4.29%に切り返すと、一転してドル買いが優勢となった。
 
ユーロドル
17日(月)は、新規材料にかける中で午前中は膠着状態が続いた。先週からのフランス政局不安への懸念は根強くややユーロ売りに傾き1.0686ドルまで安値を押し下げる場面もあったが、売り一巡後は1.07ドル台を回復し方向感は出なかった。フランスの政治情勢をめぐる不透明感から前週大幅に下落した仏株価指数が反発すると、投資家の過度なリスク回避姿勢が和らぎ、全般でユーロ買いが優勢となった。28時前には、1.0737ドルまで強含みし日通し高値を付けた。
18日(火)は、主体性のない動きでユーロ円の重さに影響され1.0718ドルまで下押した。フランスの政局不安への過度な警戒感は和らぎ売りは一服するも、5日移動平均線を下回った水準で戻りが抑えられている。21時前に一時1.0710ドルと日通し安値を付けたものの、前日の安値1.0686ドルがサポートとして意識されると買い戻しが優勢になり1.0761ドルまで上値を伸ばし日通し高値を付けた。フランスなどユーロ圏の政治や財政を巡る過度な懸念が和らいだこともユーロ買い・ドル売りを誘った。ただロンドンフィキシングに絡んだユーロ売り・ドル買いのフローが観測されると1.0732ドルまで売られた。
19日(水)は、ニューヨーク終値を挟んだ狭いレンジでの上下が続いた。欧州勢が参入してくると、ややユーロ売りが優勢となり一時1.0724ドルまで下押したが、その後はユーロ円と同様に下げ止まった。依然として、1.07ドル台前半での狭いレンジ内推移が続いている。小幅ながらも3日続伸した。米国市場が休場で市場参加者が少ない中で、大きな方向感は出なかった。また新規材料にも乏しく商いも低調だった。本日の値幅は0.0028ドル程度で小幅な値動きとなった。
20日(木)は、ドル円が堅調な推移をしていることや、時間外の米10年債利回りが上昇していることを受けて1.0724ドルまで下押した。ドルスイスフランのドル高にも引きずられる形となった。4営業日ぶりに反落した。米10年債利回りの上昇に伴いユーロ売り・ドル買いが出たほか、6月ユーロ圏消費者信頼感速報値(予想:-13.6、結果:-14.0)が予想を下回ったことが相場の重しとなり、一時1.0702ドルと日通し安値を付けた。
 
ユーロ円
17日(月)は、新規材料にかける中で午前中は膠着状態が続いた。先週からのフランス政局不安への懸念は根強くややユーロ売りに傾き1.0686ドルまで安値を押し下げる場面もあったが、売り一巡後は1.07ドル台を回復し方向感は出なかった。仏株価指数の反発や米国株相場の上昇を背景に、投資家のリスク回避姿勢が後退すると、円売り・ユーロ買いが優勢となった。引け前には、169.33円の日通し高値を付けた。
18日(火)は、ドル円の円高推移に連動し168.96円まで下押した。その後はドル円のじり高も支えに底堅く推移した。欧州勢が参入後はユーロ買い・ドル売りの流れがでた。独仏株の続伸する動きに後押しされたことが支えとなり、169.70円まで上値を伸ばした。その後は欧州株の上昇一服とともに169.50円台まで上げ幅を縮小した。ただ、ユーロドルの上昇に連れた買いが優勢になると、一時169.91円と日通し高値を付けたものの、ユーロドルが伸び悩むとユーロ円にも売りが出て169.35円まで押し戻された。
19日(水)は、ドル円の円高推移に連動して仲値にかけて円買いが優勢となった。その後は小幅な範囲でのレンジが続いた。欧州勢参入後には、売りが先行し一時169.12円まで下押し本日安値を更新した。もっともその後は欧州株式相場の動向を眺めながら169円台前半で上下する神経質な動きとなった。その後は、クロス円の上昇につられる形で169.90円まで上昇したが、すぐに押し戻され、ニューヨーク時間は169.75円前後でもみ合った。
20日(木)は、ドル円のじり高に連れて一時169.92円までわずかに上値を伸ばした。値動きは限られるものの円安の流れが続いている。ただスイスフランが全般で売られスイスフラン円が大幅に下げると、169.65円まで下押した後は169.70円前後でもみ合った。その後は欧州株高を背景に投資家のリスク志向が改善されると、円売り・ユーロ買いが先行した。23時台には6日以来の高値170.32まで上値を伸ばした。ただその後はユーロドルの下落に伴い売りが出て伸び悩んだ。
 
6月17日 9時00分 ~6月21日 6時00分までのレンジ幅
米ドル円  USD/JPY 157.15~158.93(円)
ユーロドル EUR/USD   1.0686~1.0761(ドル)
ユーロ円  EUR/JPY 167.95~170.31(円)
ポンドドル GBP/USD   1.2654~1.2739(ドル)
ポンド円  GBP/JPY  199.06~201.39(円)
 
株式
17日(月)は、フランス議会の不透明感から下落が続いていたフランスの株価指数が反発上昇すると、投資家の心理が改善し米株にも買いが入りNYダウ平均は5営業日ぶりに反発上昇した。ハイテク株比率の高いナスダックでは、人工知能に対する需要の高まりが米企業の業績を押し上げるとの見方が根強く、ハイテク関連銘柄に買いが入り、始終最高値で取引を終えた。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500でも史上最高値を更新した。
18日(火)は、5月米小売売上高が予想より弱い内容だったことが分かると、米利下げ観測が高まり株を買う動きが広がった。米10年債利回りの低下に伴い、株式の相対的な割高感が薄れたことも相場を下支えした。ハイテク株比率の高いナスダックでは、エヌビディアやクアルコムなど半導体関連株の上昇が目立ち、小幅ながらも続伸した。
19日(水)は、奴隷解放記念日の祝日で休場。
20日(木)は、この日発表の米経済指標が総じて弱い内容だったことがわかると、米利下げ観測が高まり、株を買う動きが広がった。市場では出遅れ感のあった銘柄を中心に買いが入りやすかった。一方でハイテク株比率の高いナスダックでは、連日の史上最高値更新した後だけに利益確定目的の売りが優勢となった。

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