【今週のハイライト】米国の軟調な雇用指標の結果を受けて、ドル売り株高が進行

為替(2024年6月7日 6時00分)
米ドル円         USD/JPY   155.59  (円)
ユーロ米ドル  EUR/USD  1.0887  (米ドル)
ユーロ円         EUR/JPY   169.42  (円)
ポンド円         GBP/JPY   199.00  (円)
ポンド米ドル  GBP/USD  1.2789  (米ドル)

米ドル円
3日(月)は、仲値にかけてドル売り・円買いが進行し156.99円まで安値を押し下げた。ただ目立った売り材料もなく、節目の157円が意識されると徐々に安値を切り上げ、157.47円まで持ち直した。ただ日経平均先物の下落などを背景に円買い圧力が高まった。5月米ISM製造業景況指数や4月米建設支出が予想を下回ったことで、全般でドル売りが進行した。米10年債利回りが4.39%台まで低下したことも相場の重しとなり、155.94円まで値を下げ、日通し安値を付けた。
4日(火)は、東京市場オープンから堅調に推移し156.48円まで上値を伸ばした。しかし買いが一巡後は上値が重くなり、新規材料は乏しいものの前日のドル売り・円買いの流れを引き継ぎ、前日安値を割り込むと155.36円まで値を下げた。欧州時間に一部報道で日銀の金融政策正常化への思惑が高まると、円買いが進行。4月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数が予想を下回るとさらにドル売りが優勢となり、154.54円まで安値を押し下げた。一時155.25円まで下げ渋る場面もあったが再び円買いに押され下落したが、154.54円がサポートとして意識されると、小幅に反発した。
5日(水)は、米10年債利回りが前日比プラス圏で推移する一方で、本邦新発10年物国債の利回りは伸び悩んだことで、目立った押し目もなく堅調に推移した。市場では「新NISAに伴う円売り・ドル買いが観測されている」との指摘もある中で18時台には156.30円まで上値を伸ばした。米ADP雇用報告の政府部門を除く非農業部門雇用者数が予想を下回ると、一時155.72円まで安値を押し下げたものの、5月米ISM非製造業景況指数が予想を上回った事で、一転して買戻しが優勢となった。ただ、前日高値の156.49円が目先のレジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。米10年債利回りが4.27%台まで低下したことも相場の重しとなった。
6日(木)は、朝方からの地合いの弱さが仲値後も継続され、10時台には155.36円まで下値を押し下げ日通し安値を付けた。しかしながら、中村日銀審議委員の発言を受けて本邦10年債利回りが低下すると、円売りが加速した。また欧州株相場の上昇を背景に投資家のリスク志向が改善すると円売り・ドル買いが進行した。22時台には一時156.44円の日通し高値を付けた。ただ、前日高値の156.48円が目先のレジスタンスとして意識されると次第に上値が重くなった。7日の米雇用統計を前に様子見ムードも広がる中で、米10年債利回りの上昇幅縮小も相場の重しとなった。

ユーロドル
3日(月)は、揉み合いが続いた。仲値にかけて1.0858ドルまで上値を押し上げたが上値は重く、その後はじり安となった。欧州勢が参入すると再び上昇し上値を試す動きがあったが、午前中の高値を超えることはできず失速し、ECBが今週6日にも利下げを決めるとの観測が相場の重しとなり、欧州市場では1.0827ドルまで値を下げた。しかし、ニューヨーク市場の取引時間に入ると、米経済指標の軟調な結果を受けて全般でドル売りが優勢となり、大幅に反発した。引けまでに1.0904ドルまで上値を伸ばし、16日の高値を上抜けた。
4日(火)は、前日からの上昇を引き継ぎ1.0916ドルまで上値を伸ばした。ただこの高値を頭に持ち高調整の売りに押され、ユーロ売りが優勢に転じた。株安やユーロ円の下落に連れる形で1.0884ドルまで値を下げた。欧州株安やユーロ円の下落につられてユーロ売り・ドル買いが優勢となり、21時前には1.0859ドルの日通し安値を付けた。ECBが今週6日にも利下げを始めるとの観測も相場の重しとなった。ニューヨーク時間にJOLTS求人件数が予想を下回ると、米10年債利回りが低下し1.0887ドルまで下げ渋った。
5日(水)は、円中心の相場となる中でドル円の上昇につられてユーロ売り・ドル買いが優勢となった。ドル円とユーロ円の値動きに挟まれる形で、値幅は限定的だったものの20時台には1.0859ドルまで値を下げた。米雇用指標が予想を下回り、米労働需給の緩和を示すと23時台には一時1.0891ドルの日通し高値を付けたものの、前日高値の1.0916ドルが目先レジスタンスとして意識されると失速した。米ISM非製造業景況指数の上振れも相場の重しとなった。
6日(木)は、アジア株高を眺めて上昇した豪ドル/米ドルと歩調を合わせて1.0895ドルまで上値を伸ばした。ただ本日のECB理事会での政策金利発表及びラガルドECB総裁の会見までは積極的な取引は控えられ、じりじりと値を下げて午前中の上昇分を1.0862ドルまで売り戻された。ただ前日の安値1.0854ドルが目先のサポートとして働くと下げ止まった。ECBは市場予想通り0.25%の引き下げを決定したものの市場は織り込み済みであったため、ユーロ買い・ドル売りで反応した。もっとも7日に米雇用統計の発表を控えていることもあり、ユーロ買いの勢いは長続きはしなかった。

ユーロ円
3日(月)は、ドル円の強含みにつられる形で上昇し170.89円まで上値を伸ばし日通し高値を付けた。ただ欧州勢参入後は、クロス円全般に売り圧力が高まった。5月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値が予想を下回ったことで、169.71円まで下落し日通し安値を付けた。NYダウ平均の下落を背景にリスク・オフの円買いも入った。
4日(火)は、ドル円が上げ幅を拡大した場面で強含むも上値が重くなり、東京市場終盤から円が全面高となった流れに沿って下落の勢いを増した。欧州株やナイト・セッションの日経平均先物が下落したことも嫌気され、168.00円まで下押した。ただ、その後は168円台半ばでのもみ合いに終始した。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出にくかった。
5日(水)は、クロス円全般の底堅い流れに沿って上昇した。欧州市場の序盤に入っても円が全面安の展開を続け、ユーロ円は170円まで上値を伸ばした。ただ170円が節目のレジスタンスとして意識されると押し戻された。その後も何度か上値を試すも、上抜けることはできず揉み合いが続いた。
6日(木)は、ドル円の動きに連動し169.21円まで下値を押し下げたが、中村日銀審議委員の発言後は上げ足を速めた。本邦10年債利回り低下や欧州株式市場が反発して始まったことでユーロ円も堅調な動きとなり、前日高値を上抜け170.28円まで上値を伸ばした。ただ、買いが一巡後は徐々に上値を切り下げ、29時前には169.29円まで下値を押し下げ、日通し安値を付けた。

6月3日 9時00分 ~6月7日 6時00分までのレンジ幅
米ドル円 USD/JPY 154.52~157.47(円)
ユーロドル EUR/USD   1.0827~1.0916(ドル)
ユーロ円 EUR/JPY 167.97~170.88(円)
ポンドドル GBP/USD   1.2694~1.2817(ドル)
ポンド円 GBP/JPY 197.20~200.65(円)

株式
3日(月)は、先週末のNYダウ平均が堅調に推移したことを背景に、日本株も買いが優勢となった。金融や保険関連の株に買いが目立ち、上げ幅は一時500円超となった。
一方で型式指定申請で不正行為が行われていたとの報告を受けて、トヨタ自動車・マツダ・ホンダなどの自動車関連株は総じてさえなかった。
4日(火)は、4月米雇用動態調査求人件数が予想を下回ると、FRBの利下げ開始が先送りになるという懸念が後退し、主力株に買いが入った。米10年債利回りが低下したことで、株式の相対的な割高感が薄れたことも相場の支援材料となった。ハイテク株比率が高いナスダックでは、エヌビディアが上昇した一方で、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)やテスラなどが値下がりした。
5日(水)は、5月ADP雇用報告が予想を下回り労働需給の緩和が示唆されると、FRBの利下げ時期が遅れるとの懸念が緩和し、買いが入りやすくなった。米10年債利回りの低下で、株式の相対的な割高感が薄れたことも買いを誘った。エヌビディアは大幅高となり、時価総額3兆ドル台に乗せ、アップルを超えた。ナスダックとS&P500は史上最高値を更新した。
6日(木)は、NYダウ平均は上昇。前日のADP雇用報告に続き、前週分の米新規失業保険申請件数が予想を下回ったことで、FRBの利下げ開始時期後退の懸念が緩和し買いが優勢となった。一方でハイテク株比率の高いナスダックでは、前日に史上最高値を更新した後だけに利益確定目的の売りが出やすかった。前日に最高値を付けたエヌビディアは利益確定目的の売りに押され1%超下げた。

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